新しい嫁探し?バツイチお父さんは娘の為に霊界で伝説になる。

ふなむし

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有給は娘の為に存在する。

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翌日
康成の朝は早い、娘より早く起き保育園の準備、朝ごはんの準備を行う。


夜勤の時は棗に娘を預け、見てもらうためローテーションではないが康成も炊事洗濯は出来る限り行うようにしている。


何故このような生活になっているかというと彩愛の母親の浮気が原因で離婚、相手は銀行マンと好条件のため母親は彩愛と康成を捨て家を出た。
幸いにも彩愛がまだ1歳になる前で物心つく前だったのもあり、彩愛にはママはいないとだけ伝えてある。3歳児にどこまで理解できているかわからないが、もう少し大きくなったら伝えなければならないと考えている。


棗、40代前半、若くして結婚し婿をもらい康成を産んだがその後事故で旦那を亡くし女手一つで康成を育てた。


このようなこともあり天童家には孫娘、息子、母親の三人暮らしという少しちぐはぐな家庭になっている。


そこそこ名家でもあり資産もそこそこ、事故、浮気の慰謝料等、田舎だがそこそこ良い生活ができている。


浮気した女の娘だが棗は「孫にも女の親にも罪はない一人の大人が、自立した大人がやらかしたこと、その子供はただ巻き込まれただけ4分の1は私の血が入って4分の1はあの人の血が入ってるんだ可愛くないわけがない」と彩愛を溺愛してくれている。


そういうこともあり康成は料理全般を普通の主夫並みには作ることができる。


「朝だぞー!」


康成がそういうと棗、彩愛と台所に起きてくる。


「パパおはよ…」


まだ少しねむいのか瞼を半開きで起きてきた彩愛がテーブルにつく。


朝食のコーンポタージュとパンを出すと彩愛はゆっくり食べ始める。


「今度ねえんそくがあるの、パパこれる?」


「ごめんねその日は仕事だから難しいかな…ナツばばから来てもらおうか?」


すると少し寂しそうな顔はするが


「うんっ!ナツばば来てくれるから大丈夫!」


すぐに笑顔になるが康成は娘に気を使わせているのだと思い、申し訳ない気持ちと悔しい衝動に駆られた。


「彩ちゃん、今度パパとナツばばと一緒に遊園地とかお買い物にでも行こうか?パパ有給もいっぱい残ってるからちょっとした旅行でも大丈夫だよ」


そういうと彩愛は

「ほんと!?行きたい!やくそくね!」


笑顔いっぱいになった娘を見て康成は娘の喜びそうな場所を探さなきゃと考えた。


その後、娘を保育園に送ったあと蔵へ向かい井戸の調査を開始した。


念のため野球部時代のバットを持ち、ロープ、時計、携帯、双眼鏡、カロリー○イト煙草をバックへ入れると梯子から中へ向かった。


井戸の底に着くと雰囲気が変わったような気がする。
上を向くと蔵の中ではあり得ない自然光が入ってきた。


荷物を確認し梯子を登るとあの草原に再び来ることができた。


「妄想でも化かされた感じでもないな」


携帯を確認すると電波はなかった。
カメラを起動しムービーをとりながら昨日発見した集落を目指した。
「やっぱり見たこともないはずだけど懐かしいような気がする」

奇妙な感覚にとらわれながら集落へ近づくと入り口付近に女性が見えた。


「第一村人発見!すみませーん!聞きたいことがあるんですけど!」


康成は大きな声で呼ぶと女性はこちらを向き背中に背負っていた筒をこちらに向けると轟音と共に体に軽い衝撃が走った。


風船で体を叩かれたような衝撃に「ん?」と首を傾げる。


爆発、硝煙のわりに軽すぎる衝撃にびっくりしていると


女性は驚いた顔で更に二発、三発と風船爆弾を発射してきた。


「痛くないけど…敵意がないことを伝えないとだな…よし…」


女性は爆発の煙が晴れてくると人影が動くのを確認し再度筒の引き金を構える

中から現れたかのは仁王立ちの全裸の男だった。
手を広げ
「お嬢さん…私は何もしません…
言葉が分かりますか?私に敵意はありません。」

自分のなかで一番良いと思う笑顔で女性に笑いかけた。




ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!



五発撃たれた




「いやー!すまんかったわ!日本語久しぶりでさ!急に大声で呼ばれるから思わず敵かと思ったぜ!全裸だし、なんか危険センサーがヤバいって言ってる気がしたんだけどなぁ…


俺は鬼人族が長、甚平の娘、華凛かりんって言うんだ。よろしくな!」


とりあえず服を来て土下座して許してもらいました。


彼女をよく見ると170センチ後半はありそうな身長
ゴリゴリではないが鍛え上げられた筋肉
健康そうに焼けた小麦肌
そして何より目を引いたのが


でかいな…F?いやっGはあるな

違う!頭に角みたいな…でもほぼ折れてる?


「あぁこれか?大分前に頭に良いのを貰っちまってよ、根元からポキッとな」


そんなに気にしてない様子だが…


「今時、立派な角があれば強い鬼の象徴だとか誰も言わなくなったし、霊界の中では解らないけど俺が村では父ちゃんの次に強いから実質ナンバー2だしな」


色々な情報が一気に飛び交ったぞ


「鬼って始めて見た」


「おいおい嘘だろ?どんな田舎から来たんだよ?確かに色々な種族はいるけど鬼人族はけっこういると思うぞ?」


「昔話には沢山出てきたけど物語だしおとぎ話みたいなもんだからな…」


桃太郎とか一寸法師、有名な話で鬼ってのは物語の敵役として大抵キーワードになってるもんだ。


中には泣いた赤鬼だっけか青鬼とかもあるが俺のイメージは大きくて乱暴者、酒が好きで金棒を振り回してる。


「物語ってもしかして桃太郎とかか?」


考えてた物語を当てられ頷くと


「あれ俺のご先祖様らしいんだよね。昔過ぎて何代前かもわかんないけど、やんちゃして島を占拠したらむっちゃ絞められたって聴いたぞ。」


「あれってガチな話なの!?」


「そうだよ、聴いた話だとゴリゴリな筋肉の桃太郎にゴリゴリなゴリラだろ?あとはライオンみたいなゴリゴリの犬と綺麗な雉」


「雉だけ普通じゃん!」


「雉はただのペットみたいなもんらしいぜ?鬼がクチバシでつつかれても痛くもねーしな」


「それって本当の話なの?」


俺の聴いた話と全然ちがうんですけど…


「多分お前が聴いた話に出てくる鬼は大抵俺のご先祖様ってか鬼人族のご先祖だよ」


どんどん混乱してくる俺の頭がオーバーヒートで訳ワカメな状態でいると、村の中から大きな男が現れた。


「君が迷い人かな?華凛が迷惑かけたね。」


2メートルはありそうな身長にガンダ○みたいな筋肉の肩幅の男はすまなかったと頭を下げるとこちらを見て


「私は華凛の父親で里の長もやっている甚平という。よろしく頼むよ。まぁよろしくと言ってもあと数時間で別れなければいけないけどね…」


「はぁ…?」


まぁあと数時間もしたら保育園の迎えだし俺も帰らなきゃな


「転生する前の魂の状態で現世の記憶を持ち霊界に迷いこむ、君みたいな人を迷い人と言うんだ。
大丈夫だよ…魂が不安な状態ではあるけれど数時間もすれば現世の君が目を覚まして勝手に元に戻れるよ。」


あー、臨死体験ってやつか?


「ちなみに現世の方が死んだりしたら?」

「魂は分解再構築されて霊界に生まれ変わりますよ」


「けっこういるんだよなー、川でバーベキューしてるとけっこう川のほうから来るから、肉食うか?って手招きすると逃げてくんだよな…」


それって三途の川かよ


ってことは…




「君もだいたい理解できたかな?まぁ…言い方の違いとかはあるけど、ここは、君たちで言う、あの世かな?」


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