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おまけ
①ハロウィン編
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「大河、Trick or Treat!」
二人、ソファーの上でまどろんでいる時、遼はそう言葉にした。
テレビからはハロウィンの仮装をした人たちのニュースが流れていて、そうか今年ももうそんな時期かと大河は思った。どこかいたずらっ子のような瞳を大河に向ける遼に大河はにっこりと微笑み返した。
「どうしよ、俺お菓子持ってない」
「持ってない奴は、どうなるか知ってるか~」
大河が今何も持っていないことは承知の上で遼は聞いたのだ。ふふふとほくそ笑むと、遼は大河をくすぐってやろうと手を伸ばす。
「!」
だけど、腕を大河に掴まれる。大河は遼の腕を掌でなぞりながら上に上げると、遼の手に指を絡めてギュッと握り込んだ。
「悪戯されちゃうんだよね」
両手を捉えられ遼は動けない、そんな遼の耳元に大河は口を寄せた。
「りょうにイタズラされるの、楽しみだな......」
「っ......!」
低く掠れた甘い声。所謂そういうコトをしている時の声のトーンで囁く大河に遼の体がピクンと跳ねる。
(こいつ......わざと!)
遼の顔がカァッと赤く染まった。一気に体の体温が上がってしまう。
そういう悪戯じゃない!と言ってやりたいが、自分から言い出した手前ここで引くなんて遼らしくない。
遼は赤い頬のままキッと大河を睨む。だけどその瞳は大河の声に反応し少し潤んでしまっていて、どれだけ強気に睨んでもとても可愛いことに遼は気づいていない。
「笑ってられるのも今のうちだからな!」
そう言って遼は絡められている手を解くと、大河をソファーに押し倒した。
そのまま大河の腰の上に、自分から乗り上げる。
遼がソファーから落ちないように、大河はそっとその腰を支えた。
二人の視線が絡み合う。
大河の方に遼が顔を寄せる、近づいていく口元、大河の愛のこもった瞳が真っ直ぐに遼を見つめて。
もう少しで唇が重なる......そこで。
遼は先程とは比べようにならないぐらい真っ赤っかになった。
恥ずかしくて仕方ないというように遼が視線を横に逸らす。
「ほ、本当はお前が俺にイタズラしたいんだろ!だったら......してもいいけど」
ツンと唇を尖らせ、どこか偉そうに遼はそう言うけれど。
頬は赤く染まり瞳を潤ませ、引っ付いた体からはドキドキと鼓動が高鳴っていることが伝わってきて。
とてつもなく大河を堪らなくさせた。
大河は体を反転させると、遼を押し倒す。
「うん、遼にめちゃくちゃイタズラしたい......なんで分かったの?」
優しく大河が遼を見つめて笑う。瞳はいつもの通り優しいけれど、その奥にはまるでランタンの中に揺れる炎のような隠しきれない熱い欲が浮かんでいた。
遼はそんな大河に答えるよう、その首に腕を回す。
「なんでも分かるよ、お前のこと...大好きだから......」
遼のことをなんでも分かってくれる、優しい大河に遼はそう告げる。
それに大河は、やっぱり優しく愛しさのこもった瞳で微笑んだ。
遼が大河を引き寄せて、重なった唇はすぐに深くなった。
♡HAPPY HALLOWEEN♡
二人、ソファーの上でまどろんでいる時、遼はそう言葉にした。
テレビからはハロウィンの仮装をした人たちのニュースが流れていて、そうか今年ももうそんな時期かと大河は思った。どこかいたずらっ子のような瞳を大河に向ける遼に大河はにっこりと微笑み返した。
「どうしよ、俺お菓子持ってない」
「持ってない奴は、どうなるか知ってるか~」
大河が今何も持っていないことは承知の上で遼は聞いたのだ。ふふふとほくそ笑むと、遼は大河をくすぐってやろうと手を伸ばす。
「!」
だけど、腕を大河に掴まれる。大河は遼の腕を掌でなぞりながら上に上げると、遼の手に指を絡めてギュッと握り込んだ。
「悪戯されちゃうんだよね」
両手を捉えられ遼は動けない、そんな遼の耳元に大河は口を寄せた。
「りょうにイタズラされるの、楽しみだな......」
「っ......!」
低く掠れた甘い声。所謂そういうコトをしている時の声のトーンで囁く大河に遼の体がピクンと跳ねる。
(こいつ......わざと!)
遼の顔がカァッと赤く染まった。一気に体の体温が上がってしまう。
そういう悪戯じゃない!と言ってやりたいが、自分から言い出した手前ここで引くなんて遼らしくない。
遼は赤い頬のままキッと大河を睨む。だけどその瞳は大河の声に反応し少し潤んでしまっていて、どれだけ強気に睨んでもとても可愛いことに遼は気づいていない。
「笑ってられるのも今のうちだからな!」
そう言って遼は絡められている手を解くと、大河をソファーに押し倒した。
そのまま大河の腰の上に、自分から乗り上げる。
遼がソファーから落ちないように、大河はそっとその腰を支えた。
二人の視線が絡み合う。
大河の方に遼が顔を寄せる、近づいていく口元、大河の愛のこもった瞳が真っ直ぐに遼を見つめて。
もう少しで唇が重なる......そこで。
遼は先程とは比べようにならないぐらい真っ赤っかになった。
恥ずかしくて仕方ないというように遼が視線を横に逸らす。
「ほ、本当はお前が俺にイタズラしたいんだろ!だったら......してもいいけど」
ツンと唇を尖らせ、どこか偉そうに遼はそう言うけれど。
頬は赤く染まり瞳を潤ませ、引っ付いた体からはドキドキと鼓動が高鳴っていることが伝わってきて。
とてつもなく大河を堪らなくさせた。
大河は体を反転させると、遼を押し倒す。
「うん、遼にめちゃくちゃイタズラしたい......なんで分かったの?」
優しく大河が遼を見つめて笑う。瞳はいつもの通り優しいけれど、その奥にはまるでランタンの中に揺れる炎のような隠しきれない熱い欲が浮かんでいた。
遼はそんな大河に答えるよう、その首に腕を回す。
「なんでも分かるよ、お前のこと...大好きだから......」
遼のことをなんでも分かってくれる、優しい大河に遼はそう告げる。
それに大河は、やっぱり優しく愛しさのこもった瞳で微笑んだ。
遼が大河を引き寄せて、重なった唇はすぐに深くなった。
♡HAPPY HALLOWEEN♡
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