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しおりを挟むやっとフレディが帰ってきましたよ。なんか、疲れ切ってますね。
「おかえりフレディ、宰相様の冷たい視線は大丈夫だったかい」
お父様、聞くのがまずそこからですか?
え、フレディのその顔は同意の顔ですか。雨に濡れて疲れた子犬のような目。
「父上、あの視線は怖かったです。
なにか、ミスをしたのではないかと、胃がキリキリと痛みました」
「そうか、やはり胃がやられたか。
私も報告書の事で、質問される時に向けられる冷たい目線で、お腹が痛くなるのだよ」
晩餐の話より、宰相様の目線の話ですか?
宰相様は美中年と聞いてますが、綺麗なお顔は視線が鋭いのかも。
場所を移して、ゆっくりお茶を飲みながら話しましょう。
「姉様、お菓子ありがとうございました。
シュークリームは傷みやすいのでと話したら、晩餐の前に、四人で食べきりました。
四人と言うのは、公爵夫妻とレイモンド先輩、グレイです。
すごい勢いで食べるのです。その後で野菜クッキーも食べだしたのです。
その後、晩餐の時間になったのですが、僕、余計な事を言ってしまったかも。
シュークリームの販売を聞かれて、今の所、販売を考えてないけど、予約の個数限定で、販売するかもと答えたまでは良かったんですが……。
シュークリームの皮がふくらまないと美味しくないのよって、姉様が言ってましたと思わず……、すぐにシュフがと言い直したのですが、姉様ごめんなさい。
誰も、何も言いませんでしたが、食事の最中に公爵閣下がずっと見つめられてしまいまして。
僕の失言のせいで、姉様に迷惑をかけたかもと思うと。
公爵夫人には、姉様の社交界デビューを聞かれました。
公爵家のパティーでデビューしたらどうですかと言われたので、お願いしますと答えてしまいました。
大丈夫ですか?」
シェルエント公爵家で社交界デビューできるなんて、光栄ですよ。
お母様もそう思ってるから私の顔を見て頷いてます。
フレディ、そんなに心配そうな顔しなくても大丈夫です。
私は、お菓子を作るのが好きなのです。
もし、私がお菓子を作っていることがバレてしまって、厨房に入る令嬢と言われて結婚できなくても大丈夫ですよ。
結婚できなかったら、金貨を貯めて領地で住めば良いだけですから。
好きな、お菓子を作って食べて、特産品を作るのもいいですね。
身分あるものは厨房に入らずは、私には無理ですからね。
最近は、唐揚げや天ぷらが食べたいです。
シュフに説明しても私が作ったほうが早いですし、美味しいですよね。
お菓子が食べれるようになると、ポテトチップスみたいな、塩がきいた物が食べたくなるのですよ。
あ、良いこと思いつきました。
野菜嫌いのシェルエント公爵令息に、ポテトチップス、もしくはフライドポテトを食べてもらうのはどうでしょうかね。
今度、もし我が家の晩餐に招待したら、ポテトチップスを出してみましょうか?
あ、でも野菜嫌いの令息は、嫡男でしたね。
フレディの仲良しさんは同級生、招待するなら、同級生の令息ですね。
同級生のお友達を通して、嫡男さんのジャガイモ嫌いも克服出来るようにしたいですね。
ジャガイモが食べれるようになれば料理の幅もひろがります。
フレディがお世話になってますから、野菜嫌いの克服の手伝いをしたいですね。
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