37 / 82
第37話 周囲の目
しおりを挟む
「ね、湊。イルミネーション綺麗だし、もうちょっと歩かない?」
唐突な提案だったが、憂太と過ごせる時間が増えるのに断る理由なんてない。
それに、まだまだ憂太のことを知りたい。
「ん?良いよ、歩こ歩こ」
返事をして、映画館からの最寄り駅を通り越した。
こんな冬の寒い夜に、たくさんの光たちが街路樹に巻きついてキラキラと輝いている様子を眺めていると、どんどん人恋しい気分になってくる。
それなのに、すれ違うカップルたちは甘い空気を醸し出しながら、腕を組んだり、手を繋いだりしていて羨ましい。
「…ああいうの、良いなぁ…」
「ん?なんて?」
憂太と手を繋ぎながら歩ける日が来るのかな…と思ってるうちに口に出していた。
「いや、えと…映画でもあったけどさ、手繋いで歩くのって恋人の特権って感じがして良いよなって…」
そう言ったものの、こんな人通りが多い道で男同士が手を繋いで歩くなんて、変な目で見られるかもしれない。
それに、本当の恋人でもないのに、急にこんなことを言って憂太を困らせたくない。
「…じゃ、繋ぐ?」
憂太がスッと手を出してきた。
「へ?」
迷いなく手を出してくる憂太の行動に驚いた。
「いやいや、男同士だと目立つから無理だって」
「別に良くない?誰も見てないよ」
憂太の雰囲気に流されて手を取りたいのに、周囲の目が気になって勇気がでない。
唐突な提案だったが、憂太と過ごせる時間が増えるのに断る理由なんてない。
それに、まだまだ憂太のことを知りたい。
「ん?良いよ、歩こ歩こ」
返事をして、映画館からの最寄り駅を通り越した。
こんな冬の寒い夜に、たくさんの光たちが街路樹に巻きついてキラキラと輝いている様子を眺めていると、どんどん人恋しい気分になってくる。
それなのに、すれ違うカップルたちは甘い空気を醸し出しながら、腕を組んだり、手を繋いだりしていて羨ましい。
「…ああいうの、良いなぁ…」
「ん?なんて?」
憂太と手を繋ぎながら歩ける日が来るのかな…と思ってるうちに口に出していた。
「いや、えと…映画でもあったけどさ、手繋いで歩くのって恋人の特権って感じがして良いよなって…」
そう言ったものの、こんな人通りが多い道で男同士が手を繋いで歩くなんて、変な目で見られるかもしれない。
それに、本当の恋人でもないのに、急にこんなことを言って憂太を困らせたくない。
「…じゃ、繋ぐ?」
憂太がスッと手を出してきた。
「へ?」
迷いなく手を出してくる憂太の行動に驚いた。
「いやいや、男同士だと目立つから無理だって」
「別に良くない?誰も見てないよ」
憂太の雰囲気に流されて手を取りたいのに、周囲の目が気になって勇気がでない。
7
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
そんなの真実じゃない
イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———?
彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。
==============
人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる