62 / 82
第62話 やきもち?
しおりを挟む
研究室でのゼミが終わると、鞄にノートパソコンや筆記用具をさっと詰めて、すぐに大学を出た。
憂太は夕方くらいには訪ねてくるだろうから、それまでに片付けを完了できるように帰る。
家に到着してからは、部屋の中に干してあった服をたたみ、掃除機をかけ、机の上に置きっぱなしの教科書や漫画もまとめて部屋の隅に追いやった。
ピンポーン。
インターホンのモニターを見ると憂太だった。
片付けに夢中になっている間に、太陽が沈みかけていたらしい。
開いてるよ、と答えると、憂太は「お邪魔します」と言って、ビニール袋のガサガサという音と共に入ってくる。
「湊、LINE見てないでしょ」
「え?、あー、ごめん。部屋の片付けに集中してた」
「だと思って適当に買ってきた」
そう言うと、ビニール袋の中からお菓子やスーパーの惣菜を机に並べた。
「うわー!ありがと。腹減ったからもう食っていい?」
目の前で良い匂いをさせているからあげが食べたくて、憂太の返事を待たずに1つ食べた。
「…湊。今日、ゼミ始まる前、なんかあった?」
テレビを見ながら食べていたら突然、憂太が尋ねてきた。
「え、な…にもない…」
憂太と長瀬さんの話を盗み聞きしていましたなんて言えない。
「じゃあ、なんで…あんなに顔赤くなってたの?」
憂太の口ぶりから、何か疑われているかもしれないと思った。
「えぇーっと、ゆうたと長瀬さんが話してるのを聞いてしまったからかも…」
変に言い訳して、喧嘩になるのは避けたくて、正直に研究室の前で立ち聞きしていたことを白状する。
「ええ!?あれ聞いてたの?」
憂太は驚きの声をあげ、目が丸くする。
頭上にびっくりマークが2、3こ飛び出しているようだった。
「聞いてました。すみません…」
研究室の前で、あれだけバレないように静かにしていたのに、自分からバラすなんて、情けなさと恥ずかしさが込み上げてくる。
プシュっと憂太がグレープフルーツ酎ハイの缶を開ける音がした。
「あー。もう…なんだあ。早とちりしてた…」
憂太はグイッと酎ハイを喉に流し込むと、はあ、とため息をついた。
「早とちり?」
憂太の言ってる意味が分からなくて尋ねる。
「湊が研究室に入って来たとき、何か顔赤くて、変な感じだったから…こっちに来る前に誰かと何かあったのかなと思って…」
照れ隠しなのか、憂太は手に持つ缶酎ハイを見ながら話していた。
なんとなく、顔も名前もわからない相手にやきもちを妬いていたのだとわかった。
「えっと…つまり……僕以外の誰かと何か照れくさくなるようなことでもあったのかな、とか思っちゃって。もしそうだったら、湊は僕の恋人だから手出さないでよ、とか思ってた…」
憂太は俺から目を逸らすようにして、グビグビと酎ハイを飲んでいる。
「憂太かわいい…」
素直にやきもちを妬いたことを話す憂太を見ると、今すぐ抱きしめたくなる。
「かわいい?僕が?」
「へ?」
心の中で思っていたはずなのに、勝手に口に出していたらしい。
「…っそれより、湊。どこから長瀬さんと話してるの聞いてたの」
無事に誤解が解けたのは良かったが、今度は照れ隠しをしている憂太に追い詰められている。
憂太は夕方くらいには訪ねてくるだろうから、それまでに片付けを完了できるように帰る。
家に到着してからは、部屋の中に干してあった服をたたみ、掃除機をかけ、机の上に置きっぱなしの教科書や漫画もまとめて部屋の隅に追いやった。
ピンポーン。
インターホンのモニターを見ると憂太だった。
片付けに夢中になっている間に、太陽が沈みかけていたらしい。
開いてるよ、と答えると、憂太は「お邪魔します」と言って、ビニール袋のガサガサという音と共に入ってくる。
「湊、LINE見てないでしょ」
「え?、あー、ごめん。部屋の片付けに集中してた」
「だと思って適当に買ってきた」
そう言うと、ビニール袋の中からお菓子やスーパーの惣菜を机に並べた。
「うわー!ありがと。腹減ったからもう食っていい?」
目の前で良い匂いをさせているからあげが食べたくて、憂太の返事を待たずに1つ食べた。
「…湊。今日、ゼミ始まる前、なんかあった?」
テレビを見ながら食べていたら突然、憂太が尋ねてきた。
「え、な…にもない…」
憂太と長瀬さんの話を盗み聞きしていましたなんて言えない。
「じゃあ、なんで…あんなに顔赤くなってたの?」
憂太の口ぶりから、何か疑われているかもしれないと思った。
「えぇーっと、ゆうたと長瀬さんが話してるのを聞いてしまったからかも…」
変に言い訳して、喧嘩になるのは避けたくて、正直に研究室の前で立ち聞きしていたことを白状する。
「ええ!?あれ聞いてたの?」
憂太は驚きの声をあげ、目が丸くする。
頭上にびっくりマークが2、3こ飛び出しているようだった。
「聞いてました。すみません…」
研究室の前で、あれだけバレないように静かにしていたのに、自分からバラすなんて、情けなさと恥ずかしさが込み上げてくる。
プシュっと憂太がグレープフルーツ酎ハイの缶を開ける音がした。
「あー。もう…なんだあ。早とちりしてた…」
憂太はグイッと酎ハイを喉に流し込むと、はあ、とため息をついた。
「早とちり?」
憂太の言ってる意味が分からなくて尋ねる。
「湊が研究室に入って来たとき、何か顔赤くて、変な感じだったから…こっちに来る前に誰かと何かあったのかなと思って…」
照れ隠しなのか、憂太は手に持つ缶酎ハイを見ながら話していた。
なんとなく、顔も名前もわからない相手にやきもちを妬いていたのだとわかった。
「えっと…つまり……僕以外の誰かと何か照れくさくなるようなことでもあったのかな、とか思っちゃって。もしそうだったら、湊は僕の恋人だから手出さないでよ、とか思ってた…」
憂太は俺から目を逸らすようにして、グビグビと酎ハイを飲んでいる。
「憂太かわいい…」
素直にやきもちを妬いたことを話す憂太を見ると、今すぐ抱きしめたくなる。
「かわいい?僕が?」
「へ?」
心の中で思っていたはずなのに、勝手に口に出していたらしい。
「…っそれより、湊。どこから長瀬さんと話してるの聞いてたの」
無事に誤解が解けたのは良かったが、今度は照れ隠しをしている憂太に追い詰められている。
10
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる