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第三章 初デートと二度目のキス、その後は......

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そして合コン当日はやってきた。
「.........」
大河は人知れずため息を吐く。
青木と仲良くなりたくて、せっかく佐々木にセッティングしてもらったのに、何故か分からないが女性に囲まれて身動きが取れない。
大河はチラチラと青木の方を見る。何度も目が合うので、青木の方もこちらを気にしてくれているような気はするのだが。このままでは一言も話せずに終わってしまう。
「ねぇ、大河くんってめちゃくちゃモテそうだよねー!」
「いや......そんなことないけど」
大河の言葉に嘘~!と周りを取り囲む女性たちが盛り上がるような声を上げる。
「ほんとだよ、恋人もいないし......」
さっきの言葉のどこに盛り上がる要素があったのか分からずに首を傾げながら、大河はそのままを口にする。
女性と付き合ったことはあるが結局は振られて終わるのだ。本当にモテるというのは、一人の人を大事にして長く付き合っていくことができる人のことだろう。
「彼女いないなんて本当なの?」
キラキラした目で大河を見てくる女性たちを不思議に思いながら頷く。
「本当だよ......」
大河はそう言いながら青木の方を意識する。青木に今付き合っている人がいないということは、佐々木が教えてくれていた。
「今絶賛恋人募集中」
無意識に言葉に力がこもる。青木の反応が気になって大河は伺うようにそちらを見た。
目が合った青木が驚いたように慌てて視線を逸らす。
「............」
なんだろうか、なんとなく、青木が大河の視線を避けるように目を逸らしたような気がして、ツキンと心が痛んだ。いつもは大河が見つめると、そっけないふりをしながらも優しく笑ってくれるのに。ツキツキと痛む胸を抱えながら、大河は女性たちに話しかけられる話題に答えていった。

そして一向に青木の側に行けないまま、ただ時間だけが過ぎていってしまう。
(今度こそ連絡先を聞くって決めたんだ)
大河は意を決して青木の方を見た。するとばっちりと青木と目が合う。
(あ......やっぱり俺のこと気にしてくれてる......)
それに勇気を得て青木の方に行こうと大河は立ち上がろうとした。
だけど。
青木は大河と目が合うと、眉を顰めて思いっきり視線を逸らした。そしてそのまま大河に背中を向ける。それは完全に大河を避けているようにしか見えなくて。
「っ......」
大河は息を飲む。
青木はそれから大河を振り返ることなく、目の前の女性と楽しそうに話し出した。視線を逸らされたことに胸が痛むのと同時に、笑顔で女性と話す青木の姿にちりちりと胸が焼けるような感情が沸き上がってきて。今にも青木を自分の方に引き寄せたい衝動に駆られる。
「............」
感じたことのない初めての感情に大河は戸惑いを覚えた。その間も青木はにこにこと女性と話をしていて。
その姿を見つめながら大河は胸を押さえてその衝動に耐えていた。
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