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勝手に盛り上がる男
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二射目の矢を避け、襲撃者と対峙する。
敵はこちらの人数を把握していたのか、女子供を拐う者と足止めをする者で役割を分担しているようで、練度はそう高くないが人数不利も手伝って覆すには少々骨が折れるだろう。
(膠着状態が続くのはまずい。取り敢えず窓の視界から離れなければ。)
そう頭の中で分かっているのだが、敵もそれを理解しているのか、間合いの調整をする事でこちらが動けないようにしてくる。
(ぬううう、どうにかしなければ!)
焦燥に駆られつつも、暫くその状態が続く。・・・が、肝心の矢が一向に飛んでこない。
あちらもそれが不思議でならないのか、動きに若干の動揺が見え始めた。
(これは一体どういうことだ?もしや神のご加護だろうか?)
そう思い神の分身をちらりと見てみたが、ぴくりとも動かない。動きがなさすぎて逆に不自然に見える程だ。
(まさか!!)
そう、その時私に天啓とも言えるような稲妻が走った。
「クックックッ」
喉奥が引き攣り空気が漏れる。
私が笑い始めた事により、周囲の人間は一歩後ずさる。
気が触れたようにでも見えたのだろうか。
まあその様なこと等今はどうでも良い
「ああ、かみよ!そう!これは!今まさに!そういう事なのですね!」
確信と共に一歩踏み出す。
異変を感じたのか、敵の後方に居た者が離脱を始める。
「そう、これは私に課せられた試練!」
「愚かだった私が神に仕えるに相応しいか!卑しくも巫女の足元に膝まづく事をお赦し戴けるかの!」
敵は目配せをしながらじりじりと後退る。
そんな困惑しなくてもいいだろうに、直ぐに何も考えられなくなるのだろうから。
「ヒャヒャヒャ!1人残さず神の供物にしてくれるわあ!」
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中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。
……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。
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