4 / 9
ファンタジーは面白い奴だけでいい 3
しおりを挟む
俺は何度も分からない事を松山に聞いて、さらにその返答が共通のものなのかを森永さんに確認し、頼り無い俺の人生経験と今話にあった事の類似点を信じる事でようやく覚悟を決めた。
「俺、このバイト受けるよ」
「本当かい?ありがとう、じゃあお金の話しようか?」
「現実的過ぎませんか?その切り返し」
「仕事である以上、お金は付きまとうものだ、それに命がけということもある。はっきりした内容で君を少しでも安心させておきたいんだよ。」
「はぁ…分かりました。」
「一応月末に払うことにしているけど、週払いがいいなら切り替えるようにするよ。どっちがいいかな?」
「月末でいいです」
「そうか。じゃあ次に、これはもう固定なんだけどね、うちは手渡しで給料を払うシステムを取ってるからそのつもりでよろしく。」
「え?」
「この組織全体のことなんだけどさ、人の入れ替えが激しくて口座に振り込んだりとかするとなると面倒なんだよね。だから1つずつ仕事終わらせるごとに精算はするようにしているから。」
「分かりました。」
「他に質問はある?」
「ないです、今のところは。」
「あ!」
「どうしたんだね、森永君?」
「あの、霧島さんて殺人した事無いですよね?」
「人を怒らせたいんですか?」
俺はキレそうなところを引きつった笑みで踏み止まり、ツっこんだ。次は我慢ならない、もし俺が俺tueee系主人公だったら片腕が大砲になって気がついたら青ヘルメット着用で「ロックバスター!!」なんてイキってたかもしれないだろうが、気をつけろよな。
「ああ、そういえば、まだフィルターをどうするか考えてなかったね。これは一部の人に対する処置でさ、ショッキングな場面に遭遇した場合、パニックになって行動不能にならないようにするために流血やはらわたビヨーンなどを本人に認知させないよう視界にフィルターのような感じでパニックを防止しているんだよね。どう?フィルターかけたほうがいいかな?」
「ちょっとそれじゃ分かりづらいです。」
「例えば牛乳が嫌いな人は砂糖を入れて飲んだりすると飲みやすくなって受け入れられるじゃ無いですか?そんな感じです。」
「例えが牛乳過ぎて分かりません」
「例えば君が冒険者を殺そうとするとしよう。その際ナイフや毒を使うと思うんだけど、その…結構きついものがあるんだよ、平和なこの日本で育った君はさらにきつくなると思う。真っ赤な血が見たこともないくらいに広がって君はブルブル間違いなしだ。いや何、臆病な奴だと言っているわけじゃない、私はこの仕事をするにあたって、できるだけシリアスを省くことで心の安定を保つことがこの仕事を長く続けるコツだと思うんだ。そのために神官に神と交渉してもらい、フィルターのように、実際の生々しい惨劇をある程度抑えてショックを軽減させるような見え方になるように細工してある。このゲートをくぐるとフィルターも効くから特別な事は書類を少々書いてもらう程度だから。よろしこ!」
「もっと具体的に言ってください」
「だから牛乳はね」
「牛乳は今は要らない、松山さんお願いします」
「例えば君がミミズが苦手だったとしよう、そしてそれが君の精神にダメージを与えるようなショッキングな映像だと君の脳が受け止め方をした場合、フィルターをかけておくと君の目にはミミズは…あら不思議!動くキャンディケインに見えるのだぁ!」
「ヌルヌル感は感じないと思いますよ、視覚的にはですけど。」
「このフィルター機能を導入したら辞職率が下がってると神官も言ってたくらいだ、安心して殺したまえ。」
「物騒ですけど、あの、死体はどのように見えるのですか。」
「そうそう、そこなんだよ。この書類に好きな表示方法を書いて欲しいわけ。遠くの敵を何らかの手段で殺害した時、変なエフェクトだと死んでるか分かんなくて逆に殺されたことがあるから、わかりやすい表示で頼むよ」
渡された紙には俺がフィルターを使うことを申請する堅い感じの文章と、大きな空欄に説明で、貴方の受け入れやすい人物殺害完了表示を提示して下さいみたいなことが書いてある。あの説明ではイマイチだったが俺もトラウマで人と向き合えなくなるのはごめんなので申請欄に希望するに丸をして、殺害完了表示には吹き出しがピュっと出てきてdeadと出てきてくれ、内臓にはモザイクお願いしますと書いた。
「書けました、お願いします」
「うん、ありがとう。3日には申請完了だから初陣には間に合うよ。」
「いつからですか?」
「1週間後かな、それまでは顔出さなくて大丈夫だからそのつもりでいいよ。」
「分からないことがあったら聞きに来ます」
「ああ、そうしてくれ。電話でもいい、何でも答えられる範囲の事なら教えるよ。」
そして松山は俺に右手を差し出してきた。契約の握手ってやつだ。
「よろしく、霧島くん。未来は君にかかっているぞよ」
普通に言えよ
「よ、よろしくお願いします」
こうして、僕は殺人稼業に手を出すような輩になりました。
俺は来たる日の為に体を鍛えることにした。芸人だってアスリートだって登山家だって体が資本なんだというじゃないか。ならば命のやり取りをする俺は体を武器にするつもりで鍛えなければダメだ、と思う。
「1018、1019…1020!」俺は腹筋を鍛えることにした。なんか腹筋鍛えておけば何とかなると思ってる。だって強いやつみんな割れてんじゃんかぁ。
だからぁ、まぁ大袈裟にいえばぁ、服ペラってめくってさ、この腹筋が目に入らんかってやったら雑魚くらいは恐れて逃げてくれるんじゃないかな、て期待してます、はい。
だが、1週間でバッキバキのスーパーシェクシャルバデェになるとは思っていない、正直何かしておかないと不安で居ても立っても居られないのだ。
「もうお母さんの顔、みられないな」
100万で異世界で人殺し…高いのか安いのか分からんな。
1週間後、俺はあの事務所に向かった。
「おはようございます」
事務所に入り、誰かいないかと牽制代わりに挨拶をしたのだが、返事が無い。
俺はしばらく突っ立っていたのだが、誰も玄関に来ないので中に入ることにした。
「失礼します」
「はーい、どうぞ」
「おるやないか!」
返事しろよ、気分悪いぞチクショウがよ。
「おお、おはよう霧島くん。ご機嫌いかがかな」
「気持ちがいい朝ですねと言ったら貴方はうれしいですか?」
「少なくとも君と会話のキャッチボールはできることに私は充実感を味わうことができる。まぁ、座りなさい。」
言われるがままに俺は席につく。
「はい、朝の分です」
「牛乳!?」
すかさず森永さんが牛乳をジョッキ一杯差し出してくる。更に今日はビスコを皿に盛ってきてくれた。牛乳だけではきつい、そう思ったのだろうか。なら量から考えてくれないだろうか、ジョッキはきついよ。
「大きくなれないぞ」
うるさいな、成長期は終わったんだよ、ちょっとキャリアがあると姉キャラぶるんだから困るわ社会人女子、乙!
「今日から仕事に取り掛かってもらうよ、準備はいいかな霧嶋君?」
「着替えとかはいらないんですよね?」
「君がパジャマじゃなきゃ眠れないとか、違う枕だと調子出ないよぉとかなら準備したほうがいいよ」
「ちゃかさないでください。」
「着替えとかは異世界で霧嶋君が装う設定に基づいたものを用意してあるからそれで大丈夫だよ。」
「ならあそこにある装備品を装着した後、すぐ転移してもらいましょうか?」
「そうしようかな」
「では霧島さん、こちらの机に来てください」
「わかりました」
俺は森永さんに案内された机の前に行くと、この間説明を受けたデタラメな品々が並べられていた。その品はいくつかの入れ物にまとめるようでその確認を俺とすることが彼女の目的らしい。
「検品作業は終了したので、装備していいですよ。」
すまない、俺としたことがぼーっとしておりました。目の前には、あら不思議だこと、先程まであった道具の数々が3つの革製の袋にまとめてあるじゃあーりませんかぁ、さぷらーいず。
どうしよう、みてなかったからどの袋に何が入ってあるからわからないぉ。いや、1個は、無線機的なあれでしょ、で次は…きびだんごとかビニールシートでしょわかりますぅ。
俺はせくせくと袋にベルトを通して装備した。自前の服とベルトを使うなんて俺、有能。
「出来ましたよ。」
「じゃあ、いってみようか」
「え」
すでにプロジェクターが例の魔法陣をスクリーンに映し出していて俺待ちだったようだ。2メートル程の正方形のスクリーンに映し出された直径1.5メートル程の魔法陣とおぼしきそれはキラキラと色を止めることなく輝いてスピリチュアル全開だ。これに飛び込むのか?俺が?
今更になってまた馬鹿馬鹿しくなってきた、悪い大人にだまされてるじゃないか?出し子や受け子やらされた方がまだ現実味があるとゆうのに飛躍しすぎだよ高杉くん、誰だよたかすぎくん。わからない人は携帯スペース、シーエムで検索だ!
「いけ!世界を救えるのは君だけだ、青年!」
「松山さん…ここにきてそれですか」
「いっけー!!」
「森永さんまで…」
うなだれそうな気持ちに拍車をかけるような2人の送り出しに俺は返って火がついた。
足取り軽く、タンタンタン、それで済む。正面に立った、誰?俺が。
白基調のオフィススペースにちぐはぐな理由を抱えた図形1つ前に大人が3人、マジな目をして向き合ってる。明るい時間から冗談にしても下手なものだ。それなら誰かが抜けださなきゃだよな。だろ、そうだよな。
捨て台詞は決まってる。俺は2人の前に出て振り返ることもなく。
「輪をくぐるのに、ドラムロールがないのは残念だよ。」
そういって走った。恥ずかしいこと半分、もう半分は光るそいつはスクリーンの都合上、70センチ程高さがあるからだ。勢いがないと、跳べない、というかかっこ悪すぎる!!
タンッと音とともに俺は水に飛び込むように手を前に揃えて前傾姿勢で真ん中めがけて突っ込んだ。
オパールのように光り輝く魔法陣はなんの触覚も無く、俺を飲み込んでいった。
これが俺の初めての異世界転移だ。
「俺、このバイト受けるよ」
「本当かい?ありがとう、じゃあお金の話しようか?」
「現実的過ぎませんか?その切り返し」
「仕事である以上、お金は付きまとうものだ、それに命がけということもある。はっきりした内容で君を少しでも安心させておきたいんだよ。」
「はぁ…分かりました。」
「一応月末に払うことにしているけど、週払いがいいなら切り替えるようにするよ。どっちがいいかな?」
「月末でいいです」
「そうか。じゃあ次に、これはもう固定なんだけどね、うちは手渡しで給料を払うシステムを取ってるからそのつもりでよろしく。」
「え?」
「この組織全体のことなんだけどさ、人の入れ替えが激しくて口座に振り込んだりとかするとなると面倒なんだよね。だから1つずつ仕事終わらせるごとに精算はするようにしているから。」
「分かりました。」
「他に質問はある?」
「ないです、今のところは。」
「あ!」
「どうしたんだね、森永君?」
「あの、霧島さんて殺人した事無いですよね?」
「人を怒らせたいんですか?」
俺はキレそうなところを引きつった笑みで踏み止まり、ツっこんだ。次は我慢ならない、もし俺が俺tueee系主人公だったら片腕が大砲になって気がついたら青ヘルメット着用で「ロックバスター!!」なんてイキってたかもしれないだろうが、気をつけろよな。
「ああ、そういえば、まだフィルターをどうするか考えてなかったね。これは一部の人に対する処置でさ、ショッキングな場面に遭遇した場合、パニックになって行動不能にならないようにするために流血やはらわたビヨーンなどを本人に認知させないよう視界にフィルターのような感じでパニックを防止しているんだよね。どう?フィルターかけたほうがいいかな?」
「ちょっとそれじゃ分かりづらいです。」
「例えば牛乳が嫌いな人は砂糖を入れて飲んだりすると飲みやすくなって受け入れられるじゃ無いですか?そんな感じです。」
「例えが牛乳過ぎて分かりません」
「例えば君が冒険者を殺そうとするとしよう。その際ナイフや毒を使うと思うんだけど、その…結構きついものがあるんだよ、平和なこの日本で育った君はさらにきつくなると思う。真っ赤な血が見たこともないくらいに広がって君はブルブル間違いなしだ。いや何、臆病な奴だと言っているわけじゃない、私はこの仕事をするにあたって、できるだけシリアスを省くことで心の安定を保つことがこの仕事を長く続けるコツだと思うんだ。そのために神官に神と交渉してもらい、フィルターのように、実際の生々しい惨劇をある程度抑えてショックを軽減させるような見え方になるように細工してある。このゲートをくぐるとフィルターも効くから特別な事は書類を少々書いてもらう程度だから。よろしこ!」
「もっと具体的に言ってください」
「だから牛乳はね」
「牛乳は今は要らない、松山さんお願いします」
「例えば君がミミズが苦手だったとしよう、そしてそれが君の精神にダメージを与えるようなショッキングな映像だと君の脳が受け止め方をした場合、フィルターをかけておくと君の目にはミミズは…あら不思議!動くキャンディケインに見えるのだぁ!」
「ヌルヌル感は感じないと思いますよ、視覚的にはですけど。」
「このフィルター機能を導入したら辞職率が下がってると神官も言ってたくらいだ、安心して殺したまえ。」
「物騒ですけど、あの、死体はどのように見えるのですか。」
「そうそう、そこなんだよ。この書類に好きな表示方法を書いて欲しいわけ。遠くの敵を何らかの手段で殺害した時、変なエフェクトだと死んでるか分かんなくて逆に殺されたことがあるから、わかりやすい表示で頼むよ」
渡された紙には俺がフィルターを使うことを申請する堅い感じの文章と、大きな空欄に説明で、貴方の受け入れやすい人物殺害完了表示を提示して下さいみたいなことが書いてある。あの説明ではイマイチだったが俺もトラウマで人と向き合えなくなるのはごめんなので申請欄に希望するに丸をして、殺害完了表示には吹き出しがピュっと出てきてdeadと出てきてくれ、内臓にはモザイクお願いしますと書いた。
「書けました、お願いします」
「うん、ありがとう。3日には申請完了だから初陣には間に合うよ。」
「いつからですか?」
「1週間後かな、それまでは顔出さなくて大丈夫だからそのつもりでいいよ。」
「分からないことがあったら聞きに来ます」
「ああ、そうしてくれ。電話でもいい、何でも答えられる範囲の事なら教えるよ。」
そして松山は俺に右手を差し出してきた。契約の握手ってやつだ。
「よろしく、霧島くん。未来は君にかかっているぞよ」
普通に言えよ
「よ、よろしくお願いします」
こうして、僕は殺人稼業に手を出すような輩になりました。
俺は来たる日の為に体を鍛えることにした。芸人だってアスリートだって登山家だって体が資本なんだというじゃないか。ならば命のやり取りをする俺は体を武器にするつもりで鍛えなければダメだ、と思う。
「1018、1019…1020!」俺は腹筋を鍛えることにした。なんか腹筋鍛えておけば何とかなると思ってる。だって強いやつみんな割れてんじゃんかぁ。
だからぁ、まぁ大袈裟にいえばぁ、服ペラってめくってさ、この腹筋が目に入らんかってやったら雑魚くらいは恐れて逃げてくれるんじゃないかな、て期待してます、はい。
だが、1週間でバッキバキのスーパーシェクシャルバデェになるとは思っていない、正直何かしておかないと不安で居ても立っても居られないのだ。
「もうお母さんの顔、みられないな」
100万で異世界で人殺し…高いのか安いのか分からんな。
1週間後、俺はあの事務所に向かった。
「おはようございます」
事務所に入り、誰かいないかと牽制代わりに挨拶をしたのだが、返事が無い。
俺はしばらく突っ立っていたのだが、誰も玄関に来ないので中に入ることにした。
「失礼します」
「はーい、どうぞ」
「おるやないか!」
返事しろよ、気分悪いぞチクショウがよ。
「おお、おはよう霧島くん。ご機嫌いかがかな」
「気持ちがいい朝ですねと言ったら貴方はうれしいですか?」
「少なくとも君と会話のキャッチボールはできることに私は充実感を味わうことができる。まぁ、座りなさい。」
言われるがままに俺は席につく。
「はい、朝の分です」
「牛乳!?」
すかさず森永さんが牛乳をジョッキ一杯差し出してくる。更に今日はビスコを皿に盛ってきてくれた。牛乳だけではきつい、そう思ったのだろうか。なら量から考えてくれないだろうか、ジョッキはきついよ。
「大きくなれないぞ」
うるさいな、成長期は終わったんだよ、ちょっとキャリアがあると姉キャラぶるんだから困るわ社会人女子、乙!
「今日から仕事に取り掛かってもらうよ、準備はいいかな霧嶋君?」
「着替えとかはいらないんですよね?」
「君がパジャマじゃなきゃ眠れないとか、違う枕だと調子出ないよぉとかなら準備したほうがいいよ」
「ちゃかさないでください。」
「着替えとかは異世界で霧嶋君が装う設定に基づいたものを用意してあるからそれで大丈夫だよ。」
「ならあそこにある装備品を装着した後、すぐ転移してもらいましょうか?」
「そうしようかな」
「では霧島さん、こちらの机に来てください」
「わかりました」
俺は森永さんに案内された机の前に行くと、この間説明を受けたデタラメな品々が並べられていた。その品はいくつかの入れ物にまとめるようでその確認を俺とすることが彼女の目的らしい。
「検品作業は終了したので、装備していいですよ。」
すまない、俺としたことがぼーっとしておりました。目の前には、あら不思議だこと、先程まであった道具の数々が3つの革製の袋にまとめてあるじゃあーりませんかぁ、さぷらーいず。
どうしよう、みてなかったからどの袋に何が入ってあるからわからないぉ。いや、1個は、無線機的なあれでしょ、で次は…きびだんごとかビニールシートでしょわかりますぅ。
俺はせくせくと袋にベルトを通して装備した。自前の服とベルトを使うなんて俺、有能。
「出来ましたよ。」
「じゃあ、いってみようか」
「え」
すでにプロジェクターが例の魔法陣をスクリーンに映し出していて俺待ちだったようだ。2メートル程の正方形のスクリーンに映し出された直径1.5メートル程の魔法陣とおぼしきそれはキラキラと色を止めることなく輝いてスピリチュアル全開だ。これに飛び込むのか?俺が?
今更になってまた馬鹿馬鹿しくなってきた、悪い大人にだまされてるじゃないか?出し子や受け子やらされた方がまだ現実味があるとゆうのに飛躍しすぎだよ高杉くん、誰だよたかすぎくん。わからない人は携帯スペース、シーエムで検索だ!
「いけ!世界を救えるのは君だけだ、青年!」
「松山さん…ここにきてそれですか」
「いっけー!!」
「森永さんまで…」
うなだれそうな気持ちに拍車をかけるような2人の送り出しに俺は返って火がついた。
足取り軽く、タンタンタン、それで済む。正面に立った、誰?俺が。
白基調のオフィススペースにちぐはぐな理由を抱えた図形1つ前に大人が3人、マジな目をして向き合ってる。明るい時間から冗談にしても下手なものだ。それなら誰かが抜けださなきゃだよな。だろ、そうだよな。
捨て台詞は決まってる。俺は2人の前に出て振り返ることもなく。
「輪をくぐるのに、ドラムロールがないのは残念だよ。」
そういって走った。恥ずかしいこと半分、もう半分は光るそいつはスクリーンの都合上、70センチ程高さがあるからだ。勢いがないと、跳べない、というかかっこ悪すぎる!!
タンッと音とともに俺は水に飛び込むように手を前に揃えて前傾姿勢で真ん中めがけて突っ込んだ。
オパールのように光り輝く魔法陣はなんの触覚も無く、俺を飲み込んでいった。
これが俺の初めての異世界転移だ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
魔の者たちの臥薪嘗胆――都を追われた魔族が転生勇者に復讐するまで
武州人也
ファンタジー
「異世界転生勇者に仲間を殺された者の復讐譚」
転生勇者パーティが、魔族の帝都に攻めてきた。圧倒的な力を持つ転生勇者たちに、魔族を統べる大魔皇帝は抗しきれずに都を捨てて逃げ出した。大魔皇帝は身代わりになって死んだ侍中と散っていった仲間たちの無念を晴らすために、転生勇者を倒す策を練るのであった。
最強格闘お姉さんの人間解放戦線https://www.alphapolis.co.jp/novel/584729422/575367472のスピンオフです。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
そんなにホイホイ転生させんじゃねえ!転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜
Open
ファンタジー
就活浪人生に片足を突っ込みかけている大学生、本田望結のもとに怪しげなスカウトメールが届く。やけになっていた望結は指定された教会に行ってみると・・・
神様の世界でも異世界転生が流行っていて沢山問題が発生しているから解決するために異世界に行って転生者の体の一部を回収してこい?しかも給料も発生する?
月給30万円、昇給あり。衣食住、必要経費は全負担、残業代は別途支給。etc...etc...
新卒の私にとって魅力的な待遇に即決したけど・・・
とにかくやりたい放題の転生者。
何度も聞いた「俺なんかやっちゃいました?」
「俺は静かに暮らしたいのに・・・」
「まさか・・・手加減でもしているのか・・・?」
「これぐらい出来て普通じゃないのか・・・」
そんな転生者を担ぎ上げる異世界の住民達。
そして転生者に秒で惚れていく異世界の女性達によって形成されるハーレムの数々。
もういい加減にしてくれ!!!
小説家になろうでも掲載しております
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる