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第57話 変化
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「あ、おはよう。湊」
「おは…え?憂太?」
「うん?」
教室に入ると、後光が差しているのかと思うほどキラキラしている憂太がいた。
「えぇ?なに?かっこよすぎて、俺、今、絶対に心臓止まってたんだけど」
驚きすぎて本当に止まっていたと思う。
いつものモサモサした髪型は綺麗に切り整えられ、サラッとした黒の直毛が映える爽やかな髪型になっている。
それに、眼鏡をコンタクトに変え、眉毛も整えられていた。
特にヘアセットにこだわっているわけでも、メンズメイクをしているわけでもない。
それなのに、この女の子たちの騒ぎようを見ていたら、憂太が一目惚れされてきたという話に納得した。
「かっこいい…かな?」
憂太が不安げに尋ねてくる。
「かっこいいどころか、かっこよすぎる」
返事をしながら、憂太の隣の席に座る。
そっか、と嬉しそうな顔がいつも以上にかっこよくて、うっかりこの造形美から目を離せなくなりそうになる。
「憂太さ、女の子たちすっごいソワソワしてるけど…大丈夫?」
見た目を整えないようにしていた理由を聞いたからこそ、この変貌ぶりの理由が気になる。
何かの拍子で高校の嫌な思い出がフラッシュバックしないか、突然過呼吸になるほど追い込まれないかと心配にもなってしまう。
それに、こんなに女の子たちに注目されていると、かわいい子に言い寄られたらどうしようとか、やっぱり女の子がいいって言われたらどうしようとか、嫌でも自分の独占欲を自覚させられる。
「大丈夫!」
憂太は、はっきりと言い切って、ふん、と鼻から息をもらした。
「湊が一緒いてくれると思ったら、なんかメンタルが無敵になって、怖かったものが怖くなくなった」
嬉しさと安心で胸がギュウっとなり、喉が熱くなる感覚がした。
「だから、ありのままの姿で過ごそうって思った!もう隠したり、嘘ついたりする必要ないし」
過去は変えられないかもしれないが、過去を思い出にすることができたのかなと思うと、涙が出そうになる。
憂太は何か吹っ切れたのか、清々しい表情をしていた。
「おは…え?憂太?」
「うん?」
教室に入ると、後光が差しているのかと思うほどキラキラしている憂太がいた。
「えぇ?なに?かっこよすぎて、俺、今、絶対に心臓止まってたんだけど」
驚きすぎて本当に止まっていたと思う。
いつものモサモサした髪型は綺麗に切り整えられ、サラッとした黒の直毛が映える爽やかな髪型になっている。
それに、眼鏡をコンタクトに変え、眉毛も整えられていた。
特にヘアセットにこだわっているわけでも、メンズメイクをしているわけでもない。
それなのに、この女の子たちの騒ぎようを見ていたら、憂太が一目惚れされてきたという話に納得した。
「かっこいい…かな?」
憂太が不安げに尋ねてくる。
「かっこいいどころか、かっこよすぎる」
返事をしながら、憂太の隣の席に座る。
そっか、と嬉しそうな顔がいつも以上にかっこよくて、うっかりこの造形美から目を離せなくなりそうになる。
「憂太さ、女の子たちすっごいソワソワしてるけど…大丈夫?」
見た目を整えないようにしていた理由を聞いたからこそ、この変貌ぶりの理由が気になる。
何かの拍子で高校の嫌な思い出がフラッシュバックしないか、突然過呼吸になるほど追い込まれないかと心配にもなってしまう。
それに、こんなに女の子たちに注目されていると、かわいい子に言い寄られたらどうしようとか、やっぱり女の子がいいって言われたらどうしようとか、嫌でも自分の独占欲を自覚させられる。
「大丈夫!」
憂太は、はっきりと言い切って、ふん、と鼻から息をもらした。
「湊が一緒いてくれると思ったら、なんかメンタルが無敵になって、怖かったものが怖くなくなった」
嬉しさと安心で胸がギュウっとなり、喉が熱くなる感覚がした。
「だから、ありのままの姿で過ごそうって思った!もう隠したり、嘘ついたりする必要ないし」
過去は変えられないかもしれないが、過去を思い出にすることができたのかなと思うと、涙が出そうになる。
憂太は何か吹っ切れたのか、清々しい表情をしていた。
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