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.遠征なんて無理っ!絶対無理っ! 8
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「で、女の園にはなにしに行ってたんだ?」
窓から遠ざけられて下ろされると、ハオが怖い顔して見下ろしていた。
いや、別にどこに行こうと俺の勝手なんだけど……。
「……リノに聞きたいことがあったんだよ。別にいいだろ?」
「子作りに行ったわけじゃないんだな?」
「俺なんて誰も相手にしてくれねぇよっ!」
傷に塩を塗るようなことを言うんじゃない。細いだとか白いだとかさんざんだ。
今日だって誰も俺なんか見向きもしなかったんだからな……っ。
「聞きたいことは聞けたのか?」
「んー。わかったような、わからんような。結局俺はなにしたらいいわけ?」
「好きなようにしたらいい」
それじゃ今と変わらないじゃん。
ただここにいるだけで、ただ飯食らいでいていいわけ?
いいわけないよなぁ……。
……?
あれ? 俺いつの間に、アンダーウォーカーとしてなにかしようとしてるんだ?
ここから逃げ出したっていいのに。
でもここ出たからって俺がなにかできるわけじゃないし、野垂れ死ぬだけだし、それならなにか役立ちたいって思うのは、間違ってない、よな?
「クククッ。マナ様にアンダーウォーカーとしての自覚が芽生えてらしたのは、喜ばしいことですね」
「サイっ! 違うからっ! 別に俺はハオのためになんかしたいと思ってるわけじゃないからなっ」
「なるほど。ハオ様のために力になりたいと思われているわけですねぇ」
「違うって言ってるだろっ!」
違うって言ってるのに、サイはまだ笑ってやがる。こいつほんとにムカつくやつだな。
俺がサイに食って掛かっていると、ハオが割って入ってきた。
「うわっ! なにすんだよ」
だから、俺を呼びよせるのに抱き寄せる必要はないんだから、ほいほい抱えるんじゃないっ!
せっかく下ろしてもらったのに、またハオの腕の中に逆戻りじゃないか。
しかも脇腹から抱えられて、持ち上げられた。
下から、じっと見上げられる。
「な、なんだよ……」
「俺はマナがそばにいればいい」
「なにそれ。それじゃまるで俺のこと好きみたいじゃんっ!」
俺、っていうかアンダーウォーカーを手に入れるのが目的のはずだろ?
そこに気持ちなんてないはずだろ?
そうだよな?
俺の言葉にハオは何かに気付いたように目を丸くしてから、納得した顔で目を細めた。
「なるほど。これが心を手に入れるということか……。俺の心は、マナ。お前のものだ」
「……は?」
「好きだ、マナ。俺は、お前のことが好きだ」
や、やめてくれっ! そんな目で見るなっ!
なんだよ、その顔……っ!
お前は、この世界で一番強い覇王じゃなかったのか?
俺なんかに、熱を上げてる場合じゃないだろ?
「クククッ。マナ様もまんざらではなさそうで、安心ですね」
やめろ。俺を分析するんじゃないっ!
告白なんて慣れてないことされたから、顔が赤くなってるだけだっ!
「ってハオっ! 下ろせっ! キスしようとするんじゃないっ!」
「それ以上のことは、もう済ませているのだからこれくらいはかまわないだろう?」
「無理っ! 絶対無理っ! キスはダメっ!」
ってまるで風俗のお姉さんみたいなことを言ってしまった。
なんとか身体を反らせてもがいてみせたら、諦めてくれたハオが耳元で囁いた。
「仕方ない。いつか、お前の心を手に入れたときには、マナからしてくれ」
ってないから、絶対ないからっ!
ってついでみたいに耳にキスするのはやめろっ!
窓から遠ざけられて下ろされると、ハオが怖い顔して見下ろしていた。
いや、別にどこに行こうと俺の勝手なんだけど……。
「……リノに聞きたいことがあったんだよ。別にいいだろ?」
「子作りに行ったわけじゃないんだな?」
「俺なんて誰も相手にしてくれねぇよっ!」
傷に塩を塗るようなことを言うんじゃない。細いだとか白いだとかさんざんだ。
今日だって誰も俺なんか見向きもしなかったんだからな……っ。
「聞きたいことは聞けたのか?」
「んー。わかったような、わからんような。結局俺はなにしたらいいわけ?」
「好きなようにしたらいい」
それじゃ今と変わらないじゃん。
ただここにいるだけで、ただ飯食らいでいていいわけ?
いいわけないよなぁ……。
……?
あれ? 俺いつの間に、アンダーウォーカーとしてなにかしようとしてるんだ?
ここから逃げ出したっていいのに。
でもここ出たからって俺がなにかできるわけじゃないし、野垂れ死ぬだけだし、それならなにか役立ちたいって思うのは、間違ってない、よな?
「クククッ。マナ様にアンダーウォーカーとしての自覚が芽生えてらしたのは、喜ばしいことですね」
「サイっ! 違うからっ! 別に俺はハオのためになんかしたいと思ってるわけじゃないからなっ」
「なるほど。ハオ様のために力になりたいと思われているわけですねぇ」
「違うって言ってるだろっ!」
違うって言ってるのに、サイはまだ笑ってやがる。こいつほんとにムカつくやつだな。
俺がサイに食って掛かっていると、ハオが割って入ってきた。
「うわっ! なにすんだよ」
だから、俺を呼びよせるのに抱き寄せる必要はないんだから、ほいほい抱えるんじゃないっ!
せっかく下ろしてもらったのに、またハオの腕の中に逆戻りじゃないか。
しかも脇腹から抱えられて、持ち上げられた。
下から、じっと見上げられる。
「な、なんだよ……」
「俺はマナがそばにいればいい」
「なにそれ。それじゃまるで俺のこと好きみたいじゃんっ!」
俺、っていうかアンダーウォーカーを手に入れるのが目的のはずだろ?
そこに気持ちなんてないはずだろ?
そうだよな?
俺の言葉にハオは何かに気付いたように目を丸くしてから、納得した顔で目を細めた。
「なるほど。これが心を手に入れるということか……。俺の心は、マナ。お前のものだ」
「……は?」
「好きだ、マナ。俺は、お前のことが好きだ」
や、やめてくれっ! そんな目で見るなっ!
なんだよ、その顔……っ!
お前は、この世界で一番強い覇王じゃなかったのか?
俺なんかに、熱を上げてる場合じゃないだろ?
「クククッ。マナ様もまんざらではなさそうで、安心ですね」
やめろ。俺を分析するんじゃないっ!
告白なんて慣れてないことされたから、顔が赤くなってるだけだっ!
「ってハオっ! 下ろせっ! キスしようとするんじゃないっ!」
「それ以上のことは、もう済ませているのだからこれくらいはかまわないだろう?」
「無理っ! 絶対無理っ! キスはダメっ!」
ってまるで風俗のお姉さんみたいなことを言ってしまった。
なんとか身体を反らせてもがいてみせたら、諦めてくれたハオが耳元で囁いた。
「仕方ない。いつか、お前の心を手に入れたときには、マナからしてくれ」
ってないから、絶対ないからっ!
ってついでみたいに耳にキスするのはやめろっ!
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