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村の強化

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夜半、魔物の刻



今まさに魔物の群れが一つの村に向かい駆けていた。

腹を空かせたその群れは、各々が自由に動き回り対象となった獲物を一呑みにせんと囲い込むように広がり村の中へと飛び込んでいった。



一瞬の静寂の後、異物に気づいた村から悲鳴が上がる。

その悲鳴は長く続くことはなく、再び静けさを取り戻した村に、ポツリポツリと明かりが灯る。



(さて・・・これは・・・どうしようか。)



手と頭があれば抱え込みたい心境で、一匹の魔物は考えた。



目の前には野生の姿とか、プライドとか全てを投げ出し腹を見せて寝転がるどこかで見たような憐れなウルフが居た・・・。

どうやら、村人達に取り付く俺を見て、トラウマを刺激してしまったのか気絶してしまっているみたいだ。



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結果から言おう、悩んだ俺が馬鹿だったと。



本来魔物と人は相容れない。しかし、人を理解し、人と歩める魔物がいたとしたら、それを橋渡しとして共生する事はできるようだ。



(問題はその魔物を人間側が神みたいに扱っている事だけどね!)



『神の威光には魔物すら伏する!

神に従う信徒は平等に接しないければならない!』

みたいな感じだろうか、憐れ狼共はそれぞれ部屋に連れて行かれ、世話をされる事となり、なんということでしょう、あっと言う間に村の一員となりましたとさ。



最初痩せこけた姿の狼共だったが、野生のタフさというか、三日もあればその時の衰弱は見る影もなく復調し、今では朝の礼拝にも大人しく参加している。



ご都合主義は過ぎると、嫌悪感を覚えるが・・・これにはもう呆然とするしかなかった。

村人が何を考えてるかさっぱりわからない、俺に理解できない思考回路をお持ちで、その理解できないものの原理は幸子と、それに寄生している俺ときている。



人間(狂信者)って怖いね。



殺されてもおかしくない状況から助けられた事、それと俺が共にいるという事を認識しているようで、もはや地球上の犬と大差ない感じに成り下がっている。

違いといえば、個人での飼育ではなく、村での飼育で、村人はこいつらを友人もしくは信徒?として扱っていることか。



兎に角、これからこの狼達が反逆する可能性もなくはないので、寝こけている隙に寄生はしておいた。折角だからとポチにも行った例のアレを施そう。・・・そう、改造だ!。



ということで更に半月後

そこには10匹の触手狼の姿が!。



ポチ程に練度が高くないので、一匹であの時の数のハンターは相手にできないが、全員で襲えば半日かからずに殲滅できるだろう。慣らし運転として、村人と訓練したり、森の中で動き回らせたりと暫くは村の中が忙しなくなるだろうが、未来への投資だ仕方あるまい。

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