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05:話はあっさり交わされて甘やかされました
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私は今、非常に困っている。
ミーアちゃんが持って来た食事を、殿下自ら私のお世話を買い出て、ミーアちゃんがと言えば察したかのようにペコりとお辞儀をして部屋を再び出て行ってしまった。
え、ちょっと···ミーアちゃんカムバック!!
空気読まなくていいからそばに居て···!
先程のピンと張り詰めた空気は何処へやら。
話も圧倒的な態度で流されてしまった様なものだし。モヤモヤするけれど。
···今や生暖かい空間に様変わりしていた。
「ほらブランシュ、口を開けて?あーん···」
まぁね、少なからず分かってはいた。
政治的なあれやこれで簡単には離縁出来ないのだろう。でも、殿下はそれで良いのだろうか。私的には、好きな人と結ばれた方が良いと思うと思えるのは、恋愛が自由な世界で生きて来たからか。
いくら外見がお嬢様と言えど、中身が残念な事にただの一般人、いや、こ・の・世・界・で・は・平民と言うべきか。
こうして私が悶々と考えている中、殿下は私が口を明けるまでずっと「あーん」した状態だ。
「どうしたんだい?ほら、食べないと体力も戻らないし、本調子に戻らないだろう」
これは···。
私の反応を見ているのだろうか。
殿下はただ、今まで見た事の無いブランシュの 反応を、きっと楽しんでいるに違い無い。
「で、殿下···自分で食べられますから、どうかスプーンをお貸し下さい」
流石に中身は大人な分、「あーん」は恥ずかしい。
「ダメ。ほら···」
「···ぅっ、···!」
羞恥心からの葛藤の末、私は口を開いてパクッとリゾットを口に含んだ。
優しい温かい味が口の中にフワッと膨らんで、思わず「おいしい···」と呟けば、殿下はクスッと笑って「それは良かった」と2匙目のリゾットを掬った。
「えっと···もしかして最後まで?」
「決まっているじゃないか。ほら、冷めないうちに」
さも当然、と言った態度で私が平らげるまで、ずっと殿下に世話を焼いて貰っていたのだった。
♦ ♦ ♦
それから、数日が過ぎ体力も体調もすっかり良くなった頃、私はブランシュの容姿を見て驚愕したのだった。
入浴の前に、姿見にふと映り込んだブランシュの容姿は、ストロベリーブロンドのたっぷりしたロングストレートの髪に、オレンジ色の瞳、少し童顔で幼さを残した表情は庇護欲をそそられそうで、肌は色白でマシュマロの様に柔らかそう。
身長もそこそこあり、胸はおわん型の形の良い胸で、ふんわりと大きい。ウエストはキュッと締まり、ウエストから太ももまでの曲線が素晴らしい。
流石、貴族のしかも妃に選ばれるくらいの容姿をお持ちでいらっしゃる。
「ブランシュ様、準備が整いましたので、どうぞこちらへ···。どうされました?」
やば。
あまりのブランシュさんの容姿の美しさに見蕩れていたとは言えない。
「え、えーと···少々、太ってしまったかなと思いまして···」
苦しい言い訳である。
しかし、ミーアちゃんは思い当たる場面を思い出したのか、とんでもない事を言い出した。
「あぁ、それは毎日殿下に、『はい、あーん』をして頂いていらっしゃいますもんね···愛の力、偉大」
小さな声で顔を赤くして「きゃーっ」と騒ぐミーアちゃん。
「あぁ!ちなみに、ブランシュ様はふくよかになってはいません。いつも通り、最高のプロポーションですわ」
「そ、そう?なら、いいのだけれど」
「ささ、ブランシュ様。お風呂に入って、更に磨きをかけましょう。今日はダンズのレッスンがありますから」
そうなのだ。
ここ最近私は少しずつ、再教育と言うなのレッスンが開始されたのである。
殿下が上手い具合に、私がどうやら倒れて頭を打ったがために、軽い記憶喪失設定にしたのだとか何とか。
妃教育に関しては念の為に、となんだか私・を妃にするべく、勉強の時間を設けてくれたらしい。
···どう考えても、無理があり過ぎない?
ミーアちゃんが持って来た食事を、殿下自ら私のお世話を買い出て、ミーアちゃんがと言えば察したかのようにペコりとお辞儀をして部屋を再び出て行ってしまった。
え、ちょっと···ミーアちゃんカムバック!!
空気読まなくていいからそばに居て···!
先程のピンと張り詰めた空気は何処へやら。
話も圧倒的な態度で流されてしまった様なものだし。モヤモヤするけれど。
···今や生暖かい空間に様変わりしていた。
「ほらブランシュ、口を開けて?あーん···」
まぁね、少なからず分かってはいた。
政治的なあれやこれで簡単には離縁出来ないのだろう。でも、殿下はそれで良いのだろうか。私的には、好きな人と結ばれた方が良いと思うと思えるのは、恋愛が自由な世界で生きて来たからか。
いくら外見がお嬢様と言えど、中身が残念な事にただの一般人、いや、こ・の・世・界・で・は・平民と言うべきか。
こうして私が悶々と考えている中、殿下は私が口を明けるまでずっと「あーん」した状態だ。
「どうしたんだい?ほら、食べないと体力も戻らないし、本調子に戻らないだろう」
これは···。
私の反応を見ているのだろうか。
殿下はただ、今まで見た事の無いブランシュの 反応を、きっと楽しんでいるに違い無い。
「で、殿下···自分で食べられますから、どうかスプーンをお貸し下さい」
流石に中身は大人な分、「あーん」は恥ずかしい。
「ダメ。ほら···」
「···ぅっ、···!」
羞恥心からの葛藤の末、私は口を開いてパクッとリゾットを口に含んだ。
優しい温かい味が口の中にフワッと膨らんで、思わず「おいしい···」と呟けば、殿下はクスッと笑って「それは良かった」と2匙目のリゾットを掬った。
「えっと···もしかして最後まで?」
「決まっているじゃないか。ほら、冷めないうちに」
さも当然、と言った態度で私が平らげるまで、ずっと殿下に世話を焼いて貰っていたのだった。
♦ ♦ ♦
それから、数日が過ぎ体力も体調もすっかり良くなった頃、私はブランシュの容姿を見て驚愕したのだった。
入浴の前に、姿見にふと映り込んだブランシュの容姿は、ストロベリーブロンドのたっぷりしたロングストレートの髪に、オレンジ色の瞳、少し童顔で幼さを残した表情は庇護欲をそそられそうで、肌は色白でマシュマロの様に柔らかそう。
身長もそこそこあり、胸はおわん型の形の良い胸で、ふんわりと大きい。ウエストはキュッと締まり、ウエストから太ももまでの曲線が素晴らしい。
流石、貴族のしかも妃に選ばれるくらいの容姿をお持ちでいらっしゃる。
「ブランシュ様、準備が整いましたので、どうぞこちらへ···。どうされました?」
やば。
あまりのブランシュさんの容姿の美しさに見蕩れていたとは言えない。
「え、えーと···少々、太ってしまったかなと思いまして···」
苦しい言い訳である。
しかし、ミーアちゃんは思い当たる場面を思い出したのか、とんでもない事を言い出した。
「あぁ、それは毎日殿下に、『はい、あーん』をして頂いていらっしゃいますもんね···愛の力、偉大」
小さな声で顔を赤くして「きゃーっ」と騒ぐミーアちゃん。
「あぁ!ちなみに、ブランシュ様はふくよかになってはいません。いつも通り、最高のプロポーションですわ」
「そ、そう?なら、いいのだけれど」
「ささ、ブランシュ様。お風呂に入って、更に磨きをかけましょう。今日はダンズのレッスンがありますから」
そうなのだ。
ここ最近私は少しずつ、再教育と言うなのレッスンが開始されたのである。
殿下が上手い具合に、私がどうやら倒れて頭を打ったがために、軽い記憶喪失設定にしたのだとか何とか。
妃教育に関しては念の為に、となんだか私・を妃にするべく、勉強の時間を設けてくれたらしい。
···どう考えても、無理があり過ぎない?
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