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謎の素材

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城下街



ハンターギルド本部にて



「此度の急な呼び出しは一体何用かな?わざわざグランドギルドマスター殿がその執務室に招集するとは余程のことなのだろう?」



「・・・忙しい所申し訳ない。しかし、立場と実力もあり、更に腹を割って話せる相手となると、貴方くらいしか今の私にはいない物でね。」



「ほっほ。若い者から頼られるとは、年の取り甲斐もあるというものよ。」



「有難うございます。まずは現物から見ていただきたいと思います。」



「・・・ふむ・・・。一見木の根っこかなんかにしか見えんが・・・。」



「はっはっはっ。そうでしょうね、私も最初は冗談で謀られたのかと訝しんだ物ですが、貴方ほどの方ならば持って頂ければ分かると思います。」



「では、失礼し・・・まさかこれは・・・む?いや、しかし。ほっほっほっ、まさかこんな代物が。こりゃあぶったまげたのう。お主、これについてはどこまで知っておる?。」



「それが詳細は知りません。辺境のギルドマスターから送られてきたもので、調べようとした先々で問題が起こるのです。やれ、エリキシルの材料に通じる物があるとか、魔道具に加工すればドラゴン素材をも上回る業物ができあがるとか、夢物語のような話ばかりが沸き起こるのです。

『扱いきれない』と断りの言葉ばかりが返ってきて・・・。」



「じゃろうのう。こいつはな、魔力に関する干渉材その物と言っていい代物じゃ。」



「・・・はい?それは、鉱石やら魔物の宝玉の?」



「そうじゃ。流石にこのような形の干渉材というのは見たことが無いだろうのう。」



「・・・」



「価値を計り兼ねるとあって儂に相談して来てくれたのは幸いだったのう。これは儂の人生ひいては世界を揺るがす素材であると断じれる。」



「そんな代物なんですか!?」



「お主は関係者足り得る者であるからして話すが・・・これを巡っての近隣諸国との戦争も視野に入れるべきじゃな。ほっほっまさかこの年にして時代の節目になろうとも言える物に巡り合うとは、分からぬものよなあ。」



「そんな・・・。」



「まずこれを知るには我々が魔法といっているものからの成り立ちから話す必要があるが・・・

まあ今更な話じゃ。重要なところはの、この干渉材には属性とも言えるものが無い。そのかわり、どの属性とも親和性が高い。まるで火に濯ぐ油、増幅材とも言えるかの。問題はその増幅の割合じゃ、それこそ、儂ですらその秘められた力がどれほどなのか分からぬ程じゃ。」



「最初はどんな魔物かの調査依頼だったのですが・・・。まさかそんな話にまで飛躍するとは・・・。」



「魔物・・・魔物か・・・それはどんな魔物か知っておるか?」



「話によると、ウルフの形をしていたそうです、それでいくつもの触手を自由自在に操り、100人にも及ぶ人数でやっと仕留めたのだとか。死体はまだその辺境に置いてあるそうです。」



「むう、急ぎこちらに送るように伝えたほうがよいのう。いっそのこと極秘の依頼として最高ランクのハンターも付けた方が良さそうじゃのう。」



「わかりました、そのように手配を付けます。」



「あと、儂も少々時間を貰おうかのう。これについて、王に内密な相談と利権に群がる蠅どもの対策に少々小細工をしなければならないだろうからの。」



「はい。では、また改めてふさわしい場所にて。」



「うむ。」
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