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第04話 古の操言士と水の犬
6.水の犬(上)
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「そういえば、一度も見えていないです」
「ジャスパー、ほかの連中はどうなんだい」
ヒルダの答えを聞いてから、弥生はジャスパーに尋ねた。
「実はな、ヒルダたちが戻ってから誰一人、あの塔が見えるという話をしてこない。ちょっと気になってしつこいくらいに確認を続けているが、誰一人だ」
「誰も見えない? 見えなくなった?」
ここ二ヶ月ほど、ヒルダの目には毎日必ずあの不思議な塔が見えていた。曇っていようが雨が降ろうが、昼だろうが夜だろうがいつだって。
それなのに、あの嵐の船旅から戻ってきて以降は一度も見えていない。紀更たちの捜索のために海に出た時も、そういえば塔は見えなかった。
(それに夢も……)
――塔へ行きたがっとる操言士がおるんよ。力になったってな。
ここ最近ずっと見ていた夢。あの塔に行きたがっている操言士の力になってくれと、正体不明の誰かから何度も何度も頼まれる夢。しかし塔と同じく、その夢も見なくなった。
――どんな理由であれ、船に乗って海へ出る人を守るのが操言士としてのあたしの仕事ですから。
――頼りにしてるよ。ごめんね、みくびって。
出発前、港で王黎と交わした会話がヒルダの頭の中によみがえる。
(もしかして、あたしの役目はもう終わったの?)
塔へ行きたがっている操言士、つまり紀更と王黎が乗る船に同船して、途中までではあるが二人を塔に送り届けること。それがヒルダの役割だった。そしてそれは無事に果たされた。紀更たちはきっと、塔にたどり着けたに違いない。だからもう、あの塔やあの夢を自分が見る必要はないのだろう。
「よし、わかった。弥生、ヒルダ、今日で捜索は打ち切りだ」
「えっ」
ジャスパーがそう言うと、ヒルダは食い下がった。
「待ってください、城主様! 紀更ちゃんたちを見捨てるってことですか!?」
「これ以上、船も人手もオレの勝手で動かすのはよくねぇからな」
「勝手……勝手なんかじゃないです!」
「いや、勝手なんだよ。あいつらが塔を目指すのを手助けしたこと。それは完全に、オレ個人の独断だ。なあ、エミール?」
「そうですね。各方面への協力依頼、任務発注の主はすべてジャスパー・ファンバーレ……ゼルヴァイス城城主です。すべて城主の意図するところ、となります」
息子でありながらどこか他人行儀に語るエミールを、ヒルダは複雑な表情で見つめた。
「弥生ちゃん、なんとかなりませんか!? 紀更ちゃんと王黎さんは操言士団の所属です! 操言士団がなんとか二人を」
「無理だね。というのも、あの二人はいま、ここゼルヴァイスの地で祈聖石を巡りながら修行している、ということになっている」
「なっている?」
「あの二人がおかしな塔を目指したなんて話は王都の操言士団の耳には入れていないのさ。ヒルダ、あんたは馬鹿じゃない。それがどういうことかわかるね?」
特別な操言士は、王都の操言士団にとって重要な存在、もとい厄介な存在だ。過去に例のない「後天的に操言の力を宿した操言士」ということで、紀更の取り扱いは何から何まで異例だ。紀更の動向は、常に操言士団が把握しておかなければならない。言い換えれば、紀更は常に操言士団の監視下にあるということだ。
普通に考えれば、謎の塔を目指すなどという旅程は操言士団からの許可が下りるはずがない。それなのに、紀更たちはジャスパーの協力のもと、塔へ向かった。ジャスパーと弥生は、そのことを王都の操言士団に対して黙っているのだ。
(勝手って、そういうことなの)
理由はわからないが、ジャスパーも弥生も、王都からの許可なく自分たちの采配で、紀更たちをあの塔へ行かせたのだ。そのことを王都の操言士団は知らない。ゆえに二人を捜索するために操言士団の力を借りることはできない。
ヒルダが船旅に同行する操言士として選ばれたのは、実力もだが察しの良さも見込んでのことだろう。あえて明確に弥生からは言われていないが、二人が不思議な塔を目指したことは他言無用が必至だ。
「じゃあ、どうして」
ヒルダはジャスパーに視線を向けた。
「王都が許可しないとわかっていて、なぜ紀更ちゃんたちを塔へ送り出したんですか。紀更ちゃんがあの塔へ行くことにどんな意味があるんですか」
毎日見える、不思議な塔。不思議な夢。
本当に存在しているのかどうか、不明確な建物。
そこへ行きたいという、特別な操言士紀更。
まだ見習いの彼女がわざわざそこを目指すのはなぜだろう。
「それが……特別な操言士だから、って意味ですか」
特別な操言士だから、あの塔を目指す?
特別な操言士だから、あの塔に呼ばれた?
「特別な操言士って……紀更ちゃんって、何なんですか」
それに答えられる人間は、オリジーアにはいない。
「紀更自身が一番、その答えを知りたがっている。だから応援したのさ」
ジャスパーが穏やかな声でそう言うと、ヒルダは沈黙した。
「あたしゃちょいと違うよ。ひょろ坊に借りを作っておきたかったのさ。たまには恩を売っておかないと、あいつのいいようにされるだけだからね。ま、実際に手伝ってくれたのはヒルダ、あんただけどね」
ねぎらうような弥生の物言い。だがヒルダは複雑な気持ちだ。
経緯はどうあれ、紀更は塔を目指した道中で遭難した。今も安否は確認できていない。きっとたどり着けたのだろうと思われるが、無事にオリジーアへ戻ってこられる手段も保証もない。それなのに、ゼルヴァイスによる捜索は打ち切られるという。
「城主様と弥生ちゃんは、紀更ちゃんたちが生きていると……そう信じているんですか」
決して彼女たちを見捨てるわけではないのだと、そう言ってほしくてヒルダはすがるようにジャスパーと弥生を交互に見つめた。すると二人はニヤりと笑った。
「ああ、もちろんだ。塔がどういう場所なのかは知らんが、何か不思議な力に導かれたんだ、あいつらは。なら、そう簡単に死にやしねぇだろ」
「ひょろ坊もね、海に落ちたくらいでくたばりゃしないよ。あんたも守護部の操言士なら、守護部の操言士の意地の強さを信じな。誰よりも積極的に危ない場所に行って誰よりも国と国民を守る。それができるだけの強さを磨き続けているのが守護部だろぃ。あのひょろ坊は守護部の中でも折り紙付きの優秀な操言士だよ」
元守護部の操言士らしい弥生の言い方に、ヒルダは胸の中の不安が少し取り除かれた気がした。
いったい誰から役割を与えられたのか、それはわからない。だが自分がいたことで紀更が前に進む手助けができたのなら、それでいい。
そして紀更は――特別な操言士は、自らの道を進んでいく。
この世界の中で不思議な境遇を与えられた、自分と同い年の少女。
必ずまた会えると、ヒルダは強く信じることに決めた。
◆◇◆◇◆
陽が沈んでからも三回ほど怪魔スミエルの襲撃があり、その都度、六人全員で殲滅にあたった。少し油断した紀更の足がからまって甲板に崩れ落ちるというシーンがあったが、すかさず最美が紀更の身体を支え、海への落下は免れた。
陽が沈み、夜の海は不気味なほど真っ黒になる。何も知らずに外を見たら、自分たちは大きな穴の上にいるのではないかと錯覚するほどだ。幸いなことに月も星も出ているので時折波がきらめいて見え、そこに海水があること、ここが海上であることを確認させてくれる。
「王黎殿、念のため交代で見張りを立てよう」
まだ始海の塔の力がはたらいているのか、全員が集まれる食堂のような一室には気付けば夕食が用意されていた。ありがたくその食事をとりながら提案してきたのはエリックだ。
いま甲板には誰もいないが、王黎が操言の力で光の球体を作り出して浮かべ、怪魔避けにしている。王黎はその光球に少し言葉を追加して、怪魔が襲ってきたら音が出てすぐ気付けるように、仕掛けを施しておいた。
「ええ、男四人で回せば、まあ朝までもちますね」
「あの、私も」
男四人という言葉に自分と最美が入っていないことに気付き、紀更が遠慮がちに申し出る。だが王黎は紀更を一蹴した。
「紀更と最美はいいよ。ゆっくり寝てな。その代わり、もし真夜中に怪魔と戦闘になったら必ず起きて戦ってね」
「でも……」
「紀更、師匠の言うとおりにしておけ。体力の差を考えれば、男が夜通しの番をするのは当然だ」
食い下がる紀更を止めたのは、意外にもユルゲンだった。
傭兵である彼は、安全でないフィールドで過ごす夜の厳しさを知っている。このような場合は、それぞれが無理の範囲で最大限の力を出し合って守り合い、助け合う方がいいのだ。
「はい」
ユルゲンにまで強く言われては引き下がるしかない。紀更はしょぼんとした声で頷いた。そんな紀更を最美がフォローする。
「紀更様、怪魔が現れた時があなたの出番です。操言士は我が君と紀更様の二人しかいないのですから、肝心な時に寝不足だったり疲れたりしていては困るのです。わたくしたちの仕事は身体を休めること、そう思いましょう」
「はい」
最美の言うとおりだ。王都で普通の町娘として暮らしていた紀更には、騎士や傭兵のような体力はない。夜は眠くて当たり前だ。周囲を警戒して見張りをしながら真夜中に起きているのは無理だろう。
かくして男四人は見張りの順番を決めることにした。
「ジャスパー、ほかの連中はどうなんだい」
ヒルダの答えを聞いてから、弥生はジャスパーに尋ねた。
「実はな、ヒルダたちが戻ってから誰一人、あの塔が見えるという話をしてこない。ちょっと気になってしつこいくらいに確認を続けているが、誰一人だ」
「誰も見えない? 見えなくなった?」
ここ二ヶ月ほど、ヒルダの目には毎日必ずあの不思議な塔が見えていた。曇っていようが雨が降ろうが、昼だろうが夜だろうがいつだって。
それなのに、あの嵐の船旅から戻ってきて以降は一度も見えていない。紀更たちの捜索のために海に出た時も、そういえば塔は見えなかった。
(それに夢も……)
――塔へ行きたがっとる操言士がおるんよ。力になったってな。
ここ最近ずっと見ていた夢。あの塔に行きたがっている操言士の力になってくれと、正体不明の誰かから何度も何度も頼まれる夢。しかし塔と同じく、その夢も見なくなった。
――どんな理由であれ、船に乗って海へ出る人を守るのが操言士としてのあたしの仕事ですから。
――頼りにしてるよ。ごめんね、みくびって。
出発前、港で王黎と交わした会話がヒルダの頭の中によみがえる。
(もしかして、あたしの役目はもう終わったの?)
塔へ行きたがっている操言士、つまり紀更と王黎が乗る船に同船して、途中までではあるが二人を塔に送り届けること。それがヒルダの役割だった。そしてそれは無事に果たされた。紀更たちはきっと、塔にたどり着けたに違いない。だからもう、あの塔やあの夢を自分が見る必要はないのだろう。
「よし、わかった。弥生、ヒルダ、今日で捜索は打ち切りだ」
「えっ」
ジャスパーがそう言うと、ヒルダは食い下がった。
「待ってください、城主様! 紀更ちゃんたちを見捨てるってことですか!?」
「これ以上、船も人手もオレの勝手で動かすのはよくねぇからな」
「勝手……勝手なんかじゃないです!」
「いや、勝手なんだよ。あいつらが塔を目指すのを手助けしたこと。それは完全に、オレ個人の独断だ。なあ、エミール?」
「そうですね。各方面への協力依頼、任務発注の主はすべてジャスパー・ファンバーレ……ゼルヴァイス城城主です。すべて城主の意図するところ、となります」
息子でありながらどこか他人行儀に語るエミールを、ヒルダは複雑な表情で見つめた。
「弥生ちゃん、なんとかなりませんか!? 紀更ちゃんと王黎さんは操言士団の所属です! 操言士団がなんとか二人を」
「無理だね。というのも、あの二人はいま、ここゼルヴァイスの地で祈聖石を巡りながら修行している、ということになっている」
「なっている?」
「あの二人がおかしな塔を目指したなんて話は王都の操言士団の耳には入れていないのさ。ヒルダ、あんたは馬鹿じゃない。それがどういうことかわかるね?」
特別な操言士は、王都の操言士団にとって重要な存在、もとい厄介な存在だ。過去に例のない「後天的に操言の力を宿した操言士」ということで、紀更の取り扱いは何から何まで異例だ。紀更の動向は、常に操言士団が把握しておかなければならない。言い換えれば、紀更は常に操言士団の監視下にあるということだ。
普通に考えれば、謎の塔を目指すなどという旅程は操言士団からの許可が下りるはずがない。それなのに、紀更たちはジャスパーの協力のもと、塔へ向かった。ジャスパーと弥生は、そのことを王都の操言士団に対して黙っているのだ。
(勝手って、そういうことなの)
理由はわからないが、ジャスパーも弥生も、王都からの許可なく自分たちの采配で、紀更たちをあの塔へ行かせたのだ。そのことを王都の操言士団は知らない。ゆえに二人を捜索するために操言士団の力を借りることはできない。
ヒルダが船旅に同行する操言士として選ばれたのは、実力もだが察しの良さも見込んでのことだろう。あえて明確に弥生からは言われていないが、二人が不思議な塔を目指したことは他言無用が必至だ。
「じゃあ、どうして」
ヒルダはジャスパーに視線を向けた。
「王都が許可しないとわかっていて、なぜ紀更ちゃんたちを塔へ送り出したんですか。紀更ちゃんがあの塔へ行くことにどんな意味があるんですか」
毎日見える、不思議な塔。不思議な夢。
本当に存在しているのかどうか、不明確な建物。
そこへ行きたいという、特別な操言士紀更。
まだ見習いの彼女がわざわざそこを目指すのはなぜだろう。
「それが……特別な操言士だから、って意味ですか」
特別な操言士だから、あの塔を目指す?
特別な操言士だから、あの塔に呼ばれた?
「特別な操言士って……紀更ちゃんって、何なんですか」
それに答えられる人間は、オリジーアにはいない。
「紀更自身が一番、その答えを知りたがっている。だから応援したのさ」
ジャスパーが穏やかな声でそう言うと、ヒルダは沈黙した。
「あたしゃちょいと違うよ。ひょろ坊に借りを作っておきたかったのさ。たまには恩を売っておかないと、あいつのいいようにされるだけだからね。ま、実際に手伝ってくれたのはヒルダ、あんただけどね」
ねぎらうような弥生の物言い。だがヒルダは複雑な気持ちだ。
経緯はどうあれ、紀更は塔を目指した道中で遭難した。今も安否は確認できていない。きっとたどり着けたのだろうと思われるが、無事にオリジーアへ戻ってこられる手段も保証もない。それなのに、ゼルヴァイスによる捜索は打ち切られるという。
「城主様と弥生ちゃんは、紀更ちゃんたちが生きていると……そう信じているんですか」
決して彼女たちを見捨てるわけではないのだと、そう言ってほしくてヒルダはすがるようにジャスパーと弥生を交互に見つめた。すると二人はニヤりと笑った。
「ああ、もちろんだ。塔がどういう場所なのかは知らんが、何か不思議な力に導かれたんだ、あいつらは。なら、そう簡単に死にやしねぇだろ」
「ひょろ坊もね、海に落ちたくらいでくたばりゃしないよ。あんたも守護部の操言士なら、守護部の操言士の意地の強さを信じな。誰よりも積極的に危ない場所に行って誰よりも国と国民を守る。それができるだけの強さを磨き続けているのが守護部だろぃ。あのひょろ坊は守護部の中でも折り紙付きの優秀な操言士だよ」
元守護部の操言士らしい弥生の言い方に、ヒルダは胸の中の不安が少し取り除かれた気がした。
いったい誰から役割を与えられたのか、それはわからない。だが自分がいたことで紀更が前に進む手助けができたのなら、それでいい。
そして紀更は――特別な操言士は、自らの道を進んでいく。
この世界の中で不思議な境遇を与えられた、自分と同い年の少女。
必ずまた会えると、ヒルダは強く信じることに決めた。
◆◇◆◇◆
陽が沈んでからも三回ほど怪魔スミエルの襲撃があり、その都度、六人全員で殲滅にあたった。少し油断した紀更の足がからまって甲板に崩れ落ちるというシーンがあったが、すかさず最美が紀更の身体を支え、海への落下は免れた。
陽が沈み、夜の海は不気味なほど真っ黒になる。何も知らずに外を見たら、自分たちは大きな穴の上にいるのではないかと錯覚するほどだ。幸いなことに月も星も出ているので時折波がきらめいて見え、そこに海水があること、ここが海上であることを確認させてくれる。
「王黎殿、念のため交代で見張りを立てよう」
まだ始海の塔の力がはたらいているのか、全員が集まれる食堂のような一室には気付けば夕食が用意されていた。ありがたくその食事をとりながら提案してきたのはエリックだ。
いま甲板には誰もいないが、王黎が操言の力で光の球体を作り出して浮かべ、怪魔避けにしている。王黎はその光球に少し言葉を追加して、怪魔が襲ってきたら音が出てすぐ気付けるように、仕掛けを施しておいた。
「ええ、男四人で回せば、まあ朝までもちますね」
「あの、私も」
男四人という言葉に自分と最美が入っていないことに気付き、紀更が遠慮がちに申し出る。だが王黎は紀更を一蹴した。
「紀更と最美はいいよ。ゆっくり寝てな。その代わり、もし真夜中に怪魔と戦闘になったら必ず起きて戦ってね」
「でも……」
「紀更、師匠の言うとおりにしておけ。体力の差を考えれば、男が夜通しの番をするのは当然だ」
食い下がる紀更を止めたのは、意外にもユルゲンだった。
傭兵である彼は、安全でないフィールドで過ごす夜の厳しさを知っている。このような場合は、それぞれが無理の範囲で最大限の力を出し合って守り合い、助け合う方がいいのだ。
「はい」
ユルゲンにまで強く言われては引き下がるしかない。紀更はしょぼんとした声で頷いた。そんな紀更を最美がフォローする。
「紀更様、怪魔が現れた時があなたの出番です。操言士は我が君と紀更様の二人しかいないのですから、肝心な時に寝不足だったり疲れたりしていては困るのです。わたくしたちの仕事は身体を休めること、そう思いましょう」
「はい」
最美の言うとおりだ。王都で普通の町娘として暮らしていた紀更には、騎士や傭兵のような体力はない。夜は眠くて当たり前だ。周囲を警戒して見張りをしながら真夜中に起きているのは無理だろう。
かくして男四人は見張りの順番を決めることにした。
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