世紀末な転移先で覇王に捕まりました〜この世界で生き抜くなんて無理っ!絶対無理っ!〜

三谷玲

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.女に襲われるなんて無理っ!絶対無理っ! 5

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 結果として、ユウは俺と同じことを言ったようだった。

 ――こんなことで手に入れられると思ったら大間違いよ。わたしは絶対、あの男のモノにはならない。ダンなんて絶対イヤ!

「このダンってのが、覇者か」
「いいや。そのときの覇者は、レオだよ。ダンは、その前の首領だね。レオは不遇な扱いを受けるユウをダンから奪うため決闘して、勝ったのさ」
「へぇえ! やるじゃん!」
「それからユウは、この女の園を作ったのさ」

 ユウのことを語るリノは誇らしげに、大きな胸を、さらに大きく反らせた。

「それまで女は男の奴隷でね。働かされて、犯されて。とにかくひどい扱いさ。ユウは女たちを集めて、保護するようレオに言ったのさ」
「それでここを作ったんだ。反発とかなかったの?」
「そりゃもちろんあったさ。だけど、レオはユウに夢中だったからね。そういう奴らはねじ伏せていったよ。女たちは、護ってくれるユウとレオを支持したから、子作りするために、男たちは従わざるを得なかったね」

 すごいな、ユウ。どんな子だったんだろう? 会ってみたかったな……。
 最後のページにあるかもと思って開いたけれど、写真の部分は剥がれてしまってぽっかり空いていた。
 おそらく名前と住所が書いてあった場所は、とくにかすれてほとんど読めない。
 俺も思わず、指でなぞった。
 きっと、帰りたかったんだろうな。

「それはアンダーウォーカーのものだから、ゆっくり読みな」

 めくる手の止まった俺に、リノが優しく声をかけてくれた。
 見上げるとやはりお母さんみたいな穏やかで、優しい笑みを浮かべていた。
 ちょっと、ハオにも似ている。

「リノとハオって親戚かなんか? 似てるって言われない?」
「さぁ、どうかねぇ。あたしは生まれも育ちもここだけど、ハオは大渓谷の近くだって話だ。まぁ、ユウの子どもは十五人もいたんだ。どこかで血が繋がっててもおかしかないね」
「十五人? って、リノはユウの子孫なの?」
「あぁそうさ。だからすこし色白だろ?」

 それには素直にうなずけないけれど、ユウの子孫ってことは前の覇者、レオの子孫でもあるわけで……。
 やっぱり上に立つ人っていうのは、生まれながらにしてなにかしら持ってるものなのかもしれない。
 きっと、ユウは本物のアンダーウォーカーなんだろうな……。

「さ、そろそろ休憩時間だ。女たちがあんたを待ってるよ」

 え? 待ってる?
 それって、むふふなことを期待していいのかな?
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