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花と恋
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恋をするのは乙女だけではない。
花があるのは乙女だけではない。
青春真っ盛りの男子高校生だって恋をする。そして恋をすれば、頭の中には花の一輪や二輪だって咲いてしまう。そしてその花が、時折妙な行動をうながすのだ。本人にとっては妙ではないのだけれども。
「ねえ、あなた。職員室へ来るように工藤先生に呼ばれていなかったかしら」
「そうだっけ?」
「帰りのホームルームでしっかり名前を呼ばれていたじゃない。どうしてそんなしれっと知らないふりができるの」
呆れた声でため息をついたのは、華道部所属の宮近花帆。彼女のしなやかで慎重な手付きで花鋏を入れられた花材は、パチンと音を立てて根本が切りそろえられた。
「工藤先生より、俺は花帆ちゃんが大事だからかなあ」
二重のたれ目をへにょりとゆるませてほほ笑むのは、花帆と同じクラスの高野克人。日中も隙あらば花帆にちょっかいをかける克人は、華道部が活動する日の放課後になると、花帆を追いかけるようにして華道部の部室まで押し掛ける。部室は普通の教室の半分ほどの部屋で残念ながら和室ではないが、長机に所狭しと花材を並べ、椅子に座ったり時には立ったりして作品を作れる場所だ。
克人は空いている椅子を持ってきて花帆の目の前に座り、花帆が花を生ける姿を観察する。好きな女子を堂々と目の前から見つめられるこの時間は、克人にとって至福のひと時だ。
「鬱陶しいの一言に尽きるわね」
「そういう塩対応が、不思議と俺の心にグイグイ刺さるんだよねえ。あ、もちろんいい意味でね。ラブな意味でね」
華道部の部員は人数が少ない。一年生から三年生までどの学年にも部員がいるが、あまりにも人数が少ないうえに、花帆のように決まった部活動の時間にきちっと活動をする部員の方が少数だった。そのおかげで、部活動がある日でも部員の少ない華道部の部室に来れば、花帆を独占できる。その味を占めた克人は、華道部の部員でもないのに毎週のようにこの部室へ顔を出していた。
「花帆先輩、こんにちは!」
「こんにちは、倉持さん」
「今日の主材は菊ですか」
「ええ、顧問の本田先生から今週にいい菊が届くわよって聞いていて、楽しみにしていたの」
遅れてやってきた後輩の倉持莉々に、花帆は楽しそうに答えた。莉々は小さな空き机の上にスクールバッグを置くと、花帆が使っていない方の長机の上に花材を並べ出して、自分も作品作りに取り掛かる。
華道部なんて地味、と小馬鹿にする女子もいるが、花帆は小さい頃から花が好きで、花や葉と向き合う華道の存在を知ってからはずっと続けているのだという。
(花帆ちゃんって名前のとおり、ほんとかわいいなあ)
クラスでの花帆は、確かに地味な方だ。良い意味でも悪い意味でも目立つわけではない。ただ、花に関する話題になるととたんに頬がゆるみ、わかりやすいほどに表情が生き生きとして、声にも張りが出てくる。普段の物静かで少しとっつきにくい印象とのギャップを知ってから、克人の視線はいつだって花帆を追うようになってしまった。
「花に群がる虫の気持ちがわかる」
「高野先輩、今日も気持ち悪いですね」
「うるさいぞ、倉持ちゃん。俺はほんとに花帆ちゃんが好きなの。ね、花帆ちゃん。俺と付き合お?」
花帆の次に真面目な部員である一年生の莉々は、部員ではないのに部活のたびにしょっちゅう顔を出す克人にすっかり慣れている。その莉々と軽口をたたける仲になるほどに、克人は華道部に入り浸っているのだ。しかし、それほどまでに毎週ここへ来ても、「花帆を口説き落として付き合う」という目的はいまだに達成されていない。
「俺、わりと真面目に言ってるんだよ?」
「本当に真面目なら、〝わりと〟なんて曖昧にしないと思うわ」
「じゃあ、ほんとに真面目。俺、真面目に花帆ちゃんが好き。花帆ちゃんと付き合いたい。土日とかに一緒に映画を見に行ったり、一緒に花屋さんに行ったりしよ? 俺、花のことはわからないけど、嬉しそうに花を見てる花帆ちゃんを見てるから」
「それ、一緒にいる意味がありますか」
莉々が苦笑すると克人は真面目に頷いた。
「ある。俺は花帆ちゃんの傍で花帆ちゃんが嬉しかったり楽しかったり、そういう風に笑ってるのを見てるだけでも幸せだから。あ、もちろん教室で話すのとか、こうして放課後に一緒にいられるのも幸せ」
「花帆先輩、高野先輩ってば本気みたいですよ」
「鬱陶しいの一言に尽きるわね」
「花帆ちゃん、一字一句同じ言葉で断らないで! せめてもうちょっと言葉を変えて!」
大げさに嘆く反応を見せる克人の方を見向きもせずに、花帆は菊の花を剣山のどの位置に留めるべきか思案している。こちらをまったく見ないそんな花帆を見つめながら克人は思った。
(あーあ……これ、本当に俺の気持ち、軽いものだって思われてるのかなあ。諦める気にはならないけど、これ以上どうアプローチしたらいいのかわかんねえ)
克人はごくごく普通の男子高校生だと自認している。成績や運動神経が特別優良なわけではないが、顏はそこそこ悪くないし、流行りの音楽を聴いて動画を見て、服も髪型もそこそこ気を遣っている。「ダサい男子とは付き合いたくない」という理由で振られる可能性は万が一にもないと自負しているが、どうすれば花帆と付き合えるのか、次のアピールの手が浮かばない。
「俺、こんなに真剣なのに」
「そう、ありがとう」
「全然そう思ってないよね、花帆ちゃん」
恋がそうそううまくいくものでないことは、一応わかっているつもりだ。
花を好きなとても女の子らしい彼女のことは、本当に諦めるしかないのだろうか。
「これをあげるから、少し静かにしててちょうだい」
その時、花帆は脇に用意しておいた花の中から、一輪の菊を手に取って克人に差し出した。瑞々しい赤を放つ菊は、もうあと少しで満開になる状態のようだ。
その菊の茎を持った克人は、くるりと茎を回した。ゆっくりと回転する菊の花弁は密度が高くふわふわとしていて、やわらかそうに見える。
克人は少しでも花帆の心証を上げるために、言われたとおりしばらくの間おとなしくしていた。花と葉を見つめる花帆は時折悩ましげな表情になったかと思うと、いい組み合わせか配置が思い浮かんだのか、剣山に埋め込む寸前の花を手に持ったまま様々な角度から作品全体を見つめては楽しそうに花を生けていく。言葉はなくとも、豊かなその視線の中に花帆の無邪気さが見て取れた。
(ほんと……かわいいなあ)
こうして部活動の時間のたびに押しかけてちょっかいをかけるのは、確かに鬱陶しいだろう。ほかの人が見れば、おかしな行動に見えるかもしれない。でも構わない。だって目の間にいるこのかわいい子をどうしても手に入れたくて、必死なんだ。恋をすれば不格好でも不器用でも、それでも懸命になるのは誰だって同じだろう。
「俺、帰るね」
もしかして少しは残念がってくれないだろうか。克人はそう期待して宣言してみるものの、花帆からの返事は特にない。部活の時間が終わるまで待って、駅まで花帆と一緒に帰りたいとも思ったが、花帆はきっと莉々と一緒に帰るだろう。
克人は赤い菊を片手に華道部の部室を後にした。担任に呼び出されている件は忘れたことにしてすっぽかしていいだろうか、とぼんやりと考えながら覇気のない足取りで廊下を歩く。諦めたいわけではないのだが、もうそろそろいい加減に諦めなければならないのではないかと弱気な自分が胸の奥で泣き叫び、締め付けられるような寂しさに襲われた。
「あの、高野先輩」
「ん?」
華道部の部室を出て階段を下りていた克人の背中に声がかかる。気だるげに背後を振り向くと、そこには莉々が立っていた。
「えっと……花帆先輩、口ではああ言ってますけど、高野先輩の気持ち、ちゃんと届いていると思うんです」
「ええ~そうかなあ。ごめんね、余計な気遣いをさせちゃって」
「そうじゃなくて」
自信なさげに苦笑する克人に、莉々ははっきりと言った。
「その赤い菊の花言葉を調べてみてください。花帆先輩、きっとわかっていて、それを渡したと思うんです」
「花言葉?」
莉々に言われた克人は、ズボンのポケットに入れっぱなしのスマートフォンを取り出した。そしてすぐさま「赤い菊 花言葉」で検索をしてその意味を調べる。
「うそ……マジで?」
「花帆先輩は誰よりもお花が好きです。いろんなお花の育て方も生け方も、それに花言葉だって全部わかってるはずです。それに、高野先輩にお花をあげたの、それが初めてなんじゃないですか。つまり、それが花帆先輩から高野先輩への気持ちなんだと思います」
どこか嬉しそうに言い切ると、莉々はぺこりと頭を下げて部室へと踵を返した。
(花帆ちゃん、ほんとに? え、これ……いいの? そういう意味で受け取っていいの? 俺、本気にしちゃうけど)
菊を手にしたまま、克人は階段の途中でしばらくにやけていた。
恋をする乙女は愛らしい。そして恋をする男子高校生はほほ笑ましい。頭の中は花が咲いたように華々しくて、つい口元がゆるんで笑みを浮かべてしまう。
克人はスキップしたいほど浮かれた気持ちで帰宅し、明日以降どんな顔で花帆に話しかけたらいいのか、そればかりをぐるぐると考えてひどい寝不足になった。
花があるのは乙女だけではない。
青春真っ盛りの男子高校生だって恋をする。そして恋をすれば、頭の中には花の一輪や二輪だって咲いてしまう。そしてその花が、時折妙な行動をうながすのだ。本人にとっては妙ではないのだけれども。
「ねえ、あなた。職員室へ来るように工藤先生に呼ばれていなかったかしら」
「そうだっけ?」
「帰りのホームルームでしっかり名前を呼ばれていたじゃない。どうしてそんなしれっと知らないふりができるの」
呆れた声でため息をついたのは、華道部所属の宮近花帆。彼女のしなやかで慎重な手付きで花鋏を入れられた花材は、パチンと音を立てて根本が切りそろえられた。
「工藤先生より、俺は花帆ちゃんが大事だからかなあ」
二重のたれ目をへにょりとゆるませてほほ笑むのは、花帆と同じクラスの高野克人。日中も隙あらば花帆にちょっかいをかける克人は、華道部が活動する日の放課後になると、花帆を追いかけるようにして華道部の部室まで押し掛ける。部室は普通の教室の半分ほどの部屋で残念ながら和室ではないが、長机に所狭しと花材を並べ、椅子に座ったり時には立ったりして作品を作れる場所だ。
克人は空いている椅子を持ってきて花帆の目の前に座り、花帆が花を生ける姿を観察する。好きな女子を堂々と目の前から見つめられるこの時間は、克人にとって至福のひと時だ。
「鬱陶しいの一言に尽きるわね」
「そういう塩対応が、不思議と俺の心にグイグイ刺さるんだよねえ。あ、もちろんいい意味でね。ラブな意味でね」
華道部の部員は人数が少ない。一年生から三年生までどの学年にも部員がいるが、あまりにも人数が少ないうえに、花帆のように決まった部活動の時間にきちっと活動をする部員の方が少数だった。そのおかげで、部活動がある日でも部員の少ない華道部の部室に来れば、花帆を独占できる。その味を占めた克人は、華道部の部員でもないのに毎週のようにこの部室へ顔を出していた。
「花帆先輩、こんにちは!」
「こんにちは、倉持さん」
「今日の主材は菊ですか」
「ええ、顧問の本田先生から今週にいい菊が届くわよって聞いていて、楽しみにしていたの」
遅れてやってきた後輩の倉持莉々に、花帆は楽しそうに答えた。莉々は小さな空き机の上にスクールバッグを置くと、花帆が使っていない方の長机の上に花材を並べ出して、自分も作品作りに取り掛かる。
華道部なんて地味、と小馬鹿にする女子もいるが、花帆は小さい頃から花が好きで、花や葉と向き合う華道の存在を知ってからはずっと続けているのだという。
(花帆ちゃんって名前のとおり、ほんとかわいいなあ)
クラスでの花帆は、確かに地味な方だ。良い意味でも悪い意味でも目立つわけではない。ただ、花に関する話題になるととたんに頬がゆるみ、わかりやすいほどに表情が生き生きとして、声にも張りが出てくる。普段の物静かで少しとっつきにくい印象とのギャップを知ってから、克人の視線はいつだって花帆を追うようになってしまった。
「花に群がる虫の気持ちがわかる」
「高野先輩、今日も気持ち悪いですね」
「うるさいぞ、倉持ちゃん。俺はほんとに花帆ちゃんが好きなの。ね、花帆ちゃん。俺と付き合お?」
花帆の次に真面目な部員である一年生の莉々は、部員ではないのに部活のたびにしょっちゅう顔を出す克人にすっかり慣れている。その莉々と軽口をたたける仲になるほどに、克人は華道部に入り浸っているのだ。しかし、それほどまでに毎週ここへ来ても、「花帆を口説き落として付き合う」という目的はいまだに達成されていない。
「俺、わりと真面目に言ってるんだよ?」
「本当に真面目なら、〝わりと〟なんて曖昧にしないと思うわ」
「じゃあ、ほんとに真面目。俺、真面目に花帆ちゃんが好き。花帆ちゃんと付き合いたい。土日とかに一緒に映画を見に行ったり、一緒に花屋さんに行ったりしよ? 俺、花のことはわからないけど、嬉しそうに花を見てる花帆ちゃんを見てるから」
「それ、一緒にいる意味がありますか」
莉々が苦笑すると克人は真面目に頷いた。
「ある。俺は花帆ちゃんの傍で花帆ちゃんが嬉しかったり楽しかったり、そういう風に笑ってるのを見てるだけでも幸せだから。あ、もちろん教室で話すのとか、こうして放課後に一緒にいられるのも幸せ」
「花帆先輩、高野先輩ってば本気みたいですよ」
「鬱陶しいの一言に尽きるわね」
「花帆ちゃん、一字一句同じ言葉で断らないで! せめてもうちょっと言葉を変えて!」
大げさに嘆く反応を見せる克人の方を見向きもせずに、花帆は菊の花を剣山のどの位置に留めるべきか思案している。こちらをまったく見ないそんな花帆を見つめながら克人は思った。
(あーあ……これ、本当に俺の気持ち、軽いものだって思われてるのかなあ。諦める気にはならないけど、これ以上どうアプローチしたらいいのかわかんねえ)
克人はごくごく普通の男子高校生だと自認している。成績や運動神経が特別優良なわけではないが、顏はそこそこ悪くないし、流行りの音楽を聴いて動画を見て、服も髪型もそこそこ気を遣っている。「ダサい男子とは付き合いたくない」という理由で振られる可能性は万が一にもないと自負しているが、どうすれば花帆と付き合えるのか、次のアピールの手が浮かばない。
「俺、こんなに真剣なのに」
「そう、ありがとう」
「全然そう思ってないよね、花帆ちゃん」
恋がそうそううまくいくものでないことは、一応わかっているつもりだ。
花を好きなとても女の子らしい彼女のことは、本当に諦めるしかないのだろうか。
「これをあげるから、少し静かにしててちょうだい」
その時、花帆は脇に用意しておいた花の中から、一輪の菊を手に取って克人に差し出した。瑞々しい赤を放つ菊は、もうあと少しで満開になる状態のようだ。
その菊の茎を持った克人は、くるりと茎を回した。ゆっくりと回転する菊の花弁は密度が高くふわふわとしていて、やわらかそうに見える。
克人は少しでも花帆の心証を上げるために、言われたとおりしばらくの間おとなしくしていた。花と葉を見つめる花帆は時折悩ましげな表情になったかと思うと、いい組み合わせか配置が思い浮かんだのか、剣山に埋め込む寸前の花を手に持ったまま様々な角度から作品全体を見つめては楽しそうに花を生けていく。言葉はなくとも、豊かなその視線の中に花帆の無邪気さが見て取れた。
(ほんと……かわいいなあ)
こうして部活動の時間のたびに押しかけてちょっかいをかけるのは、確かに鬱陶しいだろう。ほかの人が見れば、おかしな行動に見えるかもしれない。でも構わない。だって目の間にいるこのかわいい子をどうしても手に入れたくて、必死なんだ。恋をすれば不格好でも不器用でも、それでも懸命になるのは誰だって同じだろう。
「俺、帰るね」
もしかして少しは残念がってくれないだろうか。克人はそう期待して宣言してみるものの、花帆からの返事は特にない。部活の時間が終わるまで待って、駅まで花帆と一緒に帰りたいとも思ったが、花帆はきっと莉々と一緒に帰るだろう。
克人は赤い菊を片手に華道部の部室を後にした。担任に呼び出されている件は忘れたことにしてすっぽかしていいだろうか、とぼんやりと考えながら覇気のない足取りで廊下を歩く。諦めたいわけではないのだが、もうそろそろいい加減に諦めなければならないのではないかと弱気な自分が胸の奥で泣き叫び、締め付けられるような寂しさに襲われた。
「あの、高野先輩」
「ん?」
華道部の部室を出て階段を下りていた克人の背中に声がかかる。気だるげに背後を振り向くと、そこには莉々が立っていた。
「えっと……花帆先輩、口ではああ言ってますけど、高野先輩の気持ち、ちゃんと届いていると思うんです」
「ええ~そうかなあ。ごめんね、余計な気遣いをさせちゃって」
「そうじゃなくて」
自信なさげに苦笑する克人に、莉々ははっきりと言った。
「その赤い菊の花言葉を調べてみてください。花帆先輩、きっとわかっていて、それを渡したと思うんです」
「花言葉?」
莉々に言われた克人は、ズボンのポケットに入れっぱなしのスマートフォンを取り出した。そしてすぐさま「赤い菊 花言葉」で検索をしてその意味を調べる。
「うそ……マジで?」
「花帆先輩は誰よりもお花が好きです。いろんなお花の育て方も生け方も、それに花言葉だって全部わかってるはずです。それに、高野先輩にお花をあげたの、それが初めてなんじゃないですか。つまり、それが花帆先輩から高野先輩への気持ちなんだと思います」
どこか嬉しそうに言い切ると、莉々はぺこりと頭を下げて部室へと踵を返した。
(花帆ちゃん、ほんとに? え、これ……いいの? そういう意味で受け取っていいの? 俺、本気にしちゃうけど)
菊を手にしたまま、克人は階段の途中でしばらくにやけていた。
恋をする乙女は愛らしい。そして恋をする男子高校生はほほ笑ましい。頭の中は花が咲いたように華々しくて、つい口元がゆるんで笑みを浮かべてしまう。
克人はスキップしたいほど浮かれた気持ちで帰宅し、明日以降どんな顔で花帆に話しかけたらいいのか、そればかりをぐるぐると考えてひどい寝不足になった。
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