【完結】好きになったイケメンは、とてつもなくハイスペックでとんでもなくドジっ子でした

金色葵

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第三章 初デートと二度目のキス、その後は......

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今日のデートはどこかに出かける、とかではなく二人で街をぶらぶらする予定だ。
大河は遊園地や海など魅力的な場所ばかりを提案してくれたが、遼はもっと普通のことがしたかった。大河と会う時はいつも大学内で、付き合いだしてすぐに論文の締切で忙しくなり、外で過ごしたことがほとんどなかったからだ。だから遼は大河とショッピングをしたり、お茶をしたりと、そういう当たり前の時間が過ごしたかった。
『普通のデートでいいだろ......』
恥ずかしくて死にそうなのを隠し平然を装ってそう言うと、遼の耳が真っ赤になっていることに気付いた大河が、優しく笑ってうんと頷いてくれた。
その時のことを思い出して遼は赤くなる。
ドジっ子なのに、大河はとても観察力が高い。ともすれば素直になれない遼の言葉は、きつくとられても仕方がないのに、大河には遼がどんな言い方をしても、本当に遼が言いたいことが簡単に伝わるのだ。
大河の前だとありのままの自分でいられる。それがこんなに楽だなんて初めて知った。そしてとてもとても安心できることも。
(こいつのこういうところすごく好きだな......)
そう思いながら大河を見つめると、視線に気づいた大河が遼の方を向いた。
遼は慌ててツンと顔を逸らす。そんな遼に大河は嬉しそうに目を細めた。何も言っていないのに、大河には遼が照れていることが分かってしまうようだ。
おずおずと大河の方に視線を向ける。大河は相変わらず愛しそうに遼を見つめていて。その優しい瞳に少しだけ口角を上げると、さっきまでも十分嬉しそうだった大河が更に嬉しそうな顔になった。
そんな大河に、気付いたら遼の顔にも自然な笑顔が浮かんでいた。
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