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まさかの事態発生!?~絡まる想いの糸~

部長side2

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「山野辺さん、俺が居ない間に千波に何がありました?教えてください」

とても真剣にこれ以上無いくらい鬼気迫る勢いで聞いた。

「いや、私も千波ちゃんに直接聞いたわけじゃないし、本人からちゃんと聞いた方が良いと思うわよ?」

タジタジとした珍しくはっきりしない態度で、そう返事を返される。

「聞き出したい本人と連絡がつかなくて困ってるんです。教えてください。俺が出張の間に千波に何かあったんですか?」

そう、俺も譲れない気持ちと焦りを滲ませて聞くと

「それでも、本人に聞くほうが良いと思うけれど……」

山野辺さんは渋った。
でも、俺も譲れず頭を下げてお願いした。

「千波とすんなり話せそうに無いから、山野辺さんに聞いてるんです」

そう返せば、予想外の方向からの言葉が返ってきた。

「そうねぇ……。多分だけど、千波ちゃん妊娠したんじゃないかしら?今週になってコーヒーも紅茶も、飲んでないし……」

山野辺さんの言葉に、俺も目が点になった。

「そして、履きなれたローパンプスで仕事をしていたわ。そんな千波ちゃんのちょっとした変化から、私が推測しただけよ?だから本人に聞きなさいね?」

そう言って、俺の腕をポンポンと叩くと山野辺さんは自席に戻って行った。

千波とは、一度しかないが、その時もしもと願って、勝手極まりないことをした自覚がある。
それでの子なら、俺の子だ。

俺は、千波と話すべく彼女の家へと急いだ。

移動しながらも、何度か彼女に連絡を続けるも繋がらない。

「どうして……」

俺は焦りながら、なんとか彼女の家にたどり着くもそこには既に彼女の気配はなかった。

「千波、どこにいるんだ?どうして繋がらないんだ!」

俺は片っ端から思いつく限り、彼女と行ったところ等を回るも見つからず。

「山野辺さん、結構深刻なんです。千波が行きそうなところ教えて下さい!!」

とにかく会って話をしなければと、俺は必死になっていた。

そうして教えてもらったのは、千波の同期で秘書課の大口さんの事。
しかし、連絡先がわからないので村山に連絡する。

「忙しいとこすまないが、大口さんの連絡先教えてくれないか?」

そう聞くと、焦ってるのが伝わったのか教えてくれた。

そうして連絡してみたら、やはり千波は大口さんのところに居た。

「木島部長ですね?村山さんから連絡が来てたので。千波ですけど、今日は家に泊まらせます。明日家に帰るように言うので。明日、しっかり話を聞いてあげてくださいね」

そう返されてしまった。

「多分ちゃんと千波も話をしなきゃいけないのは分かってるので。一晩だけ待ってあげてください」

そう言われて電話は切れた。

俺は気を揉んで眠れぬままに一夜を明かすことになった……。
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