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しおりを挟む可愛い自分が可愛くお願いすれば平民のおばさんなんか一瞬で私の可愛さに魅了されてパンとスープぐらい喜んで分け与えたくなるだろうという……叔父や使用人達に砂糖菓子のようにたっぷり甘やかされて育ち、自己肯定感がめちゃ高いルチナにしか思い付かない作戦だったが、そんな上手くいくはずもなく容赦なくルチナの頭に恰幅のいい女性の手刀が打ちこまれる。
スパッン!
「っ痛!?」
「バカ言ってんじゃないよ!図々しい娘だね!なんで見ず知らずの小娘に飯をあげなきゃいけないのさ!」
「なっ、なっ!何すんのよこのババア!世界で一番可愛い私の頭を殴るなんて…信じられないわ!!あほ!ばか!ばか!」
「ほらそんな文句言う元気があるなら飯なんか食わなくても大丈夫だろ。ほらさっさとどっかにいきな!しっし!」
「はあ!?ちょ、待ちなさいよ!こんなに今にも倒れそうな少女にパンの一切れもくれないなんて……アンタそれでも人間!?この鬼畜!悪魔!人でなしーーッ!」
「ああ!もう本当にうるさい小娘だね!そんなに飯が食いたいなら教会にでも行けばいいだろ!?」
「え、教会?」
「あ?あんた知らないのかい?国王陛下のご慈悲で毎日この先の教会で炊き出しをやっているってこの街では結構有名……いや、そもそもあんたどこから来たんだい?この国じゃ見慣れない顔をしているし、それにそのお腹……」
「教会に行けばご飯を食べれるのね!?ありがとうおばさん!お礼に世界で一番可愛い私を叩いた事を特別に許してあげるわ!」
「あ、ちょっとお待ち!!」
思いもよらず教会で食事を貰えるという情報を手に入れたルチナは呼び止める女性の声を無視して一直線に教会へと向かい走り出した。
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