インシツな指先

カゲマル

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新たな楽しみ

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 翌朝。軽めの変装をした俺は、  と合流した。

「おはようございます。師匠」
「師匠はやめろ」
「でも先生とはこんな場所で言えないじゃないですか。いくら変装してるといっても」
「にしても他に呼び方はないのか?まあ、別にいいが」

 寛大な心で許しながら、スーパーに向かうと、この辺りにはあまり来たことがないことに気づいた。
 なるほど、しっかりコンビニやスポーツショップもあるじゃないか。こういう場所にも穴場はあるもんだから、明日からはこの辺りも散策してみよう。
 そんな事を考えていると、すぐに目的の場所に辿り着いた。よく見かけるスーパーのチェーン店だ。

「着いたよ、師匠」
「ああ、わかってる」

 中に入ると、店内のあちこちに商品が積まれたコンテナが置かれていて、店員達がそこから商品を取り、せっせと並べていた。さて、獲物は今日出勤してんのかね。

「師匠」

 商品を見るふりをして店員を探していると、菅原が小声で声をかけてきた。

「いた。あっちで作業してる」
「そうか」

 いつの間にか単独行動していた菅原から嬉しい報告がきた。もう師匠でいいな。うん。
 菅原の後をついていくと、飲料のコーナーに女はいた。
 肩くらいまでの黒髪を束ねたその女はそこそこの容姿だった。
 人目をひく美人とは違うが、顔のパーツは整っていて、何よりいい体型をしている。人によってはガタイがよすぎるとかいうかもしれないが、胸も尻もボリューミーで触りがいがありそうだ。腰がしっかり細いのもいい。
 上は店のロゴが入ったジャケットだったが、下はタイトなパンツスーツ風のズボンだ。
 ……菅原、やるじゃないか。
 心の中でガッツポーズをしながら、菅原の肩に手を置いた

「よし、行くか」
「はいっ!!」
「いや、そこまででかい返事をするな」

 店員は気づいてないからよかった。ていうか、こいつは既に一回触ってるらしいから、あまり目立たせないようにする必要がある。

「あっ、先生。今日は僕はいいですよ。僕が注意を引き付けますから」
「……そうか」

 いい弟子だ。後で飲み物くらいは買ってやろう。
 菅原は店員の割と近くへと行き、飲み物を漁り始めた。
 店員からしたら品出し中に邪魔だろうが、すぐに終わるから待ってくれ。
 俺は前後の確認をしてから、ちょうど尻を突き出したところで、なるべく足音を立てずに歩き始めた。
 そして手の甲を女のあてがい、ゆっくりと滑らせる。

「えっ?」
「あっ、すいませーん!」
「あ、はい……」

 少し強めに行きすぎたが、菅原のナイスフォローで問題なく仕事を終えられた。
 ここは新しい楽しみにしておきたいから、今日は一回だけにしとくか。
 俺は手早く飲み物を2つレジに持っていった。
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