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第06話 頭デッカチ操言士と新たな学び
2.通告と聴取(上)
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「どうも、こんにちは。守護部の王黎と見習いの紀更、参りました」
一言の無駄口も許されないような厳かなその空気を王黎はもろともせず、へらへらした笑顔でたたき壊す。まるでこちらを威圧する十人を馬鹿にしているようだった。
「そこへ座りなさい」
一人の女性操言士が、円卓に用意されたふたつの椅子を指し示した。そこは廊下に続くドアに近い席で、声をかけた女性操言士とちょうど直線距離で向かい合う位置だ。
紀更と王黎がそこに腰を掛けると、真向かいにいる女性操言士は言った。
「無事の帰還で幸いです、王黎。それから特別な操言士よ」
「ええ、コリン団長」
王黎はすました表情でいるが、紀更はたったそれだけの声掛けで、責められているような咎められているような暗い気持ちになった。背筋が冷たくなり、視線は自然と下を向く。
コリン団長――操言士団団長のコリン・シュトルツ。紀更がその顔をこうして近くで見るのは初めてだ。もとからなのか色が抜けたのか、グレーの髪の毛は後頭部にひっつめてひとつの小さなお団子にしている。ひたいにも口元にも皺が刻まれ、だいぶ歳を重ねていることがわかる。しかし緑色の瞳は眼光鋭く、どんな事象も見逃さないという意思の強さを感じさせる。そしてその声はとても冷たく硬かった。ポーレンヌ操言支部の支部長オドレイ・エモンとはまた別の、性格というよりはあえてそうしているようなどこか作られた冷たさだ。
「祈聖石巡礼の旅の成果を聞いておきたいところですが、のんびりもしていられません。単刀直入に今後のことを伝えます」
コリンがそう告げると紀更は息を呑んだ。
先ほどヴィローラ広場で、王黎は今後のことについて「話し合う」と言った。だがコリンは「伝える」と言う。つまりこれは、操言士団が得意な「一方的な通告」だ。一年前、呉服屋「つむぎ」に操言士団の使者が来た時と同じだ。こちらの言い分を聞く耳などなく、決定事項を言い渡すだけ。
(今回もそういうことなのね)
紀更は自分の身体だけでなく、心もぐっと硬くなるのを感じた。
操言士団は紀更の意思や希望を確認などしない。そんな手間はかけない。一人の人間として見ている気がしない。紀更という名前すら呼ばないのだから、操言士団にとって自分はただ従わせるだけの、取るに足らない存在なのだとそう思えてならない。そういうものだと割り切るしかない。そう思ってもやるせなさは消えなかった。
「あなたは来月開催する修了試験を受験しなさい」
「ら、来月ですか」
こちらを見つめるコリンに、紀更は条件反射のように尋ねてしまった。
「あなたはもう成人しています。いつまでも見習いのままでいないで、早く一人前の操言士となり、国のために働きなさい」
早く一人前の操言士になって国に貢献してほしい。それはサンディからも言われたことだ。しかし言い方の違いなのかそれとも言う人の違いなのか、同じようなことを言われているのにこんなにも気持ちの落差があるものなのかと紀更は呆然とした。
「それは……決定事項ですか」
小さな力のない声で紀更は尋ねた。
誰もが黙って紀更を見つめているおかげで、会議室内は静寂に保たれている。紀更のその声は弱々しかったが、遠くに座るコリンの耳にちゃんと届いたようだった。
「来月開催の修了試験を受けることが、と問うているのならそうです。試験結果は公平に出されますから、仮に合格できなかった場合は再来月も受けてもらいます。とにかく見習い期間を早く終わらせなさい。そのためにも、再び操言院の寮に入って朝から晩まで学ぶこと。いいですね」
なんと一方的なことか。
見習い操言士になれと唐突に言い渡したかと思えば、今度は見習い期間をさっさと終わらせろときたものだ。いくら普通の操言士たちと違って、つい一年ほど前、理由もわからず後天的に操言の力を宿したイレギュラーな存在とはいえ、それ以前にこちらは一人の人間だ。そんな乱暴に、そして一方的に人生の進路を決めつけてくるなんて、人の存在をなんだと思っているのか。
紀更が声に出せない不満を胸の中でつのらせていると、隣にいた王黎が真面目な顔で言った。
「コリン団長、直近の修了試験を受けよとの指示は承知しました。なるべく早く合格できるよう、師として僕も指導します。ですが僕一人では限界があります。そこでいくつかお願いをしたいのですが、よろしいでしょうか」
王黎の要求にコリンは一瞬顔をしかめたが、冷たい目のまま先をうながした。
「言ってみなさい」
「ひとつ、学びの場は操言院で寮に入るのも構いません。ですが操言院での学びを五日間、自宅での休養を二日間。試験まではこのサイクルで過ごさせてください」
「理由はなんだ。その歳でまだ見習いならば、修了試験に合格できるまで操言院でみっちりと学び続けるのはすべての操言士がやっていることだぞ。それだのに二日間は自宅に帰るなど、甘いのではないか」
円卓に座る男性操言士の一人、上唇の上に濃い髭を生やした幹部操言士ヘススが眉間に皺を寄せて意見した。
地方出身の見習い操言士も王都出身の見習い操言士も、だいたいが十歳を過ぎたあたりで操言院の寮に入る。そして修了試験合格までは、年に数回の帰省を除いて寮から出ることは少ない。人によって習熟度にばらつきがあるので一概に同じとは言えないが、成人してもまだ修了試験に合格できない者はどちらかというと劣等生の部類なので、一刻も早く合格するために勉強漬けになるのが普通だ。合格前に自宅に帰るなど、確かに甘い考えと言えよう。
しかしヘススのその意見は想定の範囲内だったので、王黎は特に慌てることもなく淡々と答えた。
「理由は簡単です。合格するまでずっと操言院に缶詰めになるよりも、紀更にとってはそのサイクルの方が学びが深くなるからです」
違う。いや違わないのだが、それは真なる理由ではない。紀更は隣に座る王黎の横顔を見つめた。
教育機関である操言院ではなくその外、つまり王都の外に出て旅をしながら自然の中で実践的に学ぶ方が、正直に言って紀更の性には合っていた。操言院に閉じこもり続けることは、紀更の学びが深くなる方法として正解とは言えない。
だが王黎は、より良い学びの方法だから提案してくれたのではない。紀更を気遣って提案してくれたのだ。缶詰めになることを強要されたら、また紀更がつらくなるだろうと。笑いたくても笑えず、頑張ろうと思っても頑張れず、見えない泥にがんじがらめにされたようなあの重苦しい状態になってしまうのではないかと。
約一ヶ月前の、休暇を申し出る直前のすべてが重く閉ざされて動けないような状況に再び陥らないように。定期的に操言院という場所を出て自由に呼吸ができるように。ここにいる幹部操言士は誰一人として気遣ってなどくれないが、王黎は紀更の心の健康を慮ってくれている。だからこれだけの張り詰めた空気の中、提案してくれたのだ。
「早く修了試験に合格せよとおっしゃるなら、そのために必要な環境を認めてください。彼女の場合、それは堅苦しい操言院の中ではなく、王都の中や家族のいる場所、あるいは今まで見たことのないこの国の都市部など、そういう開けた場所なのです」
「ふん」
王黎の提案に食ってかかったヘススは不満げに息を吐くと黙った。王黎に反論する論理的な根拠も理由も、それ以上は出てこないようだった。
「それともうひとつ。僕の推薦する操言士を、専属の講師として紀更につけてください。そして修了試験までの授業は、基本的にその講師とのマンツーマンで行うようにしてください。まあ、たまに僕が関わるので厳密にはマンツーマンではないですが」
「誰を推薦するのですか」
コリンが尋ねると王黎は即答した。
「国内部所属の操言士雛菊です」
「は?」
「雛菊?」
「誰だ、そいつは」
「あの本の虫の頭デッカチか」
王黎が挙げた操言士の名に数名の幹部が反応する。だがそれは驚きとためらい、そしてその雛菊という操言士への侮蔑を含んでいた。
「王黎、確か彼女はお前の同期だろう。同期を推薦して彼女の株を上げようという魂胆か。そんな回りくどいことをしてなんになる。恩でも売るのか」
ヘススの隣に座っている、頭部に毛髪が見当たらない操言士ロジャーは鼻で笑った。ロジャーの物言いはずいぶんと嫌味ったらしかったが、王黎ははきはきと答える。
「こちらも理由は簡単です。雛菊の知識が紀更の修了試験合格のために必要だからです」
「国内部の操言士を持ち出さずとも、教師操言士の教えで十分よ。教育部の操言士の知識こそ合格に必要なもの。頭デッカチの知識なんて特別な操言士には必要ないわ」
教育部と関わりの深い幹部操言士エミリコも嘲笑した。立体的なスパイラルウェーブヘアをした明るいその赤毛は今日も鮮やかな色を放ち、とても五十を過ぎているとは思えない。しかしその耳はやはり年相応だと王黎は思った。
「お耳が遠いようなのでもう一度言いますね」
こき下ろすような物言いの幹部操言士たちに王黎はとびきりの笑顔を向けた。
一言の無駄口も許されないような厳かなその空気を王黎はもろともせず、へらへらした笑顔でたたき壊す。まるでこちらを威圧する十人を馬鹿にしているようだった。
「そこへ座りなさい」
一人の女性操言士が、円卓に用意されたふたつの椅子を指し示した。そこは廊下に続くドアに近い席で、声をかけた女性操言士とちょうど直線距離で向かい合う位置だ。
紀更と王黎がそこに腰を掛けると、真向かいにいる女性操言士は言った。
「無事の帰還で幸いです、王黎。それから特別な操言士よ」
「ええ、コリン団長」
王黎はすました表情でいるが、紀更はたったそれだけの声掛けで、責められているような咎められているような暗い気持ちになった。背筋が冷たくなり、視線は自然と下を向く。
コリン団長――操言士団団長のコリン・シュトルツ。紀更がその顔をこうして近くで見るのは初めてだ。もとからなのか色が抜けたのか、グレーの髪の毛は後頭部にひっつめてひとつの小さなお団子にしている。ひたいにも口元にも皺が刻まれ、だいぶ歳を重ねていることがわかる。しかし緑色の瞳は眼光鋭く、どんな事象も見逃さないという意思の強さを感じさせる。そしてその声はとても冷たく硬かった。ポーレンヌ操言支部の支部長オドレイ・エモンとはまた別の、性格というよりはあえてそうしているようなどこか作られた冷たさだ。
「祈聖石巡礼の旅の成果を聞いておきたいところですが、のんびりもしていられません。単刀直入に今後のことを伝えます」
コリンがそう告げると紀更は息を呑んだ。
先ほどヴィローラ広場で、王黎は今後のことについて「話し合う」と言った。だがコリンは「伝える」と言う。つまりこれは、操言士団が得意な「一方的な通告」だ。一年前、呉服屋「つむぎ」に操言士団の使者が来た時と同じだ。こちらの言い分を聞く耳などなく、決定事項を言い渡すだけ。
(今回もそういうことなのね)
紀更は自分の身体だけでなく、心もぐっと硬くなるのを感じた。
操言士団は紀更の意思や希望を確認などしない。そんな手間はかけない。一人の人間として見ている気がしない。紀更という名前すら呼ばないのだから、操言士団にとって自分はただ従わせるだけの、取るに足らない存在なのだとそう思えてならない。そういうものだと割り切るしかない。そう思ってもやるせなさは消えなかった。
「あなたは来月開催する修了試験を受験しなさい」
「ら、来月ですか」
こちらを見つめるコリンに、紀更は条件反射のように尋ねてしまった。
「あなたはもう成人しています。いつまでも見習いのままでいないで、早く一人前の操言士となり、国のために働きなさい」
早く一人前の操言士になって国に貢献してほしい。それはサンディからも言われたことだ。しかし言い方の違いなのかそれとも言う人の違いなのか、同じようなことを言われているのにこんなにも気持ちの落差があるものなのかと紀更は呆然とした。
「それは……決定事項ですか」
小さな力のない声で紀更は尋ねた。
誰もが黙って紀更を見つめているおかげで、会議室内は静寂に保たれている。紀更のその声は弱々しかったが、遠くに座るコリンの耳にちゃんと届いたようだった。
「来月開催の修了試験を受けることが、と問うているのならそうです。試験結果は公平に出されますから、仮に合格できなかった場合は再来月も受けてもらいます。とにかく見習い期間を早く終わらせなさい。そのためにも、再び操言院の寮に入って朝から晩まで学ぶこと。いいですね」
なんと一方的なことか。
見習い操言士になれと唐突に言い渡したかと思えば、今度は見習い期間をさっさと終わらせろときたものだ。いくら普通の操言士たちと違って、つい一年ほど前、理由もわからず後天的に操言の力を宿したイレギュラーな存在とはいえ、それ以前にこちらは一人の人間だ。そんな乱暴に、そして一方的に人生の進路を決めつけてくるなんて、人の存在をなんだと思っているのか。
紀更が声に出せない不満を胸の中でつのらせていると、隣にいた王黎が真面目な顔で言った。
「コリン団長、直近の修了試験を受けよとの指示は承知しました。なるべく早く合格できるよう、師として僕も指導します。ですが僕一人では限界があります。そこでいくつかお願いをしたいのですが、よろしいでしょうか」
王黎の要求にコリンは一瞬顔をしかめたが、冷たい目のまま先をうながした。
「言ってみなさい」
「ひとつ、学びの場は操言院で寮に入るのも構いません。ですが操言院での学びを五日間、自宅での休養を二日間。試験まではこのサイクルで過ごさせてください」
「理由はなんだ。その歳でまだ見習いならば、修了試験に合格できるまで操言院でみっちりと学び続けるのはすべての操言士がやっていることだぞ。それだのに二日間は自宅に帰るなど、甘いのではないか」
円卓に座る男性操言士の一人、上唇の上に濃い髭を生やした幹部操言士ヘススが眉間に皺を寄せて意見した。
地方出身の見習い操言士も王都出身の見習い操言士も、だいたいが十歳を過ぎたあたりで操言院の寮に入る。そして修了試験合格までは、年に数回の帰省を除いて寮から出ることは少ない。人によって習熟度にばらつきがあるので一概に同じとは言えないが、成人してもまだ修了試験に合格できない者はどちらかというと劣等生の部類なので、一刻も早く合格するために勉強漬けになるのが普通だ。合格前に自宅に帰るなど、確かに甘い考えと言えよう。
しかしヘススのその意見は想定の範囲内だったので、王黎は特に慌てることもなく淡々と答えた。
「理由は簡単です。合格するまでずっと操言院に缶詰めになるよりも、紀更にとってはそのサイクルの方が学びが深くなるからです」
違う。いや違わないのだが、それは真なる理由ではない。紀更は隣に座る王黎の横顔を見つめた。
教育機関である操言院ではなくその外、つまり王都の外に出て旅をしながら自然の中で実践的に学ぶ方が、正直に言って紀更の性には合っていた。操言院に閉じこもり続けることは、紀更の学びが深くなる方法として正解とは言えない。
だが王黎は、より良い学びの方法だから提案してくれたのではない。紀更を気遣って提案してくれたのだ。缶詰めになることを強要されたら、また紀更がつらくなるだろうと。笑いたくても笑えず、頑張ろうと思っても頑張れず、見えない泥にがんじがらめにされたようなあの重苦しい状態になってしまうのではないかと。
約一ヶ月前の、休暇を申し出る直前のすべてが重く閉ざされて動けないような状況に再び陥らないように。定期的に操言院という場所を出て自由に呼吸ができるように。ここにいる幹部操言士は誰一人として気遣ってなどくれないが、王黎は紀更の心の健康を慮ってくれている。だからこれだけの張り詰めた空気の中、提案してくれたのだ。
「早く修了試験に合格せよとおっしゃるなら、そのために必要な環境を認めてください。彼女の場合、それは堅苦しい操言院の中ではなく、王都の中や家族のいる場所、あるいは今まで見たことのないこの国の都市部など、そういう開けた場所なのです」
「ふん」
王黎の提案に食ってかかったヘススは不満げに息を吐くと黙った。王黎に反論する論理的な根拠も理由も、それ以上は出てこないようだった。
「それともうひとつ。僕の推薦する操言士を、専属の講師として紀更につけてください。そして修了試験までの授業は、基本的にその講師とのマンツーマンで行うようにしてください。まあ、たまに僕が関わるので厳密にはマンツーマンではないですが」
「誰を推薦するのですか」
コリンが尋ねると王黎は即答した。
「国内部所属の操言士雛菊です」
「は?」
「雛菊?」
「誰だ、そいつは」
「あの本の虫の頭デッカチか」
王黎が挙げた操言士の名に数名の幹部が反応する。だがそれは驚きとためらい、そしてその雛菊という操言士への侮蔑を含んでいた。
「王黎、確か彼女はお前の同期だろう。同期を推薦して彼女の株を上げようという魂胆か。そんな回りくどいことをしてなんになる。恩でも売るのか」
ヘススの隣に座っている、頭部に毛髪が見当たらない操言士ロジャーは鼻で笑った。ロジャーの物言いはずいぶんと嫌味ったらしかったが、王黎ははきはきと答える。
「こちらも理由は簡単です。雛菊の知識が紀更の修了試験合格のために必要だからです」
「国内部の操言士を持ち出さずとも、教師操言士の教えで十分よ。教育部の操言士の知識こそ合格に必要なもの。頭デッカチの知識なんて特別な操言士には必要ないわ」
教育部と関わりの深い幹部操言士エミリコも嘲笑した。立体的なスパイラルウェーブヘアをした明るいその赤毛は今日も鮮やかな色を放ち、とても五十を過ぎているとは思えない。しかしその耳はやはり年相応だと王黎は思った。
「お耳が遠いようなのでもう一度言いますね」
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