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カグナ 02
04 最高の卒パ 2
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バーチャル法廷でオオカワと会話中。
「――書いたとおりだが」
「他人の個人情報の使用許可なんて。犯人捜し以来じゃない」
「うるさいな――」
「しかも、他人のためにね~~」
「何だよ。そもそもいちいち逮捕状請求されて呼び出すのか?」
「だから、久しぶりだからついでに」
「ったくよ~~」
「そんなに、この子が……。好きなの!?」
「違う。まぁ、関わったからやってあげようかなと。一応、責任あるし」
「そう――。でも、ソラタが他人のためになんて」
微笑するオオカワ。
「笑うな。――こういうことも、たまにはしないとなって」
「いや、珍しいな~~」
「だから!」
「いいよ。で、確認ね」
今回許可したことだけを行うこと。
また、変更の際はすみやかに申請をすること。
個人情報を得たら、そのデータを提出すること。
完成物、レポートを必ず提出すること。
その後、該当する個人情報が不要になれば即破棄すること。
これ以外の個人情報の使用、並びに悪用は、罰せられる。
「確認OK?」
「変わりないな」
「変わらないわよ。単なる契約書なんだから」
「じゃあ、承認するわね」
項目にチェックと、申請者と受諾謝のサインが並ぶ。
「はい。思う存分どうぞ!」
「ありがとうよ!」
僕は帰る。
「ソラタの本気か――。どんなのが来るのかな」
学校。
カグナが退学届にサインをしていた。
「――いいんだな」
「はい。決めたので」
退学が完了。
学校を出るカグナ。
「――」
1歩、踏み出す。その時、足元から景色が変わる。
「……え?」
歩く度に足元の景色が変わる。
「なに、これ」
「そして、どんどん景色が晴れやかになる」
「これって……」
どんどん背中を押されるカグナ。
「え、え、!?」
ほどよい人の流れから前に出る。
「どういう――」
横断歩道。しばらく続く。信号は青。横断歩道も青。
「進めって? というか、どうなって――」
いろんな分かれ道が。それもどんどん進んでいく。
「こっち? え、こっち?」
カグナの家に辿り着く。
「――夢のような。何だったの?」
「カグナ!」
カグナの友人。
「……どうして」
「あのね。連絡があったの。学校を辞めたって」
「――うん」
「あのね、それで――。でもね、凄いなって」
「凄いの?」
「だって、やることを見つけたからって」
「あ、うん――」
「絶対、カグナならできるから」
「――うん。ありがとう」
そして、さらに道は続く。応援も増える。
「カグナ! できるぞ」
「カグナが決めたんだから」
「カグナ! 人生楽しめよ!」
「何で……」
カグナの知り合いが何人も――。
そして、玄関ドアを開ける。応援は終わる。元に戻る。
「……終わり? ――何だったの?」
まだ続く。
カグナの部屋。
パソコンが開き、カグナに夢を見せる。
「まだ――」
カグナの将来を――。
オフィスでの作業。
「まぁ、こんなもので」
オカンと共作で、作り上げた。
「しかしまぁ、ARをこんなふんだんに使うなんてね。それも7日で」
オオカワも関心していた。
「で、そのカグナさんは?」
「こっちに来て泣いてた」
カグナは僕に「あんなの、見せられて。私をどこまで前向きに――」と。
「手続きでは問題ないから」
「それなら――。じゃあ」
通話を切る。次、アカネが来る。
「ソラタ、今のって?」
「ん? 裁判官」
「何で?」
「個人情報の許可が必要だったから。最近はうるさいから」
「いや、何であんな裁判官と知り合いなの?」
「いや、知り合うでしょ」
「最高裁の裁判官だよ。――なんで知り合いなの?」
「いろいろあるんだよ」
その後も、アカネに質問攻めを受けた。
「――書いたとおりだが」
「他人の個人情報の使用許可なんて。犯人捜し以来じゃない」
「うるさいな――」
「しかも、他人のためにね~~」
「何だよ。そもそもいちいち逮捕状請求されて呼び出すのか?」
「だから、久しぶりだからついでに」
「ったくよ~~」
「そんなに、この子が……。好きなの!?」
「違う。まぁ、関わったからやってあげようかなと。一応、責任あるし」
「そう――。でも、ソラタが他人のためになんて」
微笑するオオカワ。
「笑うな。――こういうことも、たまにはしないとなって」
「いや、珍しいな~~」
「だから!」
「いいよ。で、確認ね」
今回許可したことだけを行うこと。
また、変更の際はすみやかに申請をすること。
個人情報を得たら、そのデータを提出すること。
完成物、レポートを必ず提出すること。
その後、該当する個人情報が不要になれば即破棄すること。
これ以外の個人情報の使用、並びに悪用は、罰せられる。
「確認OK?」
「変わりないな」
「変わらないわよ。単なる契約書なんだから」
「じゃあ、承認するわね」
項目にチェックと、申請者と受諾謝のサインが並ぶ。
「はい。思う存分どうぞ!」
「ありがとうよ!」
僕は帰る。
「ソラタの本気か――。どんなのが来るのかな」
学校。
カグナが退学届にサインをしていた。
「――いいんだな」
「はい。決めたので」
退学が完了。
学校を出るカグナ。
「――」
1歩、踏み出す。その時、足元から景色が変わる。
「……え?」
歩く度に足元の景色が変わる。
「なに、これ」
「そして、どんどん景色が晴れやかになる」
「これって……」
どんどん背中を押されるカグナ。
「え、え、!?」
ほどよい人の流れから前に出る。
「どういう――」
横断歩道。しばらく続く。信号は青。横断歩道も青。
「進めって? というか、どうなって――」
いろんな分かれ道が。それもどんどん進んでいく。
「こっち? え、こっち?」
カグナの家に辿り着く。
「――夢のような。何だったの?」
「カグナ!」
カグナの友人。
「……どうして」
「あのね。連絡があったの。学校を辞めたって」
「――うん」
「あのね、それで――。でもね、凄いなって」
「凄いの?」
「だって、やることを見つけたからって」
「あ、うん――」
「絶対、カグナならできるから」
「――うん。ありがとう」
そして、さらに道は続く。応援も増える。
「カグナ! できるぞ」
「カグナが決めたんだから」
「カグナ! 人生楽しめよ!」
「何で……」
カグナの知り合いが何人も――。
そして、玄関ドアを開ける。応援は終わる。元に戻る。
「……終わり? ――何だったの?」
まだ続く。
カグナの部屋。
パソコンが開き、カグナに夢を見せる。
「まだ――」
カグナの将来を――。
オフィスでの作業。
「まぁ、こんなもので」
オカンと共作で、作り上げた。
「しかしまぁ、ARをこんなふんだんに使うなんてね。それも7日で」
オオカワも関心していた。
「で、そのカグナさんは?」
「こっちに来て泣いてた」
カグナは僕に「あんなの、見せられて。私をどこまで前向きに――」と。
「手続きでは問題ないから」
「それなら――。じゃあ」
通話を切る。次、アカネが来る。
「ソラタ、今のって?」
「ん? 裁判官」
「何で?」
「個人情報の許可が必要だったから。最近はうるさいから」
「いや、何であんな裁判官と知り合いなの?」
「いや、知り合うでしょ」
「最高裁の裁判官だよ。――なんで知り合いなの?」
「いろいろあるんだよ」
その後も、アカネに質問攻めを受けた。
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