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01.
08.絶望の淵
しおりを挟む次の日、目覚めると
まだ石橋くんの腕の中だった。
何なんだろうこの安心感。
「暑い……」
「ん~……」
私が身を捩ると、余計に腕に力が入る。
うう…
石橋くんは、私のこと、
どう思ってこう良くしてくれるんだろう。
ただ、確実にただの同僚ではなくなった。
石橋くんのくしゃっとなってる前髪を
指先で弄っていると目を覚ました。
「…おはよ」
私がそう言って手を離すと、
石橋くんは眠そうに薄目を開けて何度か瞬きする。
睫毛長いな……
少しニヤッと口元を緩ませてまた目を閉じる。
石橋くんのこと、初めて愛おしいと思った。
まだ、私にとってはただの後輩で居続けてほしい。
石橋くんは失いたくない、大切な仲間だから。
「……ん~…寝過ぎた」
9時頃になってやっと目覚めた。
「おはよ、緋莉さん」
この声、安心できる。
「起きるの遅いよ…」
「ごめんて」
私の後ろ髪を撫でて私を宥める。
「何もないんで、飲み物買ってきますね」
「ありがと」
近くのコンビニに行くと言った石橋くんを
しばらく1人で待っていると、
玄関のチャイムが鳴る。
宅配業者さんが訪ねてきたようだ。
「はーい、ありがとうございまーす」
私はドアを開けた。
「ありが…」
ドアを向こうからも引かれて大きく開き、
後ろに思いっきり押し倒されて、手を掴まれる。
「あ~~、やっと2人になれた」
腰が抜けて立ち上がれない。
「ちゃんと誰が来たのか確認しなきゃ、不用心だなあ」
「やめ…ッ」
私を抱え上げてベッドルームに向かう。
「昨日あれとヤッたんでしょ、
緋莉が我慢できるわけないもんね」
私を雑にベッドに放り投げて、上から覆い被さる。
「どうして逃げたの、
あいつの方が良くなっちゃった?」
カッターを取り出して、
私の顔の横の枕目掛けて突き刺す。
「ッ!」
「そんなに怯えなくても、殺したりしないよ~
僕は緋莉のこと、愛してるから」
私の首筋に思いっきり咬みつく。
「ごめんなさい、許して…っ」
状況に理解が追いつかないほどに、
一瞬で組み敷かれてしまった。
「緋莉には怒ってないよ、人のものに
ちょっかいかける奴が許せないだけだ」
既に固くなっているものを、
私の中に無理矢理押し込む。
「い……ッ!」
「許せないなあ…あんな奴に取られちゃうなんて、
躾が足りなかったみたいだな」
痛い、痛い痛い。それしか感じない。
「どういう風にされたのか、言ってごらん?」
私が黙っていると、頬を引っ叩かれる。
「ほら、言え」
「っ…優しくしてくれました、ッ…」
「普通じゃ満足できないだろもう、緋莉は」
真顔が一瞬で不気味な笑みに変わり、
ギリギリと首を締めつけられる。
「首絞められてイッちゃう淫乱女が、
普通のセックスで満足できるわけないだろ」
嬉しそうに笑いながら腰を打ちつける。
「ほら、もうこんなに濡れてきた……
気持ちいいね?」
「ちがっ…」
石橋くんのそれとは違う刺激に
身体は反応する。
全てを支配される。
ああ、また引き戻される。
石橋くん、助けて────。
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