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光魔法の使い手
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エミリア達が魔法学院に入学して来て1か月が経とうとする頃、俺とマリウスは休み時間に同級生達と話していた。
「なぁ、お前らあの光属性の使い手とパーティー組んでるんだろ?」
「そうだな。」
「どうやって勧誘したんだ?」
「引く手数多だろうに。」
「いやいや、マリウスとエミリア嬢は幼馴染だぞ。」
春の暁に所属している男子生徒が解説すると、まじで⁉︎という声が上がる。
「まじかー、全然知らなかった。」
「あぁでも確かに、マリウスの両親は春の暁の専属薬師だもんね。」
「いいなー、あの子かわいいよなー。」
ある男子1人がそう言うと、マリウスは常に寄っている眉間の皺を更に深くした。ほんの少しひんやりとした冷たい空気がマリウスから漏れ出る。まったく、氷属性が強くて魔力量の多いマリウスをあまり刺激してやるなよな。まぁ夏は涼しくて良いけど。
「怖っ⁉︎かわいいって言っただけじゃんか!」
「モンペだ…。」
「まぁまぁ、落ち着けってマリウス。彼女がかわいいかどうかは置いておいても、エミリアは光属性だしマリウスの回復魔法もすごいしアレクも剣術にかけては天才だし、ヘレナも魔道具師の才能があるみたいだし。ノウムアルゴーってめっちゃ強いよなー。」
「Sランクも夢じゃないわよね。」
「そんな褒めるなよ、照れるだろー?」
終わりなき冒険をは俺達のパーティーの名前だ。俺達はマスターの娘であり、1人で突っ走りがちではあるが基本しっかりしているエミリアをパーティーのリーダーにし、名前もエミリアに決めてもらった。
「光魔法ってどんな感じ?やっぱキラキラしてんの?」
「あぁ。エミリアに見せろって言えばいくらでも見せてくれるぞ。」
「え、ほんとに?めっちゃ見たい、マリウス紹介してよ。」
「なら今度、演習場に呼び出すか。」
「はは、お前が言うとなんかカツアゲみたいだな。」
「あ?」
「ほら、そういうとこ。」
友人達はそう言ってケラケラ笑った。マリウスはあとで覚えてろとでも言いたげな視線を投げつける。
「でもほんと、ノウムアルゴーはすごいよな。」
「勇者パーティーにも選ばれたりしてね。」
「はは、もし生きてる内に魔王が復活したらあり得そうだな!」
「そんな褒めても何も出てこねーぞ?」
俺や友人達はそんな冗談を言って笑っていたが、マリウスは急になんだか怒っているような悲しいような悔しいような、絶望したような表情を一瞬浮かべた。それを不思議に思いつつも始業のチャイムが鳴り、気のせいだったかもしれないしまあいいかと一度考える事をやめた。
そして昼休み。魔法演習の授業を終え演習場から校舎へと戻っていた。シロウとレオは先生に用があるようで先に行っててくれと言われ、俺とマリウスは先に食堂へ行く事にした。…、女の子達に囲まれながら。
「ねぇ、2人とも一年生とパーティー組んでるんでしょ?」
「以外と面倒見が良いのね!」
「マリウス君ってもっと怖いのかと思ってたけど、ほんとは優しいんだね。」
マリウスは入学してから今まであまり女の子と関わって来なかったのに突然こんなに話しかけられ一体何事だと若干引いていたようだったが、途中からはいつも通りの仏頂面でてきとうに返事を返すようになった。大方、女の子達は俺に気でもあるのだろうとでも思っているのだろう。この前マリウスに「アレクは三男とはいえ伯爵家の令息で、顔も良いし実力も十分な将来有望な人材だからな。」なんて褒め言葉ももらったばかりだし。照れる。…けどなマリウス、そうじゃないんだよなぁ。みんなエミリアやヘレナやニゲル達と話しているところを見て、マリウスが案外面倒見が良くてなんだかんだ優しいという事に気付いたのだろう。…まぁ、今更マリウスの魅力に気付いた所でもう遅すぎるのだが。
「同じパーティーの金髪の子…、マリウスとすごい仲良さげだよね?」
「あぁ、幼馴染だからな。」
「そ、そうなんだ?」
マリウスが頷くと彼女達は少し焦ったような表情をした。ほらな、やっぱそうだ。けど残念だったなみんな、エミリアはずっと昔からマリウスと結婚するって宣言してるんだよ。マリウスは冗談か何かだと思っているようだがエミリアのあの目は本気だ。──そんな話をしながら歩いていると、マリウスはふと上を見上げて唖然としたように立ち止まった。俺も何事かと見上げると、視線の先には屋上のフェンスから飛び降りてくる人影があった。緩く2つに結った髪が光を浴びてキラキラ輝きながら、マリウスの目前へと迫って来る。
「リア⁉︎」
「うわっ、」
エミリアは風魔法で減速させていたが落下地点をいじれるわけではなく、そのままマリウスとぶつかりマリウスはその場に仰向けになるようにして倒れた。エミリアが風魔法を使っていたからかふわりと倒れこみ、あまり痛くはなさそうだった。
「2人とも大丈夫か⁉︎」
「あはは…、私は大丈夫だよ、アレク。…ごめんマリウス、大丈夫?」
エミリアはマリウスの腹の上に跨ったまま頷き、心配そうに尋ねた。その腕には猫を抱えていた。
「…何やってんだお前は。」
「猫が屋上のフェンスの上にいたんだけど、そこから落ちちゃって…。」
「あぁ、それで助けようとしたのか。」
俺の言葉にエミリアは頷いた。うん、エミリアは今日も元気そうだ。無事なら良かったと笑う俺とは対照的に、マリウスははぁ、とため息を吐いた。猫はするりとエミリアの腕から抜け出し、何事もなかったかのように何処かへと駆けて行った。
「痛くなかった?」
エミリアはマリウスの上に乗ったままずい、とマリウスに顔を近づけて心配そうに尋ねた。…あー、エミリアはそういうとこ天然だからな…。
「痛くねぇしどこも怪我してねぇから早くどけ。重い。」
マリウスは眉間の皺をこれでもかというほど深め、めちゃくちゃ不機嫌そうに言った。あ、そうだった、ごめん、と照れた様子もなくさらっと言うエミリアを面白いなと思いつつ、立ち上がろうとする彼女に手を貸す。
「エミリア、大丈夫~⁉︎」
「あ、みんな。大丈夫ー!」
慌てた様子で駆けつけてきた友達にエミリアは笑顔で答えた。そんな呑気な彼女にマリウスは大層ご不満な様子だった。
「何が大丈夫だ、人にぶつかっておいて。」
「それはほんとにごめん、次からは空中でテレポート魔法使えるように頑張るね。」
「そうじゃねぇよ!!」
本気で言っているエミリアに、空中でテレポート魔法を使うなんてどんだけ難しいと思ってんだ、とマリウスは怒った。まぁ確かに、いくらエミリアが天才でもまだ1年生だしな。1年のうちからそんな事ができてしまったらもう学院で学べる事なんか何もなさそうだ。
「屋上から飛び降りるなって言ってんだよこのじゃじゃ馬娘が。」
「しょうがないじゃん、文句はあの猫に言ってよ。」
「そうだよ兄ちゃん、リアちゃんがそういうのほっとけないの知ってるでしょ?」
「今更だよなー。」
エミリアを昔から知るニゲルとテオが追撃する。するとマリウスは
「はぁ…。ほんと、仕方ねえな…。」
と諦めたようにため息を吐いた。そうだぞマリウス、エミリアは俺と同じで自由でこそ輝くタイプだからな!
マリウスはエミリアのサイドの髪が乱れていたので軽く梳くように直した。その表情はとても穏やかで、俺達は何度か見た事があるが同級生の女の子達は普段のマリウスからは想像できないようなあの表情に驚愕したのだろう。辺りは騒然としたが、マリウスは気付いていないのか平然と一歩踏み出す。
「お前らも食堂行くんだろ?さっさと行くぞ。」
「あ、待ってよ兄ちゃん!」
「マリウス、葉っぱついてるぞ。」
「ああ、悪いなアレク。」
やはりマリウスのあの表情はあまりにも衝撃だったらしく、後日暫く3年の間で噂になり、ついでにマリウスとお近づきになろうとする女の子はほとんどいなくなった。余計なお世話だクソが!!!!とマリウスが叫ぶ横で俺はひとしきり爆笑するのだった。
「なぁ、お前らあの光属性の使い手とパーティー組んでるんだろ?」
「そうだな。」
「どうやって勧誘したんだ?」
「引く手数多だろうに。」
「いやいや、マリウスとエミリア嬢は幼馴染だぞ。」
春の暁に所属している男子生徒が解説すると、まじで⁉︎という声が上がる。
「まじかー、全然知らなかった。」
「あぁでも確かに、マリウスの両親は春の暁の専属薬師だもんね。」
「いいなー、あの子かわいいよなー。」
ある男子1人がそう言うと、マリウスは常に寄っている眉間の皺を更に深くした。ほんの少しひんやりとした冷たい空気がマリウスから漏れ出る。まったく、氷属性が強くて魔力量の多いマリウスをあまり刺激してやるなよな。まぁ夏は涼しくて良いけど。
「怖っ⁉︎かわいいって言っただけじゃんか!」
「モンペだ…。」
「まぁまぁ、落ち着けってマリウス。彼女がかわいいかどうかは置いておいても、エミリアは光属性だしマリウスの回復魔法もすごいしアレクも剣術にかけては天才だし、ヘレナも魔道具師の才能があるみたいだし。ノウムアルゴーってめっちゃ強いよなー。」
「Sランクも夢じゃないわよね。」
「そんな褒めるなよ、照れるだろー?」
終わりなき冒険をは俺達のパーティーの名前だ。俺達はマスターの娘であり、1人で突っ走りがちではあるが基本しっかりしているエミリアをパーティーのリーダーにし、名前もエミリアに決めてもらった。
「光魔法ってどんな感じ?やっぱキラキラしてんの?」
「あぁ。エミリアに見せろって言えばいくらでも見せてくれるぞ。」
「え、ほんとに?めっちゃ見たい、マリウス紹介してよ。」
「なら今度、演習場に呼び出すか。」
「はは、お前が言うとなんかカツアゲみたいだな。」
「あ?」
「ほら、そういうとこ。」
友人達はそう言ってケラケラ笑った。マリウスはあとで覚えてろとでも言いたげな視線を投げつける。
「でもほんと、ノウムアルゴーはすごいよな。」
「勇者パーティーにも選ばれたりしてね。」
「はは、もし生きてる内に魔王が復活したらあり得そうだな!」
「そんな褒めても何も出てこねーぞ?」
俺や友人達はそんな冗談を言って笑っていたが、マリウスは急になんだか怒っているような悲しいような悔しいような、絶望したような表情を一瞬浮かべた。それを不思議に思いつつも始業のチャイムが鳴り、気のせいだったかもしれないしまあいいかと一度考える事をやめた。
そして昼休み。魔法演習の授業を終え演習場から校舎へと戻っていた。シロウとレオは先生に用があるようで先に行っててくれと言われ、俺とマリウスは先に食堂へ行く事にした。…、女の子達に囲まれながら。
「ねぇ、2人とも一年生とパーティー組んでるんでしょ?」
「以外と面倒見が良いのね!」
「マリウス君ってもっと怖いのかと思ってたけど、ほんとは優しいんだね。」
マリウスは入学してから今まであまり女の子と関わって来なかったのに突然こんなに話しかけられ一体何事だと若干引いていたようだったが、途中からはいつも通りの仏頂面でてきとうに返事を返すようになった。大方、女の子達は俺に気でもあるのだろうとでも思っているのだろう。この前マリウスに「アレクは三男とはいえ伯爵家の令息で、顔も良いし実力も十分な将来有望な人材だからな。」なんて褒め言葉ももらったばかりだし。照れる。…けどなマリウス、そうじゃないんだよなぁ。みんなエミリアやヘレナやニゲル達と話しているところを見て、マリウスが案外面倒見が良くてなんだかんだ優しいという事に気付いたのだろう。…まぁ、今更マリウスの魅力に気付いた所でもう遅すぎるのだが。
「同じパーティーの金髪の子…、マリウスとすごい仲良さげだよね?」
「あぁ、幼馴染だからな。」
「そ、そうなんだ?」
マリウスが頷くと彼女達は少し焦ったような表情をした。ほらな、やっぱそうだ。けど残念だったなみんな、エミリアはずっと昔からマリウスと結婚するって宣言してるんだよ。マリウスは冗談か何かだと思っているようだがエミリアのあの目は本気だ。──そんな話をしながら歩いていると、マリウスはふと上を見上げて唖然としたように立ち止まった。俺も何事かと見上げると、視線の先には屋上のフェンスから飛び降りてくる人影があった。緩く2つに結った髪が光を浴びてキラキラ輝きながら、マリウスの目前へと迫って来る。
「リア⁉︎」
「うわっ、」
エミリアは風魔法で減速させていたが落下地点をいじれるわけではなく、そのままマリウスとぶつかりマリウスはその場に仰向けになるようにして倒れた。エミリアが風魔法を使っていたからかふわりと倒れこみ、あまり痛くはなさそうだった。
「2人とも大丈夫か⁉︎」
「あはは…、私は大丈夫だよ、アレク。…ごめんマリウス、大丈夫?」
エミリアはマリウスの腹の上に跨ったまま頷き、心配そうに尋ねた。その腕には猫を抱えていた。
「…何やってんだお前は。」
「猫が屋上のフェンスの上にいたんだけど、そこから落ちちゃって…。」
「あぁ、それで助けようとしたのか。」
俺の言葉にエミリアは頷いた。うん、エミリアは今日も元気そうだ。無事なら良かったと笑う俺とは対照的に、マリウスははぁ、とため息を吐いた。猫はするりとエミリアの腕から抜け出し、何事もなかったかのように何処かへと駆けて行った。
「痛くなかった?」
エミリアはマリウスの上に乗ったままずい、とマリウスに顔を近づけて心配そうに尋ねた。…あー、エミリアはそういうとこ天然だからな…。
「痛くねぇしどこも怪我してねぇから早くどけ。重い。」
マリウスは眉間の皺をこれでもかというほど深め、めちゃくちゃ不機嫌そうに言った。あ、そうだった、ごめん、と照れた様子もなくさらっと言うエミリアを面白いなと思いつつ、立ち上がろうとする彼女に手を貸す。
「エミリア、大丈夫~⁉︎」
「あ、みんな。大丈夫ー!」
慌てた様子で駆けつけてきた友達にエミリアは笑顔で答えた。そんな呑気な彼女にマリウスは大層ご不満な様子だった。
「何が大丈夫だ、人にぶつかっておいて。」
「それはほんとにごめん、次からは空中でテレポート魔法使えるように頑張るね。」
「そうじゃねぇよ!!」
本気で言っているエミリアに、空中でテレポート魔法を使うなんてどんだけ難しいと思ってんだ、とマリウスは怒った。まぁ確かに、いくらエミリアが天才でもまだ1年生だしな。1年のうちからそんな事ができてしまったらもう学院で学べる事なんか何もなさそうだ。
「屋上から飛び降りるなって言ってんだよこのじゃじゃ馬娘が。」
「しょうがないじゃん、文句はあの猫に言ってよ。」
「そうだよ兄ちゃん、リアちゃんがそういうのほっとけないの知ってるでしょ?」
「今更だよなー。」
エミリアを昔から知るニゲルとテオが追撃する。するとマリウスは
「はぁ…。ほんと、仕方ねえな…。」
と諦めたようにため息を吐いた。そうだぞマリウス、エミリアは俺と同じで自由でこそ輝くタイプだからな!
マリウスはエミリアのサイドの髪が乱れていたので軽く梳くように直した。その表情はとても穏やかで、俺達は何度か見た事があるが同級生の女の子達は普段のマリウスからは想像できないようなあの表情に驚愕したのだろう。辺りは騒然としたが、マリウスは気付いていないのか平然と一歩踏み出す。
「お前らも食堂行くんだろ?さっさと行くぞ。」
「あ、待ってよ兄ちゃん!」
「マリウス、葉っぱついてるぞ。」
「ああ、悪いなアレク。」
やはりマリウスのあの表情はあまりにも衝撃だったらしく、後日暫く3年の間で噂になり、ついでにマリウスとお近づきになろうとする女の子はほとんどいなくなった。余計なお世話だクソが!!!!とマリウスが叫ぶ横で俺はひとしきり爆笑するのだった。
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