【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました

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sideフレディ

　どうしてこうなってしまったんだろう。
　いつも通り、レイモンド先輩が部屋に来て、お茶をしていたら、外出届けの話になり、シェルエルト公爵家に招待されてしまった。　

　レイモンド先輩がぜひ来てほしいと言ってくれる傍らで、グレイは笑いをこらえていた。
　笑ってないで、助けてほしい。熱心に誘ってくれるから、断る事が、出来なかった。
　グレイの招待ではなく、レイモンド先輩からの招待、どうしてこうなったんだろう。
　まだ、グレイもいるからと思って招待を受けたのに、グレイは、他の友人と約束があるから、今回は家に帰らないと言うし、どうしよう。

「フレディ、大丈夫だよ。兄上は、君の事をすっごく気に入ってるから。君が礼儀とかよく心配してるけど、心配するような事ないから、気軽に遊びに来てよ。
　母上がもしかしたら、君に色々聞くかも。兄上は、第二王子殿下と仲良いから、あまり他の貴族令息を家に招待することはなかったんだ。
　だから、兄上の事で、些細な事でも、聞きたがるかもね？
　母上は、割と礼儀作法にうるさい方なんだよ。
　でも、何かあっても、招待するほど大切にしてる後輩なら言わないと思うよ」

「グレイ余計に心配になってきたよ。グレイ今から断る方法はないかな？
　もしくは、グレイも家に帰ろうよ」

「アハハ、家に帰ろうよか、何かいいね。家に帰ろうかと言う気にさせられるよ。わかった、一緒にはむりだけど、晩餐に間に合うようには帰るよ。
　ちなみに伯爵家は、家に帰ろうよと思える感じなのかな？」

「そんなに笑うほどかな？家に帰ろうよって、そんなにおもしろいのかな。
　姉様が家に帰っておいでよとか良く言ってたから……どうしよ、こんな調子で何か言ってしまったら」

　僕の心配をよそに、グレイは笑いながら大丈夫大丈夫と言うばかり、何か、考えると胃が痛くなってきたよ。
　
　レイモンド先輩が部屋まで迎えに来てくれた。グレイは、レイモンド先輩に晩餐には間に合うようには帰るからと話している。
　そうだ、何で気がつかなかったんだ、手土産がないからと、一旦家にかえろう。
　グレイがいる晩餐の時間に招待でもよくないかなあ？それなら晩餐の時間だけ乗り切ればいいし、よし言ってみよう。

「あの、レイモンド先輩、僕一旦伯爵家に帰って手土産準備してきます。
　もしかしたら、新しいお菓子があるからもしれませんし、初めての招待の時に手ぶらでは、何か申し訳ありません。グレイが帰って来る、晩餐の時間に行くのはどうでしょうか？」

「フレディ、新作は気になるけど、手土産なんて気にしないで、気軽に来てほしい」

「兄上、手土産はいらないと言ってるのに、新作が気になるなんて、催促してるもんですよ。
　フレディも初めての外出届けだし、伯爵家に帰りたいのですよ。
　僕もいませんし、フレディが緊張してしまうでしょ。フレディが言ったように、まずは晩餐に招待する事にしたらどうですか？徐々にが大切ですよ」

　グレイが助け舟を出してくれた気分だ。ありがとうのアイコンタクトをグレイに送ると、グレイが笑いを噛み締めていた。はて？そこまでおかしいかな。

「フレディ、では晩餐に招待するよ。6時半位から晩餐が始まるから、5時半位を目安に来てくれ」

　レイモンド先輩はそう言うと、手荷物を持って階段を降りていった。

　僕はグレイにありがとうのハグをした。
　グレイも他の友人との用事があるので、出かけていった。

　よし、僕も家に帰ろう。姉様に手土産用のお菓子を作って貰おう。久しぶりにの我が家だ。