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1.鏡の中からこんにちは
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それにしても、急に【鏡の部屋】に閉じ込められたのに、あっけらかんとしている莉菜の逞しさに感心しちゃう。
逆の立場だったら、わたしは不安になっちゃったんじゃないかな。
『ねぇ、もう一人のあたし……うーん、なんて呼んだらいい?』
「難しいよね。でも、わたしもリナなんだよね。誰に呼ばれたわけじゃないけど、リナとして存在していたから」
『オッケー。そうだよね、あなたもあたしだもんね。よろしく、リナ』
莉菜の受け入れ能力が高すぎて、思わず口が開いてしまう。
「り、莉菜はどう思っているの? 今回、入れ替わっちゃったこと」
『んー? そうだね。なんで入れ替わっちゃったんだろうね?』
「……ちゃんと考えてなかったでしょ」
『バレたか。だって入れ替わったおかげで小テストのこと考えなくてよかったし、なにより自分が動いている様子を見てるってなんかワクワクしちゃって!』
語尾に音符がついているんじゃないかって弾む声だから、本心で言ってるんだろうな。
「わたしね、ずっと【鏡の部屋】にいたの。そこでずっと莉菜のことを見ていたんだよね。いつも楽しそうで、見ているわたしも楽しかったの」
『そうなんだ。うん、確かに毎日楽しいよー……テストがなければね』
「それ! それが入れ替わりの原因だと思うの」
『それって、どれ?』
「もうっ! テストよ、テスト。今朝の莉菜、すごく憂鬱だったでしょ? あんなに落ち込む莉菜、はじめて見たもん」
すっとぼけているんだか、本当に考えていなかったのか。
わたしはこれでも色々考えていたっていうのに。
『あー……確かに今日の小テスト本当に嫌だったんだよね。だって、藤っち厳しいんだもん』
藤っちというのは、英語の教科担任の先生でもあり、陸上部の顧問の先生で、確か三十代だったかな。でももっと若く見えるかも。
体つきもしっかりしてるから、英語の先生というより、体育の先生みたい。
練習が終われば気さくな先生なんだけど、部活中はとにかく熱血!
そしてこの藤っちこと藤城先生こそが、文武両道を掲げているから、特に英語の小テストの成績が悪いと、居残り補習があったり宿題が追加されたりしちゃうんだ。
今回の小テストの返却でも、きっと何かしらがあるんじゃないかな。
逆の立場だったら、わたしは不安になっちゃったんじゃないかな。
『ねぇ、もう一人のあたし……うーん、なんて呼んだらいい?』
「難しいよね。でも、わたしもリナなんだよね。誰に呼ばれたわけじゃないけど、リナとして存在していたから」
『オッケー。そうだよね、あなたもあたしだもんね。よろしく、リナ』
莉菜の受け入れ能力が高すぎて、思わず口が開いてしまう。
「り、莉菜はどう思っているの? 今回、入れ替わっちゃったこと」
『んー? そうだね。なんで入れ替わっちゃったんだろうね?』
「……ちゃんと考えてなかったでしょ」
『バレたか。だって入れ替わったおかげで小テストのこと考えなくてよかったし、なにより自分が動いている様子を見てるってなんかワクワクしちゃって!』
語尾に音符がついているんじゃないかって弾む声だから、本心で言ってるんだろうな。
「わたしね、ずっと【鏡の部屋】にいたの。そこでずっと莉菜のことを見ていたんだよね。いつも楽しそうで、見ているわたしも楽しかったの」
『そうなんだ。うん、確かに毎日楽しいよー……テストがなければね』
「それ! それが入れ替わりの原因だと思うの」
『それって、どれ?』
「もうっ! テストよ、テスト。今朝の莉菜、すごく憂鬱だったでしょ? あんなに落ち込む莉菜、はじめて見たもん」
すっとぼけているんだか、本当に考えていなかったのか。
わたしはこれでも色々考えていたっていうのに。
『あー……確かに今日の小テスト本当に嫌だったんだよね。だって、藤っち厳しいんだもん』
藤っちというのは、英語の教科担任の先生でもあり、陸上部の顧問の先生で、確か三十代だったかな。でももっと若く見えるかも。
体つきもしっかりしてるから、英語の先生というより、体育の先生みたい。
練習が終われば気さくな先生なんだけど、部活中はとにかく熱血!
そしてこの藤っちこと藤城先生こそが、文武両道を掲げているから、特に英語の小テストの成績が悪いと、居残り補習があったり宿題が追加されたりしちゃうんだ。
今回の小テストの返却でも、きっと何かしらがあるんじゃないかな。
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