ひとりぼっちの世界、たった二人だけの星

鈴木りんご

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一章「美しい星と滅びた人類」

9話

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☆☆

 私はただ見ていた。

 人類が望んで滅びていく姿を……

 誰もがそれを望んでいたし、それしか解決策は見出すことができなかった。

 だから仕方がなかった。

 皆が一様にそれを望んでいた。

 それなら私には止めることはできない。

 ただ見ているしかなかった。

 人類が笑顔でこの世界を救う姿を……

 人類が誇らしげに、自らの命を捨ていく姿を……

 その中には彼だっていたはずなのに。

 私は止めることもなく、ただ……見ていた。

 みんなが幸せだったから、私も幸せにされた。私は悲しむことすら許されなかった。

 でも、今は一人……

 もう誰も何も思わない。

 私は私の心から生まれる思いだけを素直に感じることができる。

 だから私は今、こんなにも悲しい……
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