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 お母様が次に呼ばれたティーパーティーは、なんと王妃様主催のお茶会でした。

 伯爵家といっても、これという特産がない領地ですし、お父様が、特に国の重臣というわけではないので、王室のティーパーティーに呼ばれたことがなく、今回行くのが、初めての事なのです。

 王室のお茶会で着るドレスに、先ずは困りました。

 うちは財政難なのて、貴族のティーパーティーに行くときは、昔のドレスを最新の流行りをとりいれて、リメイクしていたのです。

 私が前世でコンサルトの仕事をしていたとき、服飾関係の仕立て直しもしたので、その時にリメイクや配色の仕方、少し刺繍を取り入れるだけで服が変わる勉強をしました。

 今からオーダーメイドは間に合わないので、既製服に飾りと刺繍を入れましょう。
 前は急げです

「お母様、ドレスショップに行きましょう。そこで既製服を買ってきて、飾りをつけましょう。私が配色など考えます。時間がありません。行きましょう」

「ええ、そうね。王室のお茶会だから、びっくりしてしまって。
 貴方のセンスに任せれば安心だわ。たよりにしてます」

 さあ、ドレスショップにつきましたよ。財政難のため、久しぶりのドレスショップです。

「クライブ伯爵婦人、令嬢、ようこそいらっしゃいました。今日はどのような服をお探しでしょうか?」

「お茶会に行く時のドレスが欲しいのですが、時間がないので、既製服を見せていただけますか?」

「はい、かしこまりました。では、あちらにどうぞ」

 久しぶりですが、店長さんのマダムが丁寧に接してくださるので、安心しました。
 既製服と言ったら、冷たく対応する店もありますからね。

 着るのはお母様ですから、着たい服を選んで頂き、そこから、私がこういったレースをいれて頂きたいことを話しました。

 小さいコサージュを沢山つくったので、つけて頂いたレース部分に縫い付けて華やかにする予定です。

 このコサージュも、この世界では、見たことがないので、コサージュも、できたら事業契約して、金貨を稼ぎたい所です。

「レースを入れてもらったら、この花のコサージュをつけていただきたいのですが?」

「これは、布地で作った花ですか?素晴らしいです。誰が作られたのでしょうか?
 紹介していただけませんか?」

「私が、作りました。私もこのコサージュを事業契約出来たらと思い、今日持ってきました。
 いつも、このドレスショップで買ってますので、マダムの人柄も知っていますからね。お母様は今度、王妃様のティーパーティーにいきます。
 多分そのときに、このコサージュが話題になると思います。
 ですので、コサージュの作り方を教えますので、このコサージュをこのショップの象徴にするのも良いかもしれません。
 そうすれば、他のショップに真似されませんからね」


「お嬢様ありがとうございます。
 私のショップを事業契約の相手に選んでいただいて光栄です。
 このコサージュという花は絶対貴婦人方の注目になります」

「では、日を改めてクライブ伯爵家の者が契約に伺います。
 では、先ずはお母様のドレスを急いでお願いします。ティーパーティーに行ったら、すぐに貴婦人方の問い合わせが来ると思います。
 契約が済み次第、このコサージュの作り方を説明に来ます」

 やりましたよ、お菓子事業に続いてコサージュのお金が入りますよ。

 あくまで、私は服飾が得意と言うことではないので、アイディア料が貰えればラッキーと言う考えです。

 コサージュも前世によるものですからね。
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