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第30話 信頼
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映画デート中の彼氏の振る舞いといっても、憂太はすでに座席の予約も済ませてくれている。
残っていることといえば、チケットの発券とポップコーンを買うくらいしかない。
「湊、ポップコーン食べる?」
なにがあるかなと考えている間に先を越されてしまった。
「うん、食べる」
「じゃあさ、チケットこれで発券して、売店並んでて。トイレ行ってくる」
そう言うと、返事を聞く前に憂太はスマートフォンを渡してトイレに向かって行った。
スマートフォンのロックは解かれていて、発券番号とQRコードが書かれたメールの画面になっている。
「(さすがにこの状態のスマホ渡すって危機管理なってなさすぎだろ…まあ、でも…)」
実は「湊は特別だから」という意味があったらいいのになと思いながらチケットを発券した。
スマートフォンをポケットに入れて売店の列に並んでいると憂太が戻ってきた。
「チケットありがと。ポップコーン、一緒に食べるよね?」
「食べる」
「味どうする?僕、ポップコーンのドリンクセットにするから味決めて良いよ」
「…なんか、ちゃんと彼氏っぽいんだけど」
「え?」
「それとなくポップコーンひとりで買おうとしてるもん、半分ちゃんと払う!」
「そんなのいいのに」
きっちり半分にできなかった分のお金を多く払って、彼女なら奢られていたら良いのにと優しい顔で笑っていた。
残っていることといえば、チケットの発券とポップコーンを買うくらいしかない。
「湊、ポップコーン食べる?」
なにがあるかなと考えている間に先を越されてしまった。
「うん、食べる」
「じゃあさ、チケットこれで発券して、売店並んでて。トイレ行ってくる」
そう言うと、返事を聞く前に憂太はスマートフォンを渡してトイレに向かって行った。
スマートフォンのロックは解かれていて、発券番号とQRコードが書かれたメールの画面になっている。
「(さすがにこの状態のスマホ渡すって危機管理なってなさすぎだろ…まあ、でも…)」
実は「湊は特別だから」という意味があったらいいのになと思いながらチケットを発券した。
スマートフォンをポケットに入れて売店の列に並んでいると憂太が戻ってきた。
「チケットありがと。ポップコーン、一緒に食べるよね?」
「食べる」
「味どうする?僕、ポップコーンのドリンクセットにするから味決めて良いよ」
「…なんか、ちゃんと彼氏っぽいんだけど」
「え?」
「それとなくポップコーンひとりで買おうとしてるもん、半分ちゃんと払う!」
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