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第一話 桜散る。
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桜はまだ蕾だけ。桃の花が咲いてる3月上旬。人は笑い泣く季節と称す。
検索 福岡大学 商学部 合格発表
サイトにヒットする。パスワードとIDを入れて、合格発表者一覧が掲載されている。
(A60744、A60744…)
合格者一覧
A60001以降70000以下
このサイトをクリックする。今の心境は言葉にできない。
A60007 A60009 A60012 A60014 A60020…
画面をスクロールする。
A60044 A60045 A60049 A60051 A60056…
ゆっくり、ゆっくりスクロールしていく。不意に一気にスクロールする決意を本能が呈したのか、くるくると画面が動き、気づけばA61000番台になっていた。
今度はまたゆっくり、ゆっくり戻していく…
A60775 A60772 A60770 A60766 A60757 A60754 A60750…
A70746 A60743 A60738。
落ちた。お、落ちた。率直な感想はあ、落ちたんだとすんなり受け入れるような感じであった。しかし、その5秒後、考えが180℃変わった。もう死人同然。顔面蒼白。仮死状態。ヨダレが垂れてきた。
「んんああっ!」
ぶるると顔を振る。やっぱりそれでも落ちてるんだよな。
翌日、学校に行かなきゃ行けないけど、みんなはこれから先の4年間の将来が約束されているもの同然なので当然、泣いたり俯いたりなんか見せない。だけど僕ただ1人だけ、高校生でいたい。あと残りの青春が一生のものでありたい。と思っている。僕だけ。そう、僕だけ。
1日が1時間のように経ていく。泣いて笑って叫んだ2年11ヶ月が、3年になろうとしている。
ーってか、もうなる。ー
この日が終わったら、卒業式。
(神様、仏様、観音様。どうかこのままが一生このままでありますそうに。RPGゲームのように長寿アニメのように、時が動かないでいて欲しいんだ。)
勿論、神や仏や観音には夢のない僕に聞く耳を持たない。目が覚めたら朝6時15分。
学校に行く未来しかなくなったのだ。その先の未来など視えた話じゃない。
卒業式。運動会や文化祭に修学旅行、色々楽しい過去があった。それを振り返り、もう見返らないと約束する式典。そしてこれを終われば大学生や短大生、専門学生や浪人生になる。別になりたくないのに。
卒業式の1日はいつもの10分のように感じた。
そして晴れて4月。今の気分は99%の哀しさと1%の勇敢さ。
僕の目の前にはとある建物で聳えている。
『愛光ゼミナール福岡予備校』
これから僕の将来を変える高校四年生が始まった。
桜は徐々に散っていく。僕の肩に一片の花びらが乗った4月上旬。
人は新しい季節と称す。
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(A60744、A60744…)
合格者一覧
A60001以降70000以下
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A60007 A60009 A60012 A60014 A60020…
画面をスクロールする。
A60044 A60045 A60049 A60051 A60056…
ゆっくり、ゆっくりスクロールしていく。不意に一気にスクロールする決意を本能が呈したのか、くるくると画面が動き、気づけばA61000番台になっていた。
今度はまたゆっくり、ゆっくり戻していく…
A60775 A60772 A60770 A60766 A60757 A60754 A60750…
A70746 A60743 A60738。
落ちた。お、落ちた。率直な感想はあ、落ちたんだとすんなり受け入れるような感じであった。しかし、その5秒後、考えが180℃変わった。もう死人同然。顔面蒼白。仮死状態。ヨダレが垂れてきた。
「んんああっ!」
ぶるると顔を振る。やっぱりそれでも落ちてるんだよな。
翌日、学校に行かなきゃ行けないけど、みんなはこれから先の4年間の将来が約束されているもの同然なので当然、泣いたり俯いたりなんか見せない。だけど僕ただ1人だけ、高校生でいたい。あと残りの青春が一生のものでありたい。と思っている。僕だけ。そう、僕だけ。
1日が1時間のように経ていく。泣いて笑って叫んだ2年11ヶ月が、3年になろうとしている。
ーってか、もうなる。ー
この日が終わったら、卒業式。
(神様、仏様、観音様。どうかこのままが一生このままでありますそうに。RPGゲームのように長寿アニメのように、時が動かないでいて欲しいんだ。)
勿論、神や仏や観音には夢のない僕に聞く耳を持たない。目が覚めたら朝6時15分。
学校に行く未来しかなくなったのだ。その先の未来など視えた話じゃない。
卒業式。運動会や文化祭に修学旅行、色々楽しい過去があった。それを振り返り、もう見返らないと約束する式典。そしてこれを終われば大学生や短大生、専門学生や浪人生になる。別になりたくないのに。
卒業式の1日はいつもの10分のように感じた。
そして晴れて4月。今の気分は99%の哀しさと1%の勇敢さ。
僕の目の前にはとある建物で聳えている。
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これから僕の将来を変える高校四年生が始まった。
桜は徐々に散っていく。僕の肩に一片の花びらが乗った4月上旬。
人は新しい季節と称す。
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