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三章
番外編 王城では (アルノルド視点)
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「くしゅん!」
「君がくしゃみをするなんて珍しいな?」
許可書のサインを貰いにやって来ていた私に、レクスが珍しいものでも見たような顔を向けて来るが、私とてそれくらいはたまにする。
「誰かが、君の噂でもしているんじゃないか?」
「下らない事を言う前に、さっさと受け取れ」
「はいはい、それにしても、君の子が急に飛び込んで来た時には驚いたよ。王族がいる部屋に、ノックもなく入って来る人間なんて、本当に君達くらいなものだよ」
すっかり渡しそびれていた書類を、レクスの方へと押し付けるように渡せば、仕方がなさそうな顔をしながらようやく受け取ると、扉の方へと視線を向けて、やれやれといった感じに首を横に振る。
「刺客ではないだけましだろう」
「むしろ、正面から入って来てくれる刺客なら、手間が減って助かるよ」
「たしかに、それはそうだな」
「末路は変わらないと言うのに、無駄に小細工をするせいで、こちらの手間だけが増えて困る。それはそうと、今回の嫌がらせは、少し度が過ぎたんじゃないか?」
「嫌がらせ?」
奴の意見に私が同意を返えしていれば、全く身に覚えがない事を言い始めたレクスに、私は内心で首を傾げる。
「違うのかい?私はてっきり、ベルに対する嫌がらせなのかと思ったのだが?」
「そんな事をするわけがないだろう」
彼奴だけならまだしも、エレナ達が同行している旅行中に、そんな事をするはずがない。
「それなら、1人で秘密裏にやらずに、もう少し周りに伝えておくべきだと思うよ。そうすれば、さっきのような事は、起こり得なかったと思うんだが?」
まるで頭が痛くなる奴を相手にする時のような、何とも言えない苦い顔で、少し前の事を掘り返してくる。
「父上!!」
私がこの部屋を訪れて暫くする頃、血相を変えた様子のオルフェが、部屋へと飛び込んで来た。これほどまでに取り乱し、焦っているオルフェの姿を見るのは、私も初めての事だった。
「大変です!リュカが!!」
オルフェの言い放ったその一言で、何が合ったのかを察した私は、冷静さを失っているオルフェを落ち着けようと声を掛ける。
「落ち着きなさい。リュカならもう大丈夫だ。カレン達とも、もうすぐ合流する」
「そんな悠長な!今直ぐにでもイグニスを呼んで私が……ッ!」
「さむッ!!」
部屋の中で召喚魔法を使おうとしていたため、私も氷魔法を発動し、部屋ごと冷ます事によって、強制的に冷静さを取り戻させる。
「オルフェ、少しは落ち着いたか?」
「…はい」
「契約相手と感覚や感情を共有する事が出来るのは、別に悪い事ではないよ。だが、それに引っ張られて、自身の感情を見失い、同調させてしまうのは問題だ」
「しかし…」
「こんな狭い場所でイグニスを呼べば、周囲にどれだけの被害が出るのは分かるね?」
「……申し訳ありません」
「おい、俺への被害は無視か?」
私の横で何か言っている者がいるが、大事な話しの最中なため無視をする。
「それに、此処は王城。ましてや、一応、王族がいる部屋だ。そんな場所で揉め事を起こせば、私達の隙を伺っている連中に付け入る隙を与え兼ねない」
「……一応で悪なったな」
私達の会話の邪魔をするように、またもや何か言ってきたが、気にも止める必要がない事だったため、これも無視をする。
「もう一度、落ち着いて探れば、事態がもう解決している事も分かるね?」
「………はい」
冷静に探れば、そういった感情が流れて来ていない事に気付いたようだ。おそらく、自分自身で感じた事のない強い感情だったため、その感情が途切れた後も、その感情に引き吊られたままになっている事に、気付けなかったのだろう。
「オルフェ!!何があったんだ!!?」
「どうやら、問題児がお迎えに来たようだぞ」
足音を立てながら部屋へと飛び込んで来た迎えに向かって、私はオルフェの背中をそっと押す。
「人の息子を問題児扱いするなと言いたいが、何とも否定できん…」
横で小さく何かを言っていたが、やはり、大した事は言っていなかった。
「もう、終わったから大丈夫だ」
何処か、不機嫌そうな顔と声で答えるオルフェに、追いすがるように問い掛ける。
「本当に大丈夫か!?オルフェのあんな顔!俺!初めて見たぞ!!?
「だから、もう大丈夫だ。どうやら、父上が全て解決した後だったようだ」
「そうか…?それなら…良いんだけどよ…」
心配そうな顔で振り返る奴の息子を、この部屋から追い出すように扉の方へと一緒に進んでいたオルフェが、不意に立ち止まり、チラリとこちらを振り返った。
「父上。後程、詳細を聞きに部屋まで伺います」
私にそれだけ言うと、オルフェは、部屋の扉を硬く閉じて行った。
「あれは、相当怒っていると思うぞ」
その時の事を思い出すように、レクスは私へと言うが、そこまでオルフェを怒らせるような事をした覚えがない。
「奴らの気配に気付いて、オルフェも事前に動いて対処していたようだったのだが、不測の事態への対処はまだ不慣れで、手助けが必要だったと言うわけか?」
私が、疑問を浮かべながら聞けば、まるで見当違いの事を言ったかのように首を振る。
「不測の事態とか、手助けがどうとかよりも、お前の裏工作が原因だと思うが?」
「裏工作ではなく、全ては偶然だ」
「今、私もお前から事情を聞かせて貰ったばかりだが、全てが計画的に感じられて、とても偶然とは思えなかったぞ?」
「全てを計画通り実行するなど、出来るわけがないだろう」
「魔物の子供と合って交友を深めた事も?」
「リュカが懐かれたのは偶然だ。たしかに、アレがいるなら悪いようにはならないとは、予想していた部分はあった。現に、アレが騒いだおかげで、上手い具合にベルンハルト達の注意がそれて、悪くない結果になったようだしな」
「まあ、偶然とも言えなくもないな。仮に親と子が合流出来ても、人間を嫌って手当たりしだいに襲うようになられては、こちらとしても対処に困るから、結果だけを見れば、それで良かったとも言えるね」
私もそれを懸念していたため、小狐が休憩場所の近くを通るように、親狐の匂いを風で送りながら誘導はしたが、そこで小狐に懐かれるかどうかは、賭けに近かった。
「そもそもの話、現場にいない私が、全てを把握して計画を練るなど出来るわけがないだろう?」
「君なら、仕事の片手間でやってのける事も簡単そうだからね。それに、街の外に子供達を出したのは君なんだろう?」
「さすがの私も、城での仕事中、リュカ達の様子を見ながら、魔物の動向を監視し続けるなど出来るわけがないだろう。だが、街の外へと出したのは、私の計算違いだった…」
魔物騒動で揺れる事になる街にいるよりも、対岸に居た方が良いかと判断して、向こう岸に送ったと言うのに、あの馬鹿な二人組が魔物を引き連れて来たせいで、それが全て台無しになった。この落とし前は、どうやって付けて貰おうか……。
「……君…怒ろるのは良いが、部屋を寒くしないでくれないかな?」
「……」
報復内容を考えていた事と、少し前に動揺する事が起きた事もあって、私の魔力制御が甘くなっていたのか、魔力が少し漏れ出ていたようだ。
「はぁ…君ねぇ…怒る度にそれをやるのは、いい加減止めてくれないか?得意と言うわけじゃないだろ?」
「得意ではなくとも、使い勝手が良い」
「お前達は、お互い嫌っているくせに、言う事だけは似ているんだよな…」
「…………」
何とも不快な事を言われて黙っていると、眉を寄せながら嫌そうな顔をする。
「それと、そうやって急に黙るのも止めてくれ。この部屋に入って来た時も、直ぐに黙り込んで、会話にも全く応じなくなった。何かしているのは、魔力の気配で分かっても、君に黙って立ってられるのは、どうにも居心地が悪いんだよ」
「慣れろ。私とて、2つの場所で同時に作業は出来ん」
その時は、リュカ達の前で流血沙汰が起こらないよう、意識を集中していた時だったため致し方ない。
カルロが状況を判断しながら対処していたが、一瞬の判断ミスが致命傷になりかねない状況では、私もそちらに集中する必要が合ったため、話している暇もなかった。
ギリギリまで私の存在に気付かれないよう、風で守りながら状況を観察していたが、剣だけでは防ぎ切れない攻撃が来た際は、さすがに風で押し飛ばさなければならなかった。そのせいで、余計な者に気付かれた。
「それにしても、合流場所をラクスする事もなかっただろう?」
「それは、本人からの希望があったからな」
「あれは、希望していたわけではなかったと思うが……そういう事を平気でするから、ベルからも嫌われるんだよ……」
「私は特に、彼奴から好かれようとは思っていない」
「はぁ…君達に付き合う私の身にもなって欲しいものだよ。その点で言えば、レオンの方が私よりも恵まれているな」
「私の息子が側にいるのだから当然だ」
レクスが当たり前の事を口にしたため、私も返事を返したのだが、何故か呆れた者を見るような顔をする
「まあ、君の何時もの発言は置いておくにしても、2人を合わせてしばらくは、どうなる事かとも心配したが、気があったようで良かったよ」
「私は、大丈夫だと思っていた」
「何を言っているんだ?一番心配していたのは、君だろう?」
「そんな事は…」
「してただろ。全く、そういう素直じゃない所も、見ていてそっくりだと思うよ」
仕方がない者を見るような、何とも言えない生暖かいような視線をレクスから向けられると、何故か身体がむず痒くなってくる。
私は奴から気を逸すため、昔の事を思い出していた。
「君がくしゃみをするなんて珍しいな?」
許可書のサインを貰いにやって来ていた私に、レクスが珍しいものでも見たような顔を向けて来るが、私とてそれくらいはたまにする。
「誰かが、君の噂でもしているんじゃないか?」
「下らない事を言う前に、さっさと受け取れ」
「はいはい、それにしても、君の子が急に飛び込んで来た時には驚いたよ。王族がいる部屋に、ノックもなく入って来る人間なんて、本当に君達くらいなものだよ」
すっかり渡しそびれていた書類を、レクスの方へと押し付けるように渡せば、仕方がなさそうな顔をしながらようやく受け取ると、扉の方へと視線を向けて、やれやれといった感じに首を横に振る。
「刺客ではないだけましだろう」
「むしろ、正面から入って来てくれる刺客なら、手間が減って助かるよ」
「たしかに、それはそうだな」
「末路は変わらないと言うのに、無駄に小細工をするせいで、こちらの手間だけが増えて困る。それはそうと、今回の嫌がらせは、少し度が過ぎたんじゃないか?」
「嫌がらせ?」
奴の意見に私が同意を返えしていれば、全く身に覚えがない事を言い始めたレクスに、私は内心で首を傾げる。
「違うのかい?私はてっきり、ベルに対する嫌がらせなのかと思ったのだが?」
「そんな事をするわけがないだろう」
彼奴だけならまだしも、エレナ達が同行している旅行中に、そんな事をするはずがない。
「それなら、1人で秘密裏にやらずに、もう少し周りに伝えておくべきだと思うよ。そうすれば、さっきのような事は、起こり得なかったと思うんだが?」
まるで頭が痛くなる奴を相手にする時のような、何とも言えない苦い顔で、少し前の事を掘り返してくる。
「父上!!」
私がこの部屋を訪れて暫くする頃、血相を変えた様子のオルフェが、部屋へと飛び込んで来た。これほどまでに取り乱し、焦っているオルフェの姿を見るのは、私も初めての事だった。
「大変です!リュカが!!」
オルフェの言い放ったその一言で、何が合ったのかを察した私は、冷静さを失っているオルフェを落ち着けようと声を掛ける。
「落ち着きなさい。リュカならもう大丈夫だ。カレン達とも、もうすぐ合流する」
「そんな悠長な!今直ぐにでもイグニスを呼んで私が……ッ!」
「さむッ!!」
部屋の中で召喚魔法を使おうとしていたため、私も氷魔法を発動し、部屋ごと冷ます事によって、強制的に冷静さを取り戻させる。
「オルフェ、少しは落ち着いたか?」
「…はい」
「契約相手と感覚や感情を共有する事が出来るのは、別に悪い事ではないよ。だが、それに引っ張られて、自身の感情を見失い、同調させてしまうのは問題だ」
「しかし…」
「こんな狭い場所でイグニスを呼べば、周囲にどれだけの被害が出るのは分かるね?」
「……申し訳ありません」
「おい、俺への被害は無視か?」
私の横で何か言っている者がいるが、大事な話しの最中なため無視をする。
「それに、此処は王城。ましてや、一応、王族がいる部屋だ。そんな場所で揉め事を起こせば、私達の隙を伺っている連中に付け入る隙を与え兼ねない」
「……一応で悪なったな」
私達の会話の邪魔をするように、またもや何か言ってきたが、気にも止める必要がない事だったため、これも無視をする。
「もう一度、落ち着いて探れば、事態がもう解決している事も分かるね?」
「………はい」
冷静に探れば、そういった感情が流れて来ていない事に気付いたようだ。おそらく、自分自身で感じた事のない強い感情だったため、その感情が途切れた後も、その感情に引き吊られたままになっている事に、気付けなかったのだろう。
「オルフェ!!何があったんだ!!?」
「どうやら、問題児がお迎えに来たようだぞ」
足音を立てながら部屋へと飛び込んで来た迎えに向かって、私はオルフェの背中をそっと押す。
「人の息子を問題児扱いするなと言いたいが、何とも否定できん…」
横で小さく何かを言っていたが、やはり、大した事は言っていなかった。
「もう、終わったから大丈夫だ」
何処か、不機嫌そうな顔と声で答えるオルフェに、追いすがるように問い掛ける。
「本当に大丈夫か!?オルフェのあんな顔!俺!初めて見たぞ!!?
「だから、もう大丈夫だ。どうやら、父上が全て解決した後だったようだ」
「そうか…?それなら…良いんだけどよ…」
心配そうな顔で振り返る奴の息子を、この部屋から追い出すように扉の方へと一緒に進んでいたオルフェが、不意に立ち止まり、チラリとこちらを振り返った。
「父上。後程、詳細を聞きに部屋まで伺います」
私にそれだけ言うと、オルフェは、部屋の扉を硬く閉じて行った。
「あれは、相当怒っていると思うぞ」
その時の事を思い出すように、レクスは私へと言うが、そこまでオルフェを怒らせるような事をした覚えがない。
「奴らの気配に気付いて、オルフェも事前に動いて対処していたようだったのだが、不測の事態への対処はまだ不慣れで、手助けが必要だったと言うわけか?」
私が、疑問を浮かべながら聞けば、まるで見当違いの事を言ったかのように首を振る。
「不測の事態とか、手助けがどうとかよりも、お前の裏工作が原因だと思うが?」
「裏工作ではなく、全ては偶然だ」
「今、私もお前から事情を聞かせて貰ったばかりだが、全てが計画的に感じられて、とても偶然とは思えなかったぞ?」
「全てを計画通り実行するなど、出来るわけがないだろう」
「魔物の子供と合って交友を深めた事も?」
「リュカが懐かれたのは偶然だ。たしかに、アレがいるなら悪いようにはならないとは、予想していた部分はあった。現に、アレが騒いだおかげで、上手い具合にベルンハルト達の注意がそれて、悪くない結果になったようだしな」
「まあ、偶然とも言えなくもないな。仮に親と子が合流出来ても、人間を嫌って手当たりしだいに襲うようになられては、こちらとしても対処に困るから、結果だけを見れば、それで良かったとも言えるね」
私もそれを懸念していたため、小狐が休憩場所の近くを通るように、親狐の匂いを風で送りながら誘導はしたが、そこで小狐に懐かれるかどうかは、賭けに近かった。
「そもそもの話、現場にいない私が、全てを把握して計画を練るなど出来るわけがないだろう?」
「君なら、仕事の片手間でやってのける事も簡単そうだからね。それに、街の外に子供達を出したのは君なんだろう?」
「さすがの私も、城での仕事中、リュカ達の様子を見ながら、魔物の動向を監視し続けるなど出来るわけがないだろう。だが、街の外へと出したのは、私の計算違いだった…」
魔物騒動で揺れる事になる街にいるよりも、対岸に居た方が良いかと判断して、向こう岸に送ったと言うのに、あの馬鹿な二人組が魔物を引き連れて来たせいで、それが全て台無しになった。この落とし前は、どうやって付けて貰おうか……。
「……君…怒ろるのは良いが、部屋を寒くしないでくれないかな?」
「……」
報復内容を考えていた事と、少し前に動揺する事が起きた事もあって、私の魔力制御が甘くなっていたのか、魔力が少し漏れ出ていたようだ。
「はぁ…君ねぇ…怒る度にそれをやるのは、いい加減止めてくれないか?得意と言うわけじゃないだろ?」
「得意ではなくとも、使い勝手が良い」
「お前達は、お互い嫌っているくせに、言う事だけは似ているんだよな…」
「…………」
何とも不快な事を言われて黙っていると、眉を寄せながら嫌そうな顔をする。
「それと、そうやって急に黙るのも止めてくれ。この部屋に入って来た時も、直ぐに黙り込んで、会話にも全く応じなくなった。何かしているのは、魔力の気配で分かっても、君に黙って立ってられるのは、どうにも居心地が悪いんだよ」
「慣れろ。私とて、2つの場所で同時に作業は出来ん」
その時は、リュカ達の前で流血沙汰が起こらないよう、意識を集中していた時だったため致し方ない。
カルロが状況を判断しながら対処していたが、一瞬の判断ミスが致命傷になりかねない状況では、私もそちらに集中する必要が合ったため、話している暇もなかった。
ギリギリまで私の存在に気付かれないよう、風で守りながら状況を観察していたが、剣だけでは防ぎ切れない攻撃が来た際は、さすがに風で押し飛ばさなければならなかった。そのせいで、余計な者に気付かれた。
「それにしても、合流場所をラクスする事もなかっただろう?」
「それは、本人からの希望があったからな」
「あれは、希望していたわけではなかったと思うが……そういう事を平気でするから、ベルからも嫌われるんだよ……」
「私は特に、彼奴から好かれようとは思っていない」
「はぁ…君達に付き合う私の身にもなって欲しいものだよ。その点で言えば、レオンの方が私よりも恵まれているな」
「私の息子が側にいるのだから当然だ」
レクスが当たり前の事を口にしたため、私も返事を返したのだが、何故か呆れた者を見るような顔をする
「まあ、君の何時もの発言は置いておくにしても、2人を合わせてしばらくは、どうなる事かとも心配したが、気があったようで良かったよ」
「私は、大丈夫だと思っていた」
「何を言っているんだ?一番心配していたのは、君だろう?」
「そんな事は…」
「してただろ。全く、そういう素直じゃない所も、見ていてそっくりだと思うよ」
仕方がない者を見るような、何とも言えない生暖かいような視線をレクスから向けられると、何故か身体がむず痒くなってくる。
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