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6.お茶会4

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 殿下の側近があまりにも気がつくので、他のテーブルに行くのを阻止されてしまった。

 多分、殿下の婚約者候補の令嬢なのだろう。殿下が私に話しかけるたびに、私を睨んでくる。

  もしかして、私は今、悪役令嬢ポジションではなく、ヒロインポジションにいるのではないか、初めての事なので、戸惑ってしまう。

 私は王宮のお菓子を堪能して、ルーカス君と話をして、ルーカス君の性格を知ることを第一にした。

  私を睨んでいる令嬢は、カミラ・シュタイベルト公爵令嬢らしい。
 カミラ令嬢は、第三王子の筆頭婚約者候補と聞いている。

  カミラ令嬢ははっきりいってポッチャリさんだ。一重の眼がポッチャリのため、さらに細くなっている。
 睨まれると鋭さがます眼力だ。

   自分でいうのもおこがましいが、私は可愛い。王子もまだ子供だから、内面や家柄より、容姿に惹かれるのも仕方がない。

 私はヒロインより、悪役令嬢の友達のその1になりたいのだ。
   なぜだか、モブ1になりたくて仕方がない。私はWEB小説で、何故悪役令嬢の友達は、悪役令嬢と言われる令嬢の更生をしないまま、一緒にイジメをしてしまうのが嫌だった。
 悪役令嬢がイジメをしないにしても、ヒロインが王子とくっつくのも嫌だったのだ。

   相手がいる人を奪うという行為が嫌なのだ。
 お互いに好きになってしまったなら仕方がないのだが、遺恨を残す婚約破棄は断じてダメだ。

 前世の私みたいに幸せになっていれば、ここまで思わないが、私が読んだ小説の悪役令嬢は可哀想な最後ばかりだった。
 私が友達なら、絶対助けてあげたいと強く思ったものだ。

 今回の人生は、もしや、悪役令嬢の友達として、生を受けて、友達を幸せにして、なおかつ私も結婚して天寿を全うする運命かもしれない。

 そうすれば、この世界に未練はなく、日本に戻っていけるような気がする。
 日本限定なのは、この記憶をいかして小説を書いてハッピーエンドの話を書くのだ。

 カミラ令嬢を見守っていると精霊がカミラ令嬢の事を一生懸命かばってる。カミラ令嬢の事を他の精霊達にお願いしてる。

「エミリーちゃん、エミリーちゃん、どうしたの?」

 いけない、私ったら、他ごとを考えて聞いてなかった。

「ルーカス君、ケーキが美味しくて他事を考えてしまって。話を聞いてなかったの。ごめんね」

「僕はいいんだけど、シュタイベルト令嬢が話しかけてるよ。
 まあ、ほとんど嫌味なんだけど。ケーキが食べるのが目的なのかとか、伯爵家ではケーキが出ないのか、嫌味をエミリーちゃんに言ってるんだ。

 気にしない方がいいけど、無視するのも公爵家だから」

 なるほど、私が他事を考えている間に、話しかけられ無視する形になってしまったのね。

 今日、友達になって、悪役令嬢になりそうなカミラ令嬢を導くよ。

 皆がそれぞれの幸せを掴めば、魂が日本に戻った時に満足な気持ちになれる。
 よし、友達になって、カミラ令嬢も幸せにしてみせる。

「色々ご指導ありがとうございます。シュタイベルト令嬢、良かったら、友達になって下さい。
 令嬢が絶賛されるお菓子も食べてみたいですし、公爵家のお茶会に招待してくださいませんか?」

 カミラ令嬢をみると、唖然とした表情で私を見ていた。よほどビックリしたようで、何も言わない。はっとした様子で、

「そんなに、我が家のデザートが食べたいなら、友達になって差し上げますわ。お茶会の日時はまた連絡します」

「はい、楽しみにしてます」
 
 殿下も側近の人もビックリしている。まあ、嫌味を言われているのに、友達になりたい、お茶会に招待してほしいと言う令嬢も珍しいのは確かだ。

 殿下が私をおかしな令嬢と認識してくれれば、尚更よい。私は平和な結婚を目指しているので、殿下は遠慮したい。

 ルーカス君がカミラ令嬢に自分もお茶会に招待してほしいと話している。
 ルーカス君は、デザートを狙っているのか、自分の好きなケーキを語っている。
 カミラ令嬢も困惑しながら、そこまで公爵家のデザートが食べたいならと了承していた。

 ルーカス君が気づかれないように、私に合図を送ってきた。うーん、一緒にデザートを楽しもうという事なのか、よくわからないが、ニッコリ笑っておいた。

 エミリーちゃんがシュタイベルト令嬢に友達になろうと言った時はビックリした。
 僕とも友達になってくれたし、僕もエミリーちゃんを見習って友達作り頑張ろう。
 そう思ったら、自然とシュタイベルト令嬢に、お茶会に招待してほしいと話していた。

 令嬢も戸惑っていたが、了承してくれ、エミリーちゃんに、僕も友達作り頑張っているよと合図をしたら、ニッコリと笑ってくれた。
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