ミラー★みらくる!

桜花音

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2.赤点回避はペアワークで連帯責任!?

2-5

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「嘘だよ。おまえ、顔に出過ぎだろう」
「当たり前でしょ! あんなこと言われれば」
「悪かったって。でも俺は芹香ほど優しくないからな。甘えても無駄だぞ」
「鳴海になんて甘えるわけないじゃんっ」
「ほぉー、言ったな」
 ニヤリとあやしい笑みを浮かべる鳴海に、思わず足がすくんだ。

「楠木の成績じゃ、ちょっとやそっとの勉強じゃ無理。今日からテストまで、食う寝る以外は全部勉強だと思っとけ」
「きょ、今日から?」
「当然だろう? 一分一秒だって惜しいっつーの」
 うー……そうかもしれないけどさぁ。

「ほれ、先輩たちも必死になってるだろう。とりあえず昨日の小テストの振り返りから」
 窓際の椅子を後ろ向きにまたがって、机をトントンと指で小突いた。
「わかったわよぉ」
 後ろの席に座り、鞄から小テストを取り出す。
 その赤いチェックだらけの答案を見て、鳴海が頭を抱えた。

「このテストの時、確か芹香に教えてもらってなかったか?」
「うん。直前に最低限覚えなさいって、英単語を」
 よく知ってるなぁ。まぁ、芹香ちゃんと鳴海の席近いし、視界に入ったのかな。

「それが、これ?」
 言いたいことはわかるわよ。だって、ほとんど真っ白で、かけた単語もスペルミスとかで間違ってるし。

「お前、授業でなに聞いてるの? あぁ、悪い。寝てたな、ほとんど」
 いやみったらしーいっ! 確かにその通りだけどさっ。
 わかってるなら言わなくてもいいじゃん。

「朝練、言い訳にするなよ」
「え……?」
「どんなに練習を頑張っていても、それを不勉強の言い訳にはするな」
 それは嫌味でも何でもなく、真剣に言われてしまった。
 真面目に言われてしまえば、その通りなので反論できやしない。
 っていうか鳴海、莉菜が朝練してたの知ってたんだ。芹香ちゃんから聞いてたのかな?

「ま、朝が強いっていうのは、それで証明されているしな。とりあえず今日は宿題でこの小テスト勉強し直してこい。明日の朝、再テストだ」
「ゔっ……はぁい」

 実際問題、一週間なんてあっという間で、ほぼ脳内真っ白の莉菜は本当に死ぬ気で勉強しないと間に合わないだろう。
 どんなにムカつくやつでも、自分のせいで大事な大会に出られないとなれば、それは後味悪いし。
 こうやったらやってやるしかないもんね。
 闘志を燃やして、小テストを睨みつけた。
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