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第47話 よくある話の続き /憂太の過去(3)

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恋愛の相談に乗ってもらっていた相手のことを好きになるなんて、よくある話だと思った。

相手が憂太なら俺だって好きになる。

ただ、憂太に彼女がいたという事実はショックだったが、それよりも隠されていたことの方がずっとショックだった。

「(付き合ってた期間が短かったから言わなかったのか、麻生さんのことが好きで付き合ったんじゃないから言わなかったのか…)」

いくら悲しかったからとはいえ、理由も聞かず一方的に怒りをぶつけたのは良くなかった。

「なあ、憂太。さっきは言い過ぎ…た…」

憂太が眉間に皺を寄せ、背中の動きが分かるくらい大きく呼吸している。

「…え?…ゆうた?」


このよくあると思っていた話には続きがあった。

「…に、2学期が始まって、学校に行ったらクラスの雰囲気が変で…誰も僕と目も合わせてくれなくなって」

胸に何かがグサリと刺さるような痛みが走った。

憂太にこれ以上この話をさせるのは良くない気がする。

「憂太。無理に話さなくていい」

憂太は怯えたように俺を強く抱きしめながら、俯いて首を横に振っている。

「湊にはちゃんと、最後まで…話す」

憂太は涙で目を潤ませながら、1度深く呼吸をして話し始めた。

「麻生さんの彼氏は結構目立つタイプの人でさ、周りへの影響力がすごくて。学校に行ったら、みんなの前でその彼氏から麻生さんとの関係を問い詰められちゃって…」

憂太の呼吸音だんだん大きくなり、不規則なリズムになってきている。

「無理しなくていい。憂太。話したくないことぐらい誰だったあるって」

ここから先の出来事は憂太にとって辛い記憶なのだろう。

こんな弱々しい憂太を見るのは初めてだった。

「…ありがと…情けない話だけど、もう少しだけ聞いて…」
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