インシツな指先

カゲマル

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弟子?

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 放課後、指定した商業施設の前で待っていると、私服姿の菅原がやってきた。こちらが帽子とマスクをつけているからか、気づかずにキョロキョロしている。

「こっちだ」
「あっ、はい!」

 さすがに時間が経ったからか、朝よりは元気そうだ。だがもちろん何故呼び出されたかはわかっていないので、表情にはかすかな不安ものぞかせている。仕方ないか。普通なら弱みを握られたと考えるだろうからな。
 俺は顎をしゃくって、菅原を促した。

「行くぞ。帽子とマスク着けとけ」
「あ、はい……でもなんでこんな電車で二十分もかかる場所に?」
「ここならうちの生徒と遭遇する確率は低いからな」
「?」

 菅原は首をかしげている。あまり察しはよくないようだ。
 そのまま中に入ると平日なので人の入りはまばらだが、それでも賑やかな空気に包まれた。
 さて、ここに来るのは三ヶ月ぶりだったな。相変わらずいい女が多いぜ。
 とりあえず最初は……スーツ店がいいな。やはり最初はパンツスーツだろう。こいつにもパンツスーツの素晴らしさを理解してほしい。

「先生……そろそろ何をやるか教えてほしいんですが……」
「よし、お前はここで見とけ」
「はい……」

 菅原を待たせておいて俺はスーツ店のフロアにゆっくりと近づいた。
 店員の姿を探すと、ちょうど入口付近で接客をしていた。相手は白髪頭の痩せた爺さんだ。
 ……ナイスタイミングじゃないか。まさに触ってくださいと言わんばかりだ。
 女の外見を確認してみる。
 長めのウェーブがかかった髪に高めの身長、均整の取れたスタイル。まさにスーツ店のお手本みたいな店員だ。
 俺は狙いを定めると、なるべく足音が出ない歩き方をして、女の背後に近づき、手の甲で尻を撫でた。

「あっ,申し訳ございません……」

 張りのあるいい尻の感触を堪能してから、俺は物陰に隠れながら菅原の元まで戻った。
 近くでその表情を確認すると、不思議なものを見たとでも言いたげだ。まあ、そりゃそうだろうな。

「あ、あの、先生、今のは……」
「今のがお前の欲求を満たす最適解だ」
「先生、いつもあんな事やってんの?」
「もちろんだ」
「もちろんなんだ……」
「で、どうする?やるか?今すぐ始めるなら俺がアシストしてやるぞ」
「…………」

 菅原はうつむいて考え込んでいる。色々思うところがあるのだろう。教師としては生徒の決断は支持するが。
 もう一度目を向けると、菅原はスーツ店の従業員の尻を見ていた。ほう、いい目だ。

「先生、俺やるよ。今日から先生の弟子になる」
「…………」

 そこまで大袈裟な話はしていない。
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