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少女と寄生虫

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「今のは・・・」

襲われた事への恐怖を上回ったのか、幸子はポツリと言葉をこぼしている。



(ここだ!)

((聞こえますか。少女よ・・・私は今あなたの心に直接話しかけています。))



内容は適当である。どうせ言葉は伝わらない。俺という存在に気付いてくれれば、それで十分なのだから。



「うう、気持ち悪いよお

なあに?これ・・・頭のなか?」



良い反応では無さそうだが、頭を抑えているあたり多少は理解してくれそうだ。しかし、気分が悪そうなのはいただけないな。

どれ少し気持ちよくして「はうあ!!」・・・やっべ、分量間違えたわ。



※2



「きっきもちいい~~もっとお~もっとお~~。」

(・・・はっ!?俺は何を!?)



宿主の期待に応えようと、本能的に動いてしまった。

そこには少女らしからぬ表情を浮かべた幸子。正気に戻った俺は、即座に終りを伝える為にダウナーなお薬を処方する。

因みに処方するときの基本的なお薬の種類はアッパー、ダウナー、エクスタシーと呼んでいる。



「うう、もう終わりなのお?」



何と言っているのか分からないが、表情的にはおねだりをしているのだろう。美幼女が涙目でおねだりをしてくるなんて状況、誰が想像していただろうか!

仕方ないので少量のエクスタシーを処方。



「んんっ!わかったあこれで我慢するう。」



満足したのか、少し休憩してから幸子は動き出した。



「ねえねえ、あなたってなあに?あんな凄い事が出来るのって、もしかして神様?」



あれからずっと幸子は一人言を喋っている。

(・・・というか俺に話掛けてるんだろうなあ。)

折角認識してもらえたのに無反応なのは流石にまずいだろう。

そう思い適当にアッパーを打ち込む。



「はぁぁぁ・・・やっぱりそうなんだあ」



なにやら頻りに頷いているので、きっと俺という住人が増えたことに納得しているのだろう。喜んでいる姿をみると何か良い事した気分になるな!

とりあえず、しばらく意思の疎通はアッパーとダウナーを使い分けたYES、NO方式でよいだろう。



それにしても幸子はどこに向かっているのだろうか?。迷いなく進んではいるが・・・行き倒れていたこともそうだが、なかなかに謎が多い子供だ。



「神様とならあの悪い人たちを倒せるかなあ?」



おおっと。また喋りかけられた。はいはい、私は確かにここにいますよっと。



「本当!?神様やっぱりすごい!

よ~し!じゃあおうちに戻って悪い人たちをやっつけちゃおう!。」







今何か悪寒がしたな。俺、もしかしたら取り返しのつかない事をしてしまったか?。
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