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03.
しおりを挟む月曜。
満員のエレベーターをかきわけて降りる。
体調が悪い。
週末、豹変した黒瀬くんにずっと監禁されて
帰れたのは日曜の夕方だった。
名残惜しそうに私を見送る黒瀬くんに、
最終的には絆されかけたが、
私が好きなのはあの黒瀬くんじゃない。
私が好きだったのは、
声をかけただけで飛び上がるあの黒瀬くんなのに。
誰なんだあれは。とんでもないドS野郎だった。
「入江さん…おはようございます」
「うわああ!!!!」
ぼーっとしていたら
後ろから声をかけられて、思わず飛び跳ねる。
「あの…僕ほんと、その…ごめんなさい……
酔った勢いに任せてあんな…」
いつもの黒瀬くんだ。
「あ、いや、その…大丈夫…気にしないで、はは」
そうそう、この黒瀬くんなのに…
なんとも気まずい。
さっきの黒瀬くんのセリフでまた
週末のことを思い出してしまう。
我を忘れて没頭してしまうほど、
めちゃくちゃ相性が良かった。
と、言うか、上手すぎた。
「入江おはよー」
「わあああ!!!!!」
私も黒瀬くんも顔を赤くしているところに
急に声をかけられて後ろを振り向くと、
一つ上の先輩の松田さんだった。
「何そんな驚いてんの、黒瀬くんもおはよ」
「あ、おはようございます……」
「金曜大丈夫だった?入江さすがに飲みすぎでしょ」
思いがけず飲み会の話題を出されて
もっと顔が熱くなる。
「あ、ええと…すみませんそうみたいで…」
「黒瀬くん面倒見てくれたんでしょ?ごめんね」
心臓が跳ねる。
バクバクと大きな音を立てて、
どんどん心拍が速くなる。
「ああっ…いえ、あの…大丈夫です、全然」
うぅ…と少し唸ってソワソワしている。
「入江ほんと酔うと見境ないからな、
襲われなかった?」
あ
ああ
もう最悪だ。
「松田さん総務にセクハラしないでください
てか、嘘言わないでください、風評被害」
「セクハラはお前だろ」
「まじでやめて……」
黒瀬くんを横目で見ると、
すっと冷めた表情をしていた。
「あぁ…そうなんですね、気をつけます」
なんか、まじでまずいかも。
「なんでえええ」
「静かにして、口も塞がれたいの?」
昼休み、黒瀬くんに総務の鍵付き倉庫に呼び出されて
手首をガムテープでぐるぐる巻きにされた。
「あー…ムカつくあいつ」
「黒瀬くん職場ではさすがに、ね?今日家行くから」
「こんなんで戻れるわけないでしょ」
ベルトを外して、ギンギンになったそれを
私に押し付ける。
「ぁ…」
「もう濡れてんじゃん」
片脚を持ち上げられて黒瀬くんのをあてがわれる。
「黒瀬くんだめって…ッんンッ!」
「ここは欲しがってるけど」
一気に奥まで挿入ってきて、思いっきり突かれる。
「ぁ、っ…!!黒瀬くん、ッ聞こえちゃ…」
「誰も来ないよ
誰も邪魔しに来ないから、集中して」
普通にするより奥まで入って、
「あー気持ち…入江さんのナカ、気持ちい…」
ぱんぱんぐちゅぐちゅっと卑猥な音が響いて
口元を、自由を奪われた手で押さえても、
声が漏れてしまう。
「あぁ…っ、は、っ、は…ッ奥当たる……っ」
余裕無さそうな声に、全身が疼く。
「入江さん…ッ、もっと速くするよ…?」
ばちゅばちゅッと奥を叩かれながら、
クリトリスを擦られて、何回も飛びそうになる。
黒瀬くんの熱い息が、耳から頭まで響いて、
何も考えられなくなる。
「どう…?職場で俺にめちゃくちゃ犯されてるの
興奮してるんでしょ?ね、こんなに愛液垂らして」
黒瀬くんの問いかけに返事することもなく、
ただ与えられる快感を受け入れて、
だらしなく開いた口の隙間から声を漏らした。
気持ち良くて、もう何も考えられない。
「黒瀬く、ンッ…!イくっ、
いくイクッッイッちゃ、うぅッッ…!!」
「もうしないからね…会社じゃ絶対…」
手の拘束をやっと解いてもらい、乱れた服を直す。
「いいじゃん、営業行ったふりすれば」
「絶対やだ」
「俺とするの好きなくせに」
最後にキスして、先に倉庫から出るよう促される。
デスクに戻ると、松田さんが顔を覗き込んでくる。
「入江なんか具合悪そうだけど、大丈夫?
熱あるんじゃない」
「え?ああ…大丈夫です」
元はと言えば、あなたのせいでこうなったんですが。
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