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第55話 恋人に
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「え?ほんとに?両思い?」
伝え方ばかり考えていて、告白の返事を全く想像していなかった。
安堵しているのか、戸惑っているのか自分の感情がわからなくなる。
「うん。でも僕、女の子みたいにふわふわする所なんて無いし、いい匂いとかもしないけど良いの?」
「良い!俺は憂太だから好きになったんだ」
慣れないことを言ったせいで、心臓の脈打つ音が憂太にまで聞こえている気がしてきた。
恥ずかしすぎて熱くなってきた顔を、平静を保つために数回パチパチと叩く。
「そういうとこだよ、湊の嘘がバレるの」
俺を指さして笑う憂太は、いつものいたずらしたくてウズウズしているときの顔になっている。
「……ねえ、みなと。僕、湊のこと好きだよ」
「お、おう…」
「だから…僕の恋人になってくれませんか」
さっきまで、いたずらっ子のような幼い顔をしていたはずの憂太が、ふわっと優しい表情に変わっていた。
「よ、よろこんで?」
憂太の宝物を見つめるような視線に耐えれずにいたら、変な返事をしていた。
「なんで疑問系!はっきり言い切ってよー」
憂太はコロコロと表情を変えて、今度は拗ねたように口を尖らせている。
「んはは。ごめん、ごめん。…喜んで恋人になるよ。俺、憂太のこと何よりも大切にする。絶対泣かせない」
まっすぐ憂太の目を見て言った。
「憂太はさ、これまで辛いこともいっぱい経験してきただろ。だからその分、俺は憂太を毎日笑わせて過ごす!もう過去なんかちっぽけに思えるくらい!そんで、今度もし、何かつらいことが起きても、俺は絶対に味方でいるって決めてる。憂太の代わりに大暴れてやる!」
意味不明でも、支離滅裂でも、憂太を大切にしたいという気持ちが伝わればなんでもいい。
「んもう…なんでいつもソワソワした変な反応するのに、こういう時だけ彼氏感出すんだよ」
そう言って憂太は涙が溢れないように少し上を向いて、何度かまばたきをした。
「え?ゆ、ゆうた?」
「あーあ。もう、いきなり湊に泣かされてるんだけど」
「いやいや、待って、これはノーカンだろ!?」
憂太は悪態をつきながらも、口元を緩ませて、ありがとうと言った。
伝え方ばかり考えていて、告白の返事を全く想像していなかった。
安堵しているのか、戸惑っているのか自分の感情がわからなくなる。
「うん。でも僕、女の子みたいにふわふわする所なんて無いし、いい匂いとかもしないけど良いの?」
「良い!俺は憂太だから好きになったんだ」
慣れないことを言ったせいで、心臓の脈打つ音が憂太にまで聞こえている気がしてきた。
恥ずかしすぎて熱くなってきた顔を、平静を保つために数回パチパチと叩く。
「そういうとこだよ、湊の嘘がバレるの」
俺を指さして笑う憂太は、いつものいたずらしたくてウズウズしているときの顔になっている。
「……ねえ、みなと。僕、湊のこと好きだよ」
「お、おう…」
「だから…僕の恋人になってくれませんか」
さっきまで、いたずらっ子のような幼い顔をしていたはずの憂太が、ふわっと優しい表情に変わっていた。
「よ、よろこんで?」
憂太の宝物を見つめるような視線に耐えれずにいたら、変な返事をしていた。
「なんで疑問系!はっきり言い切ってよー」
憂太はコロコロと表情を変えて、今度は拗ねたように口を尖らせている。
「んはは。ごめん、ごめん。…喜んで恋人になるよ。俺、憂太のこと何よりも大切にする。絶対泣かせない」
まっすぐ憂太の目を見て言った。
「憂太はさ、これまで辛いこともいっぱい経験してきただろ。だからその分、俺は憂太を毎日笑わせて過ごす!もう過去なんかちっぽけに思えるくらい!そんで、今度もし、何かつらいことが起きても、俺は絶対に味方でいるって決めてる。憂太の代わりに大暴れてやる!」
意味不明でも、支離滅裂でも、憂太を大切にしたいという気持ちが伝わればなんでもいい。
「んもう…なんでいつもソワソワした変な反応するのに、こういう時だけ彼氏感出すんだよ」
そう言って憂太は涙が溢れないように少し上を向いて、何度かまばたきをした。
「え?ゆ、ゆうた?」
「あーあ。もう、いきなり湊に泣かされてるんだけど」
「いやいや、待って、これはノーカンだろ!?」
憂太は悪態をつきながらも、口元を緩ませて、ありがとうと言った。
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