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ぬいぐるみと少女
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今日は最高に運が悪い日だ。
私は友達と遊びに行く約束をしていて、待ち合わせ時間になっても連絡を何回しても応答が無かったので直接友達の家に行くことにした。
「ほんっと...これで遅れるの何回目だと思ってんのかしら、私じゃなきゃ怒ってた案件だって...」
少しイラッとしながら遅刻常習犯の家に向かう。...と、上からなんかの鳥が糞を落としてきた。
目の前に落ちたもんで危なっと思いながら上を見ると、大量のカラスが電線や至る所に止まって私を見ていた。
微動だにせず揃ったようにこっちを見てくるカラスに気味の悪さを感じていると、一斉にカーカー喚きだした。
「...ご、ごめんねー私何も餌持ってないんだ...それに急いでるから...ごめん!!」
カラスに向かってそういって私は走り出した、友達の家までは走ってあと1分もかからない。でも
「カー!!カーカー!!カー!!」
沢山のカラスの声が後ろから迫ってくる。だがようやく家が見えた、もうすぐで着く。
私は最後の力を振り絞って家まで駆け抜けた、ピンポーンとチャイムを鳴らしたが誰も出てこない。...入れ違えたかなと思ったが通り道は1本なのですれ違わないはずもない。
もう1回鳴らす。...何も聞こえない。むしろ音を吸い取られているような感覚があり、家の静けさも相まって怖さが出てきた。
カラスの声は今まで以上に大きくなり、異常事態を私に伝えてきているようだった。
「...開いてるかな...無かったら帰ろう」
ドアノブを捻る、ガチャりと開いた音がした。
家の中に入ると、先程までずっと聞こえてきていたカラスの鳴き声は無くなっていた。
「...おじゃましまーす!真由です、美咲を迎えに来ました。美咲いますかー?」
そう叫びながらリビングへと続く廊下の方を向くと、2m位はあるクマのぬいぐるみが美咲の上に乗っていた。
美咲はぐったりとしていて、上のぬいぐるみはこっちを向いてて、こっちを見てて。
「おマまごトしようネ!」
え?喋るの?おままごと?私で?
やばいと思って逃げようとしたけど、ぬいぐるみは私をつかんできた。
「あァー!!シゅじゅツのジかんダ!!」
そう言ってぬいぐるみは私の口の中に腕をぐるぐると突っ込んで中に押し込みながら圧迫してくる。
「...っっぐぼっっっ...がばっっっ...ぁぁぁ...あ゙あ゙...」
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しいなんで私がこんな目に合わなきゃいけないの??
ぬいぐるみは腕を出さない、このままだと窒息死してしまう。体を動かすが何にも当たった感触がない。
「めス!!ハい!!イたいのなイしましョうネ!!」
そうぬいぐるみが言うと私の身体の中心に包丁が突き立てられた。ブスりと刺され叫びたいが叫べない。
そのまま包丁は下に移動していき、クラクラと意識が飛ぶ感覚が私に来た。
目が覚めたら何も無いといいな、そう願いながら私は目を閉じる。最後意識が途切れる瞬間に聞いたのは、2階でドアを閉める音だった。
私は友達と遊びに行く約束をしていて、待ち合わせ時間になっても連絡を何回しても応答が無かったので直接友達の家に行くことにした。
「ほんっと...これで遅れるの何回目だと思ってんのかしら、私じゃなきゃ怒ってた案件だって...」
少しイラッとしながら遅刻常習犯の家に向かう。...と、上からなんかの鳥が糞を落としてきた。
目の前に落ちたもんで危なっと思いながら上を見ると、大量のカラスが電線や至る所に止まって私を見ていた。
微動だにせず揃ったようにこっちを見てくるカラスに気味の悪さを感じていると、一斉にカーカー喚きだした。
「...ご、ごめんねー私何も餌持ってないんだ...それに急いでるから...ごめん!!」
カラスに向かってそういって私は走り出した、友達の家までは走ってあと1分もかからない。でも
「カー!!カーカー!!カー!!」
沢山のカラスの声が後ろから迫ってくる。だがようやく家が見えた、もうすぐで着く。
私は最後の力を振り絞って家まで駆け抜けた、ピンポーンとチャイムを鳴らしたが誰も出てこない。...入れ違えたかなと思ったが通り道は1本なのですれ違わないはずもない。
もう1回鳴らす。...何も聞こえない。むしろ音を吸い取られているような感覚があり、家の静けさも相まって怖さが出てきた。
カラスの声は今まで以上に大きくなり、異常事態を私に伝えてきているようだった。
「...開いてるかな...無かったら帰ろう」
ドアノブを捻る、ガチャりと開いた音がした。
家の中に入ると、先程までずっと聞こえてきていたカラスの鳴き声は無くなっていた。
「...おじゃましまーす!真由です、美咲を迎えに来ました。美咲いますかー?」
そう叫びながらリビングへと続く廊下の方を向くと、2m位はあるクマのぬいぐるみが美咲の上に乗っていた。
美咲はぐったりとしていて、上のぬいぐるみはこっちを向いてて、こっちを見てて。
「おマまごトしようネ!」
え?喋るの?おままごと?私で?
やばいと思って逃げようとしたけど、ぬいぐるみは私をつかんできた。
「あァー!!シゅじゅツのジかんダ!!」
そう言ってぬいぐるみは私の口の中に腕をぐるぐると突っ込んで中に押し込みながら圧迫してくる。
「...っっぐぼっっっ...がばっっっ...ぁぁぁ...あ゙あ゙...」
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しいなんで私がこんな目に合わなきゃいけないの??
ぬいぐるみは腕を出さない、このままだと窒息死してしまう。体を動かすが何にも当たった感触がない。
「めス!!ハい!!イたいのなイしましョうネ!!」
そうぬいぐるみが言うと私の身体の中心に包丁が突き立てられた。ブスりと刺され叫びたいが叫べない。
そのまま包丁は下に移動していき、クラクラと意識が飛ぶ感覚が私に来た。
目が覚めたら何も無いといいな、そう願いながら私は目を閉じる。最後意識が途切れる瞬間に聞いたのは、2階でドアを閉める音だった。
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