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1. 憧れの先輩を寝取り返す日

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「小田さんのどこがよかったんですか?」

緋莉さんは缶の水滴を指でなぞりながら口を開く。

「仕事できそうなとこ、優しそうなとこ、将来安心」
「…なるほどね」

入社して1ヶ月半で社内恋愛する男のどこに
安心できる要素があるのか。

「でも絶対女好きじゃんあの人、俺の同期と
 飲み会で隣になってニッコニコ楽しそうに
 してたし」

女に話しかける時の低くて甘ったるい声、誘ってるような喋り方、腹立たしくて仕方ない。

「そうかなあ?え、そうなのかな…」
「まあ別に、緋莉さんが良ければいいですけどね」

考え込んで無言になる緋莉さん。
小田さんがただの女好きなんて、よく考えなくても
分かることだ。

酔ってるせいでイライラしてきた。

隣に座って、緋莉さんの長い髪に指を通す。

「……やっぱよくないわ」
流れるように唇を重ねる。

突然のことに動揺しているのか、目が泳ぐ。
「えっ、えっ…?」

「俺だから何もされないと思ってました?
 何も考えずに家に上がってきて」

思考停止している緋莉さんの肩を
軽く押して組み敷く。無抵抗すぎて笑える。

「他人のこと信用しすぎ」

すらっと綺麗な指に指を絡める。
ゆっくりと何度もキスを重ねる。

「っ、東瀬くん待って…よくないってこんな」
「小田さんにもこういう風に流されたんでしょ、
 どうせ」
「そういうことじゃなくてっ」
「嫌なら抵抗すればいいじゃないですか」

シャツのボタンを上から外していく。

「続けていい?」

「やだ」
酔った緋莉さんの嫌そうな顔。
「そんな拒否られたら傷つきますよ」

「攻められるの好きじゃないの」
「えっ」
徐に起き上がって、俺を逆に押し倒す。

「…首絞めたい」

仕事中俺をさりげなく罵ってくる緋莉さんに
正直勝手に"攻め"なんじゃないかと期待していた。

「俺、緋莉さんに
 いじめられたいと思ってたんですよね」

控えめで、賢そうな人がタイプだったので、
これまで女性側から攻められた経験が
あまりない俺は、タイプの人から襲われることに
興味津々だった。
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