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第二章 世話焼きツンデレな俺の天使
⑦
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「みんな!その紙捕まえてくれっ!!」
換気のため廊下の窓が開けられており、それが更に紙の動きを読めなくさせていた。一人では無理だと悟った遼は、紙の進む方向にいる人たちに声をかける。
だけどみんなも掴むことができない。すっかり遼は紙の動きに翻弄されていた。
そのうち気付いたら、中庭の上にかかる理学部と経済学部の校舎を繋ぐ渡り廊下まできていた。
いつの間にか大騒ぎになって、そこには人だかりができていた。
「青木先輩頑張ってー」
「もう少しだぞ!青木」
遼に応援の声援が飛ぶ。渡り廊下の真ん中に来たところで少し風の勢いが緩んだ。今まで前に進むばかりだった紙が、同じ場所で上にふわふわと浮かぶ。
今だ、そう思って遼は紙に飛びつく、ふわっと横に舞った紙を掴むために遼は地面を蹴った。
(掴んだ!!)
確かに感じた手ごたえに遼は笑顔になる。
「え......」
だけど、見える景色がおかしいことに気付く。追いかけるのに夢中になりすぎた遼の体は、空中に飛び出していた。
さっき勢いをつけるため蹴った場所は、窓のサッシだった。紙しか見ていなかった遼は、それが窓の外に出ていたことに気付かず、飛び出してしまっていた。
「青木!!」
「キャーー」
その場に悲鳴が響く。
換気のため廊下の窓が開けられており、それが更に紙の動きを読めなくさせていた。一人では無理だと悟った遼は、紙の進む方向にいる人たちに声をかける。
だけどみんなも掴むことができない。すっかり遼は紙の動きに翻弄されていた。
そのうち気付いたら、中庭の上にかかる理学部と経済学部の校舎を繋ぐ渡り廊下まできていた。
いつの間にか大騒ぎになって、そこには人だかりができていた。
「青木先輩頑張ってー」
「もう少しだぞ!青木」
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今だ、そう思って遼は紙に飛びつく、ふわっと横に舞った紙を掴むために遼は地面を蹴った。
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「え......」
だけど、見える景色がおかしいことに気付く。追いかけるのに夢中になりすぎた遼の体は、空中に飛び出していた。
さっき勢いをつけるため蹴った場所は、窓のサッシだった。紙しか見ていなかった遼は、それが窓の外に出ていたことに気付かず、飛び出してしまっていた。
「青木!!」
「キャーー」
その場に悲鳴が響く。
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