家族

むちむちボディ

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不幸

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そんな日が続いた翌年の秋、僕たち家族は不幸に見舞われる。
母親のガンが見つかったのだ。
症状が出て来たら既に手遅れと言われる膵臓ガンで、見つかった時はステージ4であった。
母親はすぐに入院したが、見る見るうちに弱っていった。
離婚をしてから働き詰めだったし、無理して僕を養ってくれてたんだろうなと感謝しかなかった。
母親は治療を頑張っていたが、ガン発見から2ヶ月で他界した。
僕は唯一の身内が亡くなってしまった事に寂しさと悲しさでやりきれなくなっていた。
その不安を受け止めてくれたのが義父のグレッグであった。
グレッグは泣きじゃくる僕を大きな身体でしっかりと抱きしめてくれて、
「司、お前は1人じゃないよ。僕もルークもそばにいる。お母さんはいなくなってしまったけど、
悲しい時、寂しい時は僕たちを頼ってね。いつもそばにいるからね。」
とても嬉しかった。
ルークも頷きながらくしゃくしゃと頭を撫でてくれた。
失ったものはとても大きいけど、家族の絆を改めて感じさせられた出来事であった。
そんな悲しい出来事があったが、嬉しい出来事も。
ルークがスポーツ推薦で名門の京央高校に受かったのだ。
中学から始めた柔道で、体格とパワーを生かし全国大会を制して推薦を獲得したのだ。
「ルーク、すごいね。おめでとう!」
「ありがとう。司がいつも応援してくれたからこの結果になったんだよ。」
でも1つだけ残念な事が。
ルークは家を離れて寮生活になるため、一緒に暮らせないのである。
喜ばしい出来事なのに素直に喜べない僕。
一緒にオナニー出来なくなるなぁ…。
3月になって引っ越しやら高校の準備やらでバタバタしながらも、なんとかルークを送り出す事が出来た。
残ったのは僕と義父のグレッグ。
なんだか新鮮で、なんだか不安なグレッグとの2人生活が始まった。
塾講師なのでそこまで朝は早く無いが、夜は結構遅くまで講義をしているようで、朝は寝坊助なグレッグ。
僕はいつもパンとミルクで軽い朝食を取って学校に行っている。
僕たちのために頑張ってくれているグレッグに感謝しかないので何も問題はない。
お互いの役割を理解しながら、お互いを尊重しあって暮らしている。
ある日の夜、久しぶりに早く帰って来ていたグレッグと夕食をした後、
僕は部屋で勉強をしていたところ英語の解らない問題があったのでグレッグに聞きに行こうとした。
グレッグの部屋は寝室の奥にあって、あまり入る事もない。
その奥の部屋からわずかにうめき声が聞こえるのである。
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