【完結】好きになったイケメンは、とてつもなくハイスペックでとんでもなくドジっ子でした

金色葵

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第三章 初デートと二度目のキス、その後は......

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遼は大河の腕の中にいた。
大河は遼を抱きしめて、スースーと穏やかな寝息を立てている。
(すごかった......)
先程までの大河との濃厚な行為を思い出して、遼はポッと頬を赤らめる。あれから遼は何度も大河の熱を受け止めた。体でも言葉でも愛されて、最後の方は気持ち良すぎて泣き出すぐらいとろとろにされてしまった。
この綺麗な顔と穏やかな性格のどこに、こんな激しい欲を隠していたのだろうか。
「我慢してたって本当だったんだな......」
大河の胸から顔を上げて、遼はその顔を見た。大河が遼を愛してくれているのはもちろん伝わっていたけど、遼のことを考えて手を出すのを堪えてくれていたなんて。遼が思っている以上に、大河は自分のことをとても大事にしてくれていることが分かって遼の顔に笑顔が浮かんだ。
「これからは我慢しなくていいからな......」
そう言って、遼は体を伸ばすと大河の頬にチュッと口付けた。
「う......ん」
それに大河が身じろいだ。
「わっ」
大河はギュッと腕の中の遼を抱きしめる。急に強く引き寄せられて、遼の口から驚いた声が漏れた。
「りょう......これからも一緒に......色んな場所に行って、いろんなことし...ようね......」
そう言って大河がにへらとにやける。
(寝言......?)
起きてしまったのかと思ったが、大河は相変わらずスースーと穏やかな寝息を立てていた。
「だから、色んなことってどんなことを言ってるんだよ......」
にやけている大河の寝顔に、遼は呟く。
(まあでも......なんでもいいや)
楽しいことはもちろん、大変なことも何もかも大河と一緒なら怖くない。
(それと、エロいことだって......)
「どっからでもかかってこい!......だ」
小さく囁いて、遼はふふふと笑う。
温かい大河の温もりに包まれながら、遼はそっと目を閉じた。

寄り添い合って眠る二人の寝顔は、とても幸せなものだった。
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