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一章「美しい星と滅びた人類」
5話
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☆☆
私は一人だった。
一人になったわけではない。始めから一人だった。
いつだったのだろうか? 私という存在に気づいたのは。私の中に私というものが在ると気づいたのは。
それに気がつく以前、私は全てだった。
しかし、気づいてしまった。ある日突然に……何の前触れもなく。
水面にこぼれ落ちた一滴の涙のように、静かにゆっくりと私の中に私が広がっていった。
だから……一人になった。
それでも、それを悲劇だとは思わない。
彼と出会うためにそれは必要なことだったのだから。
私という存在に気がつくことができたから、彼という存在に出会えた。
私の中から溢れる、他の誰のものでもない私だけの想いを感じることができた。
でも、彼はもういない。
今は……一人。この世界で私はたった一人。
扉のない、窓すらないこの部屋の中に、私はたった一人きりだ。
いや、部屋にしては広すぎるかもしれない。そこは部屋というよりも塔に似ていた。私のためだけに建てられた施設。
まるで物語に登場する悪い魔女によって閉じ込められたヒロインのように、私は一人そこに在り続ける。
昨日も今日も明日も……ずっと……ずっと……ずっと…………
永遠に……私が終わるそのときまで……
彼も、誰もいないこの世界の下で。
私は一人だった。
一人になったわけではない。始めから一人だった。
いつだったのだろうか? 私という存在に気づいたのは。私の中に私というものが在ると気づいたのは。
それに気がつく以前、私は全てだった。
しかし、気づいてしまった。ある日突然に……何の前触れもなく。
水面にこぼれ落ちた一滴の涙のように、静かにゆっくりと私の中に私が広がっていった。
だから……一人になった。
それでも、それを悲劇だとは思わない。
彼と出会うためにそれは必要なことだったのだから。
私という存在に気がつくことができたから、彼という存在に出会えた。
私の中から溢れる、他の誰のものでもない私だけの想いを感じることができた。
でも、彼はもういない。
今は……一人。この世界で私はたった一人。
扉のない、窓すらないこの部屋の中に、私はたった一人きりだ。
いや、部屋にしては広すぎるかもしれない。そこは部屋というよりも塔に似ていた。私のためだけに建てられた施設。
まるで物語に登場する悪い魔女によって閉じ込められたヒロインのように、私は一人そこに在り続ける。
昨日も今日も明日も……ずっと……ずっと……ずっと…………
永遠に……私が終わるそのときまで……
彼も、誰もいないこの世界の下で。
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