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一章
番外編 私の上司(部下視点)
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「皆休め」
休憩の言葉を告げると、上司であるアルノルド様は、机を軽く整理して部屋を出て行った。
私の上司は少し怖くて、たまに対応に困る事もあるが、良い上司だと思う。
基本、職場で笑う事は少ないが、怒る事も、理不尽な事を言ってくる事もない。それに、毎日、休憩時間を入れてくれるうえに、私達を気遣って部屋まで開けてくれる。
それに、休暇申請を事前にしていれば、直ぐに受理してくれる。家族が体調を崩した時などは、申請しなくても、その場で休みをくれるので助かっている。まあ、家族が病気だと嘘を付いて、休暇を申請した者は、その後見なくはなったけど…。
そして、城勤めな事もあって、給料だって高額だし、定時で家に帰れる。まあ、その分、山のような仕事をこなさなければならないが…。
給料と待遇を知って、たまに、移動して来る者もいるが、あまりの仕事の多さに付いていけず、長続きする者はほとんどいない。
でも、仕事にさえ慣れれば、定時に帰れて残業もないので、私は今の職場を良い職場だと思っている。しかし、職場の先輩が言うには、アルノルド様が就任する前は、大変だったそうだ。
アルノルド様の父親が、宰相だったそうだが、血統主義の考えで、血筋で相手を採用するため、ろくに仕事が出来ない人間ばかりしかいなかったそうだ。だから、仕事が出来る者は、多くの仕事を押し付けられ、休みも取れず、家に帰れない日々だったそうだ。
しかも、仕事は出来ないのに、言い訳する事や、他人のせいにするのだけは得意で、責任は全て他者に押し付けていたそうだ。だから、仕事が出来る人から辞めていき、残った者達は、さらに増える仕事に追われていたそうだ。
そんな日々が続いて、若くして陛下が即位する事になった時、一緒に宰相も変わる事になった。しかし、息子が後を継ぐとあって、先輩も仕事を辞めようかとも考えたそうだ。
しかし、就任してみると、横暴な態度を取る事もなく、誰よりも多くの仕事をこなしていた。そして、不正を行っていた者を処罰して、色々な所を正していた。
それに、働く者の得意分野などをそれぞれ理解し、仕事を各自に的確に配分して時間効率を重視していった。そして、血筋だけで、全く仕事が出来ない連中も、いつの間にか消えて、仕事をする人間だけになったおかげで、働きやすい環境になったそうだ。
私は、今しか知らないけれど、他にも色々大変だったそうだ。
騎士団も、今と違って提出期限を守らない事が多かった。だけど、書類作成が苦手だという事を考慮して、他の部署よりも、提出期限を長くしたらしい。それにも関わらず、提出期限を守らない人が増えた。その結果、アルノルド様が騎士団に乗り込んで、守らなかった奴らを全員、1人で叩きのめしたんだそうだ。
その話を聞いた時、何でこの人文官やってるの?とも思ったが、他の部署に取られても困るので、今後も本人に言う事はない。でも、それ以降は、騎士団も提出期限を守るようになったそうだ。
休憩から戻ったアルノルドは、執務室で働く私達を集めてた。
「皆に話がある。私は、新年祭後に3日間休みをとる。それにあたって、皆には残業をして欲しい。もちろん、残業代の他に特別手当も付ける。そして、1番仕事をした者に報奨金として、金貨100枚を別に出そう」
もともと、仕事の量や内容で給金が変わるので、皆、多くの仕事をこなし、難しい仕事を回して貰うよう、日々努力していた。そのため、その言葉に執務室にいる者達は湧き上がった。
私も、最近、娘が生まれたばかりなので、色々と買ってあげたいと思っていたのだ。だから、誰よりも多くの仕事をこなして、何としても報奨金をゲットしなければ!私も皆に負けじと、書類へとペンを走らせるのだった。
休憩の言葉を告げると、上司であるアルノルド様は、机を軽く整理して部屋を出て行った。
私の上司は少し怖くて、たまに対応に困る事もあるが、良い上司だと思う。
基本、職場で笑う事は少ないが、怒る事も、理不尽な事を言ってくる事もない。それに、毎日、休憩時間を入れてくれるうえに、私達を気遣って部屋まで開けてくれる。
それに、休暇申請を事前にしていれば、直ぐに受理してくれる。家族が体調を崩した時などは、申請しなくても、その場で休みをくれるので助かっている。まあ、家族が病気だと嘘を付いて、休暇を申請した者は、その後見なくはなったけど…。
そして、城勤めな事もあって、給料だって高額だし、定時で家に帰れる。まあ、その分、山のような仕事をこなさなければならないが…。
給料と待遇を知って、たまに、移動して来る者もいるが、あまりの仕事の多さに付いていけず、長続きする者はほとんどいない。
でも、仕事にさえ慣れれば、定時に帰れて残業もないので、私は今の職場を良い職場だと思っている。しかし、職場の先輩が言うには、アルノルド様が就任する前は、大変だったそうだ。
アルノルド様の父親が、宰相だったそうだが、血統主義の考えで、血筋で相手を採用するため、ろくに仕事が出来ない人間ばかりしかいなかったそうだ。だから、仕事が出来る者は、多くの仕事を押し付けられ、休みも取れず、家に帰れない日々だったそうだ。
しかも、仕事は出来ないのに、言い訳する事や、他人のせいにするのだけは得意で、責任は全て他者に押し付けていたそうだ。だから、仕事が出来る人から辞めていき、残った者達は、さらに増える仕事に追われていたそうだ。
そんな日々が続いて、若くして陛下が即位する事になった時、一緒に宰相も変わる事になった。しかし、息子が後を継ぐとあって、先輩も仕事を辞めようかとも考えたそうだ。
しかし、就任してみると、横暴な態度を取る事もなく、誰よりも多くの仕事をこなしていた。そして、不正を行っていた者を処罰して、色々な所を正していた。
それに、働く者の得意分野などをそれぞれ理解し、仕事を各自に的確に配分して時間効率を重視していった。そして、血筋だけで、全く仕事が出来ない連中も、いつの間にか消えて、仕事をする人間だけになったおかげで、働きやすい環境になったそうだ。
私は、今しか知らないけれど、他にも色々大変だったそうだ。
騎士団も、今と違って提出期限を守らない事が多かった。だけど、書類作成が苦手だという事を考慮して、他の部署よりも、提出期限を長くしたらしい。それにも関わらず、提出期限を守らない人が増えた。その結果、アルノルド様が騎士団に乗り込んで、守らなかった奴らを全員、1人で叩きのめしたんだそうだ。
その話を聞いた時、何でこの人文官やってるの?とも思ったが、他の部署に取られても困るので、今後も本人に言う事はない。でも、それ以降は、騎士団も提出期限を守るようになったそうだ。
休憩から戻ったアルノルドは、執務室で働く私達を集めてた。
「皆に話がある。私は、新年祭後に3日間休みをとる。それにあたって、皆には残業をして欲しい。もちろん、残業代の他に特別手当も付ける。そして、1番仕事をした者に報奨金として、金貨100枚を別に出そう」
もともと、仕事の量や内容で給金が変わるので、皆、多くの仕事をこなし、難しい仕事を回して貰うよう、日々努力していた。そのため、その言葉に執務室にいる者達は湧き上がった。
私も、最近、娘が生まれたばかりなので、色々と買ってあげたいと思っていたのだ。だから、誰よりも多くの仕事をこなして、何としても報奨金をゲットしなければ!私も皆に負けじと、書類へとペンを走らせるのだった。
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