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天凛
天凛と母
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いつか...いつか絶対...天凛が...現れれるよ...だって私と...あの人との子供だもの...大丈夫...絶対に...大丈夫
僕の名前はレミエル・フォン・リリウス。
僕はアルカディア王国の王族の次男として生まれた。
僕はあらゆることに恵まれていなかった。
この世界には天凛と呼ばれる王族と貴族にしか現れない翼の様なものが存在する。これは通常5~8歳までの間に出現し、人間を逸脱するほどの力を有する。
翼のような形をした、体の一部として扱われている器官だ。
そして僕は王族でありながら未だに天凛が現れていない。現在僕は11歳。明らかに異常だ。
天凛を持たないということは貴族、王族間において人権を持たないようなものだ。
まあ、当たり前だ。
天凛を持つことで超常現象を起こす能力-人々はこれを魔法と言う-や通常の人間では成し得ない飛行能力などの恩恵がある。
そして天凛を持つ人によって、異なる翼の色と、権能を持つ。
僕の兄は所謂天才と言われる人だ。天凛が3歳で現れるだけでなく、権能がこのアルカディア王国初代勇者と同じ 《太陽》なのだ。
しかも僕の不運は天凛がないだけでは無い。
僕は【忌み子】なのだ。
母アテネ・フォン・リリウスの子供であり、表面的には国王ミダス・フォン・リリウスとの間に生まれた子供だ。
そう、表面的には。
僕は本当の父親を知らない、お母さんも教えてくれなかった。
そのせいか、容姿も明らかにおかしい。
金髪碧眼の王族に対して僕は不吉の象徴である銀髪、銀眼と赤眼のオッドアイ。
でも僕は自分の容姿が好きだ。
みんなと違うことで昔は嫌だったけれど
「自分くらいは自分の容姿を好きでありなさい。レミの綺麗なお顔が勿体ないよ。」と母に言われてから自分を特別視できるようになった
これらの悪条件が揃っているのだから、城内にいれば使用人からさえも冷ややかな視線を向けられ、冷遇されている。
その中でも兄は酷い、皇太子としてチヤホヤされ、周りは言うことをなんでも聞く、このせいで利己的で傲慢な性格に育ってしまった。
さらに金髪碧眼で容姿が整っていてその上才能もあるのだからタチが悪い。
お母さんが死んだ今では、城内どこにいても、使用人でさえ僕に冷ややかな視線を向けてくる。
もう慣れたことだ。
僕はお母さんが大好きだった。
冷遇されているにも関わらず、常に明るくて、笑顔を絶やさない人だった。
口癖は"大丈夫"だった。
今になって考えて見れば僕を励ますと同時に自分を鼓舞していたのかもしれない。
母は1年前に思い病気で死んだ。その時思ったんだ【世の中は理不尽だ】ということに。
こんな優しくて天使のような母が病気で死ぬ。神がいるならば呪い殺したい気持ちだった。
そこからは何も考えずに生きてきた。
僕には何も無いから。唯一の家族も、才能も、話相手すら、
そして1年たった今でも、人生を消費するかのように機械的に生きてきた。
僕の名前はレミエル・フォン・リリウス。
僕はアルカディア王国の王族の次男として生まれた。
僕はあらゆることに恵まれていなかった。
この世界には天凛と呼ばれる王族と貴族にしか現れない翼の様なものが存在する。これは通常5~8歳までの間に出現し、人間を逸脱するほどの力を有する。
翼のような形をした、体の一部として扱われている器官だ。
そして僕は王族でありながら未だに天凛が現れていない。現在僕は11歳。明らかに異常だ。
天凛を持たないということは貴族、王族間において人権を持たないようなものだ。
まあ、当たり前だ。
天凛を持つことで超常現象を起こす能力-人々はこれを魔法と言う-や通常の人間では成し得ない飛行能力などの恩恵がある。
そして天凛を持つ人によって、異なる翼の色と、権能を持つ。
僕の兄は所謂天才と言われる人だ。天凛が3歳で現れるだけでなく、権能がこのアルカディア王国初代勇者と同じ 《太陽》なのだ。
しかも僕の不運は天凛がないだけでは無い。
僕は【忌み子】なのだ。
母アテネ・フォン・リリウスの子供であり、表面的には国王ミダス・フォン・リリウスとの間に生まれた子供だ。
そう、表面的には。
僕は本当の父親を知らない、お母さんも教えてくれなかった。
そのせいか、容姿も明らかにおかしい。
金髪碧眼の王族に対して僕は不吉の象徴である銀髪、銀眼と赤眼のオッドアイ。
でも僕は自分の容姿が好きだ。
みんなと違うことで昔は嫌だったけれど
「自分くらいは自分の容姿を好きでありなさい。レミの綺麗なお顔が勿体ないよ。」と母に言われてから自分を特別視できるようになった
これらの悪条件が揃っているのだから、城内にいれば使用人からさえも冷ややかな視線を向けられ、冷遇されている。
その中でも兄は酷い、皇太子としてチヤホヤされ、周りは言うことをなんでも聞く、このせいで利己的で傲慢な性格に育ってしまった。
さらに金髪碧眼で容姿が整っていてその上才能もあるのだからタチが悪い。
お母さんが死んだ今では、城内どこにいても、使用人でさえ僕に冷ややかな視線を向けてくる。
もう慣れたことだ。
僕はお母さんが大好きだった。
冷遇されているにも関わらず、常に明るくて、笑顔を絶やさない人だった。
口癖は"大丈夫"だった。
今になって考えて見れば僕を励ますと同時に自分を鼓舞していたのかもしれない。
母は1年前に思い病気で死んだ。その時思ったんだ【世の中は理不尽だ】ということに。
こんな優しくて天使のような母が病気で死ぬ。神がいるならば呪い殺したい気持ちだった。
そこからは何も考えずに生きてきた。
僕には何も無いから。唯一の家族も、才能も、話相手すら、
そして1年たった今でも、人生を消費するかのように機械的に生きてきた。
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