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【番外編②】麻生さんからの手紙/憂太の過去(9)
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※憂太視点で話は進みます※
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あっつー。まじで、気温どうなってんだよ、早くアイス食いてー」
湊がもうすぐ歩いたら僕の部屋に着くというのに、暑さに悶えている。
「クーラーつけて出てきたから涼しいと思うよ」
「まじか、憂太天才すぎる」
僕は麻生さんの手紙を見つけてから、1時間も経たないうちに湊を部屋に呼び出していた。
「1人で2つもアイス食えんの、最高だな」
湊を迎えに行ったときに、急に呼び出したお詫びとしてコンビニでアイスを買っておいた。
それなのに、湊に会うと、なぜか湊もアイスを買っていてくれていた。
お互いの好みを考えてアイスを選んだからか、お互いのビニール袋にはチョコレート味と抹茶味のカップアイスが2つずつ入ってある。
家に着くと、いい具合に冷房が効いていて、外のモワッとする空気から解放されて涼しい。
「で、急にどしたの?」
早速、チョコレートのカップアイスを持って食べようとしている湊に聞かれる。
「えっと。前に見つけた麻生さんからの手紙あったと思うんだけど」
「あー、うん」
湊から内心の複雑さを表したような返事が返ってきた。
「まだ中読んでなくて」
「え?見つけてからかなり経つけど?」
「…なんか、見失っててさ。さっきソファーの下から出てきた」
「どんな放置の仕方してんだよ」
手紙を発見してから、湊と付き合うまでに泣いたり怒ったりしているうちに、手紙の居場所がわからなくなっていた。
「それで、今から読もうと思って」
「今さら読むの?大丈夫なの、憂太」
「…だから湊を呼んだんだよ」
「…あぁ、そういう…」
僕の気持ちを察したのか、湊は少し嬉しそうに頭をポリポリとかいた。
「じゃ、読みます…」
憂太くんへ
いきなりだけれど、謝りたくて手紙を書きました。
憂太くんには、謝らないといけないことがいっぱいだから、本当は直接謝らないとって思っていたんだけど、卒業式にも来ないかもしれないなと思ったので手紙にしました。
夏休みのときに無理を言って付き合わせてしまってごめんなさい。
本当は憂太くんが私のことを好きじゃなかったのも、隼人との関係を応援してくれていたのも知っていたの。
それなのに、憂太くんの気持ちを利用するようなことをして、本当にひどいことをしたんだなって、憂太くんの姿を見て気がつきました。
あと、2学期の始業式の日もごめんなさい。
何を言っても憂太くんの高校生活は戻ってこないから、取り返しのつかないことをしまったっていうことは変わらないんだけれど…憂太くんのことが嫌いになって傷つけようと思ったわけじゃなかったの。
正直に打ち明けると、私は隼人と付き合っていたけど、いつも相談に乗ってくれたから、隼人と別れても憂太くんがいるかって思ってました。
優しくて、かっこいい憂太くんと付き合えたら、周りの女の子たちにも羨ましがられるかなって…。
新学期の時も、隼人がまさか憂太くんのところに直接問い詰めに行くと思っていなくて、嘘をついて自分の身を守ってしまいました。
本当にごめんなさい。
憂太くんを追い詰めたのは、私が見栄を張ろうとしたり、自分の保身だけを考えて動いたからだよね。
本当にごめん。
私が言えることじゃないんだけど、卒業しても元気でいてね。
麻生美海より
同じペースで読んでいた湊は、僕が口を開くより先に怒りの言葉を発していた。
「…俺、腹立つんだけど、やっぱり麻生のことは好きになれんわ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あっつー。まじで、気温どうなってんだよ、早くアイス食いてー」
湊がもうすぐ歩いたら僕の部屋に着くというのに、暑さに悶えている。
「クーラーつけて出てきたから涼しいと思うよ」
「まじか、憂太天才すぎる」
僕は麻生さんの手紙を見つけてから、1時間も経たないうちに湊を部屋に呼び出していた。
「1人で2つもアイス食えんの、最高だな」
湊を迎えに行ったときに、急に呼び出したお詫びとしてコンビニでアイスを買っておいた。
それなのに、湊に会うと、なぜか湊もアイスを買っていてくれていた。
お互いの好みを考えてアイスを選んだからか、お互いのビニール袋にはチョコレート味と抹茶味のカップアイスが2つずつ入ってある。
家に着くと、いい具合に冷房が効いていて、外のモワッとする空気から解放されて涼しい。
「で、急にどしたの?」
早速、チョコレートのカップアイスを持って食べようとしている湊に聞かれる。
「えっと。前に見つけた麻生さんからの手紙あったと思うんだけど」
「あー、うん」
湊から内心の複雑さを表したような返事が返ってきた。
「まだ中読んでなくて」
「え?見つけてからかなり経つけど?」
「…なんか、見失っててさ。さっきソファーの下から出てきた」
「どんな放置の仕方してんだよ」
手紙を発見してから、湊と付き合うまでに泣いたり怒ったりしているうちに、手紙の居場所がわからなくなっていた。
「それで、今から読もうと思って」
「今さら読むの?大丈夫なの、憂太」
「…だから湊を呼んだんだよ」
「…あぁ、そういう…」
僕の気持ちを察したのか、湊は少し嬉しそうに頭をポリポリとかいた。
「じゃ、読みます…」
憂太くんへ
いきなりだけれど、謝りたくて手紙を書きました。
憂太くんには、謝らないといけないことがいっぱいだから、本当は直接謝らないとって思っていたんだけど、卒業式にも来ないかもしれないなと思ったので手紙にしました。
夏休みのときに無理を言って付き合わせてしまってごめんなさい。
本当は憂太くんが私のことを好きじゃなかったのも、隼人との関係を応援してくれていたのも知っていたの。
それなのに、憂太くんの気持ちを利用するようなことをして、本当にひどいことをしたんだなって、憂太くんの姿を見て気がつきました。
あと、2学期の始業式の日もごめんなさい。
何を言っても憂太くんの高校生活は戻ってこないから、取り返しのつかないことをしまったっていうことは変わらないんだけれど…憂太くんのことが嫌いになって傷つけようと思ったわけじゃなかったの。
正直に打ち明けると、私は隼人と付き合っていたけど、いつも相談に乗ってくれたから、隼人と別れても憂太くんがいるかって思ってました。
優しくて、かっこいい憂太くんと付き合えたら、周りの女の子たちにも羨ましがられるかなって…。
新学期の時も、隼人がまさか憂太くんのところに直接問い詰めに行くと思っていなくて、嘘をついて自分の身を守ってしまいました。
本当にごめんなさい。
憂太くんを追い詰めたのは、私が見栄を張ろうとしたり、自分の保身だけを考えて動いたからだよね。
本当にごめん。
私が言えることじゃないんだけど、卒業しても元気でいてね。
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