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二章
学期末
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「バルド。リータス先生に八つ当たりする前に、学期末に赤点を1つでも取ったら、補習があるので長期休みは遊べませんよ?ちゃんと勉強はしているんですか?」
「え…?そんなの…あったっけ…?」
「えっ…。僕でも覚えてるよ…。やってないの…?」
「……」
ポカンと口を開けている様子を見る限り、全くやってないんだろうな…。
その後、バルドの声にならない悲鳴が、教室に響き渡った…。
「父様?ちょっと聞いてもいい?」
夕食後、少し聞きたい事があった僕は、部屋に戻ろうとしていた父様を呼び止めた。
「ん?何かあったかな?」
「前に、友達が不正をしたって、置き手紙があって騒ぎになった事があったでしょ?それの犯人って、誰だが分かったのかなって?」
教室では、あんな事言ったけど、屋敷に帰って来てから冷静に考えてみたけど、さすがにそれはないかな?と思い直した。でも、犯人が誰なのかは気になる。それなら、何か情報を持っているかもしれない父様に、聞いてみる事にしたのだ。
「分かっているよ?それが、どうかしたのかな?」
「えー!!だ、誰が犯人だったの!?」
父様は、何でもないような顔をして言うけど、分かったなら僕にも教えてよ!
「んー…。それはちょっと、教えられないかな…。でも、昨日も忠告をして来たから、心配はしなくても大丈夫だよ。あれで理解できないようなら、ちゃんとお話しもするから、ね?」
結局、最後まで、父様からは誰が犯人か教えて貰えなかったけど、すでに犯人が分かって、対処もしているなら、もう大丈夫かと気にしない事にした。
次の日、教室に行くと、昨日とは違った意味で、バルドの様子がおかしかった。
「えっと…。今日のバルドは、どうしたの?」
「補習を受けたくないから、必死に勉強しているんです。なので、そっとしておいてあげて下さい…」
確かに、教科書を開いているけど、勉強していると言うより、教科書とにらめっこをしているようにしか見えない。
「それとね、昨日、父様に確認したんだけど、手紙の犯人は、もう分かってるんだって」
「誰だったんですか?」
「それは、教えて貰えなかったけど、ちゃんと忠告もしたし、もしもの時は、その人とお話しするって言ってたよ」
「そうですか。それなら、安心ですね。それにしても、さすがはアルノルド様ですね。あの紙1枚で、犯人を見つけてしまうのですから」
「そうだね。でも、ネアも、これで安心でしょ?」
「そうだな…」
当事者のネアは、何故かそこまで嬉しそうではなかった。それにしても、僕達が話していた間も、バルドの勉強が進んでいる様子はなく。本当に、試験大丈夫何だろうか…。
試験日が近付くにつれて、バルドを心配している余裕はなく、僕も必死になって勉強をしていた。
試験当日、最後の答案用紙を返し終わった後は、やり切った感で僕は脱力していた。赤点だけは取らないように頑張っていたから、たぶん赤点はないと思う。
自分の席からバルドは、どうだったのかと思って見て見たら、燃え尽きた人みたいになっていた。
いよいよ長期休みに入る頃、試験の結果が返って来た。
バルドは、返って来た試験結果の紙を見て、呆然としていた。手に持っていた紙を、コンラッドが抜き取って紙に目を通すと、同情したような視線を向けた。
「バルドにしては、頑張ったと思います…」
僕も、横から覗き込むようにして見れば、苦手科目の点数が、少し足りていなかった。
「リュカは!?」
僕の方を振り返りながら、仲間を探すような視線を向けてくるけれど、その期待には答えられそうにない。
「僕は、ギリギリセーフ!」
「ネアやコンラッドは!?」
「私が、赤点なんて取る訳がないでしょう…」
「俺もない」
「俺だけかよ!」
入学試験で、主席や次席を取るような2人が、赤点なんか取る訳もなく、バルド1人だけ補習が確定した…。
「長期休みに、行きたい所とかはないかな?」
嘆くバルドを宥めながて屋敷に帰ると、夕食の席で父様から長期休みの事に付いて聞かれた。だけど、バルドの事を思うと、何だか少し悪いような気もする…。
「行きたい場所はあるけど…。友達が補習する事になったのに、遊びに行っていいのかな…」
「リュカが、赤点を取った訳じゃないのに、何を気にする必要があるのかな?」
「それは…そうなんだけど…」
不思議そうにしている父様に、僕は何と説明すればいいのか分からない。
「リュカ。逆に考えればいいんじゃないかしら?」
「逆に?」
「行けないから、変わりにお土産を買って来ると考えれば、少しは友達に対する罪悪感も減るんじゃないかしら?」
僕は、母様の言葉に感動した。そう思えば、僕も遊びに行く事が出来る!
「はい!そうします!!」
バルドに、この事を伝えたら、ずるい!でも、お土産はよろしく!と言われた。
「え…?そんなの…あったっけ…?」
「えっ…。僕でも覚えてるよ…。やってないの…?」
「……」
ポカンと口を開けている様子を見る限り、全くやってないんだろうな…。
その後、バルドの声にならない悲鳴が、教室に響き渡った…。
「父様?ちょっと聞いてもいい?」
夕食後、少し聞きたい事があった僕は、部屋に戻ろうとしていた父様を呼び止めた。
「ん?何かあったかな?」
「前に、友達が不正をしたって、置き手紙があって騒ぎになった事があったでしょ?それの犯人って、誰だが分かったのかなって?」
教室では、あんな事言ったけど、屋敷に帰って来てから冷静に考えてみたけど、さすがにそれはないかな?と思い直した。でも、犯人が誰なのかは気になる。それなら、何か情報を持っているかもしれない父様に、聞いてみる事にしたのだ。
「分かっているよ?それが、どうかしたのかな?」
「えー!!だ、誰が犯人だったの!?」
父様は、何でもないような顔をして言うけど、分かったなら僕にも教えてよ!
「んー…。それはちょっと、教えられないかな…。でも、昨日も忠告をして来たから、心配はしなくても大丈夫だよ。あれで理解できないようなら、ちゃんとお話しもするから、ね?」
結局、最後まで、父様からは誰が犯人か教えて貰えなかったけど、すでに犯人が分かって、対処もしているなら、もう大丈夫かと気にしない事にした。
次の日、教室に行くと、昨日とは違った意味で、バルドの様子がおかしかった。
「えっと…。今日のバルドは、どうしたの?」
「補習を受けたくないから、必死に勉強しているんです。なので、そっとしておいてあげて下さい…」
確かに、教科書を開いているけど、勉強していると言うより、教科書とにらめっこをしているようにしか見えない。
「それとね、昨日、父様に確認したんだけど、手紙の犯人は、もう分かってるんだって」
「誰だったんですか?」
「それは、教えて貰えなかったけど、ちゃんと忠告もしたし、もしもの時は、その人とお話しするって言ってたよ」
「そうですか。それなら、安心ですね。それにしても、さすがはアルノルド様ですね。あの紙1枚で、犯人を見つけてしまうのですから」
「そうだね。でも、ネアも、これで安心でしょ?」
「そうだな…」
当事者のネアは、何故かそこまで嬉しそうではなかった。それにしても、僕達が話していた間も、バルドの勉強が進んでいる様子はなく。本当に、試験大丈夫何だろうか…。
試験日が近付くにつれて、バルドを心配している余裕はなく、僕も必死になって勉強をしていた。
試験当日、最後の答案用紙を返し終わった後は、やり切った感で僕は脱力していた。赤点だけは取らないように頑張っていたから、たぶん赤点はないと思う。
自分の席からバルドは、どうだったのかと思って見て見たら、燃え尽きた人みたいになっていた。
いよいよ長期休みに入る頃、試験の結果が返って来た。
バルドは、返って来た試験結果の紙を見て、呆然としていた。手に持っていた紙を、コンラッドが抜き取って紙に目を通すと、同情したような視線を向けた。
「バルドにしては、頑張ったと思います…」
僕も、横から覗き込むようにして見れば、苦手科目の点数が、少し足りていなかった。
「リュカは!?」
僕の方を振り返りながら、仲間を探すような視線を向けてくるけれど、その期待には答えられそうにない。
「僕は、ギリギリセーフ!」
「ネアやコンラッドは!?」
「私が、赤点なんて取る訳がないでしょう…」
「俺もない」
「俺だけかよ!」
入学試験で、主席や次席を取るような2人が、赤点なんか取る訳もなく、バルド1人だけ補習が確定した…。
「長期休みに、行きたい所とかはないかな?」
嘆くバルドを宥めながて屋敷に帰ると、夕食の席で父様から長期休みの事に付いて聞かれた。だけど、バルドの事を思うと、何だか少し悪いような気もする…。
「行きたい場所はあるけど…。友達が補習する事になったのに、遊びに行っていいのかな…」
「リュカが、赤点を取った訳じゃないのに、何を気にする必要があるのかな?」
「それは…そうなんだけど…」
不思議そうにしている父様に、僕は何と説明すればいいのか分からない。
「リュカ。逆に考えればいいんじゃないかしら?」
「逆に?」
「行けないから、変わりにお土産を買って来ると考えれば、少しは友達に対する罪悪感も減るんじゃないかしら?」
僕は、母様の言葉に感動した。そう思えば、僕も遊びに行く事が出来る!
「はい!そうします!!」
バルドに、この事を伝えたら、ずるい!でも、お土産はよろしく!と言われた。
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