インシツな指先

カゲマル

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手の甲

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俺は高木の尻に、そっと自分の手の甲を当てた。
柔らかくも弾力ある尻の感触を手の甲に感じ、下半身に熱い血が溜まるのを感じた。
一秒にも満たない時間ではあるが、ありあまる興奮を感じ、そのまま歩き去る。
さりげなく、ちらりと彼女を確認すると、まだ一生懸命に前屈をしている。気づいているかどうかはわからない。
だが、どうでもいい。
朝イチからついてるな。
端から見ればしょうもないセクハラだが、俺はこれで性欲を割と満たしている。
がっつり触ったら色々危険もあるしな。あと、はっきりやってバレたら続けられなくなるし。

「よし、じゃあチームに分かれろー!」

 大きめの声で指示を出し、ちらりと  を認する。
 だが、高木はこちらを見ていないようだ。
 そのことに安堵しながら、あとは淡々と授業を進めた。

 ・・・

 ……まただ。
 この前の授業の時に感じた違和感。
 それをまた感じてしまった。
 顔を上げることはしなかったが、足音で近くを先生が通ったことはわかる。
 ……もしかして先生、わざと触ってないよね?
 お尻に何か当たった感覚は、気持ち悪く残っている。
 き、気のせいだよね。先生がそんなことするはずがないし……それに、勘違いだったらとても失礼だもの。

 彼女はそう考えて自分を納得させた。
 それが甘い考えだと気づかずに。

 ・・・

「ふぅ……」

 自宅にて自慰行為を終え、天井を見上げていると、抜いたばかりだというのに、ムラムラと性欲が沸き上がるのを感じる。
 やっぱりまだ触りてぇなぁ。
 がっつり揉んで捕まりたいわけではないが、せめてバレないように1日3回くらい触りたい。
 だが、やりすぎるとバレるし、何より彼女がクラスメートに相談でもしたらまずい。
 学校という空間内では噂話はあっという間に広がる。
 そうなると、ここで働くかぎり、ずっと言われ続けるだろう。それだけは勘弁だ。
 窓の外からは電車の音がガタンガタンと聞こえてくる。
 ……とりあえず外に出るか。

 ・・・

 百貨店に足を踏み入れると、音楽や人の声が入り交じった音に包まれる。
 こういう時はテキトーなので気軽に性欲を満たすにかぎる。
 接客中の店員を狙い、通りすがりに手の甲を尻に当てていくと、興奮で気持ちが紛れた。
 何人かはこれで3回目とかになるので、背中に冷たい視線が刺さるが構いはしない。気にしすぎると逆に怪しい。
 すると、驚くべきものを発見した。
 それは、私服姿でうろつく高木レイナだ。
 何たる幸運。
 俺は舌なめずりをして、そっと後を追うことに決めた。
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