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回帰後、神々の決断
しおりを挟むバイオレット令嬢が、隣国の公爵と婚約した。
私を罠に嵌めた令嬢が隣国に行く。残りの二人は、回帰後、私達に、絡んでこない。
私は回帰前におこった問題が全て解決したのではないかと思った。
〈イリア様、オリビア様〉
《シアどうしました?》
〈バイオレット令嬢が隣国に嫁ぐ事になりました。私を罠に嵌めた人は、これでいなくなります。私は、これで幸せになれるのでしょうか?〉
《貴方を、罠にかけたバイオレットの祝福は、プライドでした。
私達は、少し考えさせられました。私達神々の祝福が、このように作用して、苦しみを与えるのかと。
全能の神である、アウロスが目覚めないのです。時間を巻き戻すのに、力を使い眠りにつきました。
シアの時間軸がもう心配ないなら目覚めても良いのに、まだ目覚めません。
そのため、もうしばらくシアも用心してください》
〈はい、わかりました。でもイリア様、たしかに回帰前は辛かったです。でも、今はとても幸せです。
回帰前があるから回帰後がこんなにも幸せなんだと思えるのです。
イリア様やオリビア様とも話せて幸せです〉
《そう言って貰えると、私達も嬉しいです》
神々の祝福で、バイオレット令嬢も苦しんだのかもしれない。
神々も、幸せを願って与えた祝福が上手く作用しないと、人に苦しみを与えることを知り、悲しんでくれている。
神々の話し合い
○イリア「ねえ、私達が与えた祝福って、人に作用しすぎるのかしら」
○ウロス「どうしたんだ?何かあった?」
○イリア「バイオレットの祝福がプライドだったのよ。私が祝福を授けたと思うの。プライドが強く作用して、あの娘は、高位貴族にこだわりすぎて、シアを罠にかけたかと思うと、私達の祝福ってなんだろうと思ったのよ」
○オリビア「そうね、今回私達は、シアと関わったから、人々に与えた祝福がどのくらい作用するかわかったわよね。私は祝福をもっと弱めるべきではないかと思ったわ」
○エイリス「確かにね。弱めてもいいかも」
○イリア「アウロスが目覚めないのよ。私達で勝手な事はできないでしょ」
○アウロス「ただいま。久しぶりだなあ。これはお土産だ。アレクとシアはどうなった?」
○イリア「アウロス、ただいまって、力を使いすぎて眠っていたんでしょう?どうなっているの」
○アウロス「ああ時間を巻き戻した時に、眠りについた。その時に、異世界の神々が遊びにおいでよと言うから、意識だけを異世界に飛ばしていた。お陰で目覚めるのが遅くなりすまない」
○イリア「あなたが目覚めないから、心配したのに、異世界に遊びに行っていたなんて」
○ウロス「いいなあ、楽しかった?」
○アウロス「ああ、楽しかった。異世界に行って思ったんだ。異世界は神々の祝福がない。
もちろん、神は、人々の生活を見守っているのだか、それぞれに祝福を与えることはない。
今回、ウロスが、アレクとシアに注目していたから、祝福の力が人に、大きく作用するとわかった。
今までも、我々の祝福で苦しんだ者がいるかもしれない。そう考えた時に、我々の祝福をもっと弱めて、徐々になくしていっても良いのかもしれない。
今回の異世界は勉強になった。私は、精神体だから転生ではなく憑依して、人として生活した。
なかなか興味深く新鮮だった。お前たちも、異世界に遊びに行っておいで。
我々の祝福はいつも5人の力を与えていた。私が、眠りについて、四人の力の祝福だったが、特に変わらなかった。
祝福の力を弱めるために、我々は異世界に遊びに行って、2~3人で見守るようにしたいと思っている。どうだろうか?」
○イリア「私は賛成よ。異世界に遊びに行くとかではなく、祝福の力を弱めましょう」
○ウロス「賛成。異世界に遊びに行きたい。転生して人として生きてみるのも良いね。何が必要なのかわかるからさ」
○エイリス「賛成、異世界の学生がやってみたい」
○オリビア「ウロスもエイリスも遊びばかりね。私も、祝福を弱めた方が良いと思うから賛成よ。
ウロスとエイリスは、このまま異世界に遊びに行けば。アレクもシアも、きっと幸せになるわ。もう私達が見守る必要はないと思うのよ」
○アウロス「では、決まりだな。これからは、祝福を弱めよう。人は自分の力で考えて強く生きる。私達は見守ろう。
アレクとシアには、それぞれで、これからは助言はせず、見守るだけだと話してくるように」
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